都知事選予測市場(3/28):バブル再拡大
表にするとこう。
銘柄 | 価格 | 変化 |
浅野史郎 | 44.0 | +6.46 |
石原慎太郎 | 43.2 | +4.36 |
その他 | 17.9 | +0.12 |
吉田万三 | 13.6 | +0.24 |
黒川紀章 | 10.2 | 0.00 |
各銘柄の順位は前日と同様。昨日価格が急落したトップ2銘柄である「浅野史郎」と2位の「石原慎太郎」の価格がともに急騰。価格差は依然として小さく、拮抗している。3位以下の「その他」「吉田万三」「黒川紀章」は昨日とほぼ同様。
これらの価格は各候補の得票率を反映するようにしているので、合計が100を超える部分はバブル。現時点では5銘柄の価格合計は128.9であり、昨日と比較し大幅に再拡大。ちなみに、合計が100になるようにすると、それぞれの銘柄の価格は、上の順番で、34.1、33.5、13.9、10.6、7.9となる。トップ2銘柄の価格が上がった分、下位3銘柄のシェアが相対的に下がっている。バブルは精算時点で消滅するので、このままだと「損失」に終わる参加者の割合が増えることとなろう。
依然として価格の動きは上位2銘柄にほぼ集中している。この市場は得票率を予測するものであり、「トップ」だけを予測するものではないが、関心はどうもトップ争いに集中してしまう傾向があるものと思われる。前にも書いたが、トップを奪い合う動きからみて、「シンパ」(予測という目的からすれば「撹乱者」だ)による取引の影響があるのではないか。inklingのシステムに設定された空売り制限は、参加者の「破産」(裏を返すとカウンターパーティリスクだ)を防ぐためのものだが、これがバブルを利用した裁定取引を困難にし、バブルが解消されにくくなっている。
また、システムによる自動マーケットメーカーのシステムも、撹乱者によって生じたバブルに対しては脆弱性があると考えるべきかもしれない。このシステムは売買の注文に応じて自動的に価格を上げ下げして流動性を確保していくもので、ダブルオークション方式に比べ、取引の相手方がいないおそれ(thin market問題)やビッド・アスク・スプレッドの拡大への対策となる。しかし撹乱者がある程度以上の割合で存在すると、その影響が大きくなり、予測におけるバイアスがより大きくあらわれるのかもしれない。全体として、inklingが「より簡便に利用できるように」という目的で実装したしくみが、かえって参加者の自由度を低めている可能性がある、といえる。
参加したい方向けの、取引を行うための手順等はこちらをご参照。
以下はメモ。「Yahoo!ニュース(東京都知事選挙)」に出ている3月28日の主なニュースの見出しは以下の通り。
- 浅野氏、五輪誘致中止を公約=都知事選(時事通信) (28日13時1分)
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