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February 19, 2007

仮想世界の「貿易統計」、SOEから

しばらく前のことなのでどこかで誰かが書いているのではないかと思うのだが、日本語ではまだ見かけないような気がする(CNETの英語ニュースには出てたんだけど日本語訳は出てるんだろうか)ので、自分用のメモも兼ねて書いておく。あまり時間がないので手短に。

SOEEverquestII(アメリカのほう)で公式RMTサイト「Station Exchange」を開設したのは2005年7月だが、1年間やってみた状況をまとめた「白書」が発表された。2005年6月~2006年6月の12ヶ月間についてまとめた由。確か20いくつかあるサーバのうち2つに導入したのだと思う。

リンクをいくつか。
SOEのプレスリリース
Synthetic World News「Sony Releases Virtual Trade Statistics
CNETの英語ニュース「Real-world success with virtual goods
Raph Kosterのブログ(ここにはフルバージョンのレポートへの直リンクがあったのだが、今見たらリンクが切れてるっぽい)

SOEのJohn Smedley社長のコメント。

“The Station Exchange White Paper results demonstrate beyond a doubt that there is a significant demand for a secure, sanctioned online marketplace where players can enhance their gaming experience by spending real dollars.”
“We’ve found that Station Exchange is providing an excellent ancillary revenue stream for both SOE and our players. Some of our Station Exchange players are literally paying for their subscription to EQII, while others are making significant money.”

いくつかのデータ。

• 2人のプレーヤーがそれぞれ$37,000を稼いだ。トップ15人の稼ぎは皆$10,000を超える。
• 一番取引価格が高いのはキャラクター。オークションでの価格トップ20はどれも$1,000を超える。
• 最も高価だったキャラクターはDark Elfで、High ElfとHumanが続く。
• 買主で最も多いのは34歳。売主で最も多いのは22歳。
• 平均「為替レート」は1プラチナあたり$7.35
• 利用者は男性が多く、女性の約8倍。1人あたりの購入額は男性$63、女性$66とほぼ同等。
• アクティブな参加者の18%は北部California居住。しかし売買が最も多かった場所を郵便番号からみるとペンシルバニア州Levittown。次に同じくペンシルバニア州Northumberland、テネシー州Antiochが3位。

たくさん稼いだのはごく一部、多くは手数料等を引けば月当たり200~500ドル。しかしアイテムを売ることは、金だけでなく、名誉のためでもあるらしい。

According to White Paper author Noah Robischon, however, a least some players selling items on the site felt they got more than money out of their transactions: “The sellers who provide armor and weaponry feel they are providing a service to players while elevating themselves to elite status among fellow gamers.”

基本的に売り手は自分で作り出したアイテムなどを売っていて、他からの転売ではないようだ。買い手はオークションよりも言い値で買うことを好む。SOEは、プレイヤーがその場その場で必要なアイテムを買っているからだろうと推測している。レベルの高い友達に合わせるために買うケース、強いキャラクターを買ってより高いレベルを楽しむケースなどもあるらしい。

Station Exchangeの登場によって、それ以外のサーバでのRMTが減ったということではないようだ。ルール違反をする者の多くは、ルール違反をすることによるショートカットを狙っているということか。そういった層には、別の対応が必要なんだろう。ただし、自分の手の届く範囲内でRMTをゲームプレイの一部として楽しみたい層というのがいて、そういう人に対して安全な取引の場を提供したという意味は小さくない。プレイヤーを守るという観点もそうだが、ゲーム会社にとっても苦情の減少という効果がある。Edward Castronovaがこの点についてコメントしている。

" . . . the evidence suggests that making RMT an official part of the game has little effect on whether people do it. Customer service costs fall dramatically, though. There's just as much activity, but a lot less fraud."

とりあえず、作ったものをこうやって検証して、その結果を公表した点について高く評価すべきだ。こういうのは「仮想世界の政府」としてのアカウンタビリティといえる。

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