機内食のナイフが金属製に戻っている件
当該業界あるいは当該社の方は先刻ご承知なんだろうが。いわゆるジェットセッターの方々もお気づきなのかもしらないが。私を含む、そうでない方々向けのお話。
9.11テロの後、航空会社の安全対策は格段に強化された。そのなかの1つが、機内食に出てくるナイフやらフォークやらだ。いまや記憶も薄れかかっているが、以前は機内で出てくるナイフやフォークなんかは金属製が当たり前で、上のクラス(ほとんど乗ったことないけど)なんかではけっこう豪華なものだったりした。頼めばくれたりもしたので、おみやげ的に持って帰った人も少なくないと思う。
しかしあの事件以降、これらはプラスチック製が当たり前になった。特にナイフはかなり意識的にやわらかく作ってあって、牛肉とかりんごみたいな硬めのものを切ろうとするとへなへなしてけっこう苦労する。少なくとも、人を刺したりすることなど思いもよらないし、持って帰ろうなどと思う人もあまりいないだろう。
まあ安全のためだししかたないような(日本人としては、そもそもナイフが必要ないような料理、たとえば箸で食べるようなものを出せばいいじゃんとか思うんだがね)と思っていたのだが、どうも状況がややちがってきたらしい。というのも、最近乗った全日空の国際線で、金属製のナイフやフォークが使われていたのだ。確か昔もこんな感じだったよなぁと思うので、おそらく以前と同様のものなんだと思う。
これが一般的な流れなのかどうかとか、今なぜそうなったのかとかについては知らない。ぜひご存知の方教えていただければ。ともあれ、そういう事例があったということだ。
そういえば、日本発の国際線でも、3月1日から、機内への液体の持ち込みの制限が始まった(参考)。これまでは検査するものの持込可だったことと比較すれば、大幅な規制強化になる。ただし保安検査後に買ったものは持ち込み可。この件も場所とか時期で取り扱いがいろいろちがったりするようなので混乱しているのだが、アメリカの航空会社ではそれも廃棄させられたような記憶がある。じゃあ免税品の酒とか香水とかどうすんのよとも思うのだが、もう長く買ったことがないので事情はわからない。
ひょっとしたら、日本発の国際線で金属製ナイフが再び使われるようになったことと、日本発の国際線で機内への液体持込制限が始まったこととは、何か関係があるのだろうか。こっちで保安対策を強化したからこっちは戻すとか?そういうスジの問題ではないように思うのでまさかとは思うのだが。
事情はともあれ、肉が食べやすかったことだけは確か。しつこいようだが、この機会に国際線の機内食での「箸」の利用についてもっと真剣に検討してはどうかと思う。箸を国際線のデフォルトにして、国際線に乗る人が身に着けるべき必須の技術にしてしまえ、使えない「かわいそうな」人にはしかたなくナイフとフォークを渡してやればいい、などと夢想したりするがそれはやりすぎか。いやむしろ全部サンドイッチとかにすれば箸もいらないじゃんという考え方もあるだろうが、12時間乗るときにサンドイッチが続くのもどうかという問題はあるね。
ま、正直な話、おいしい機内食より、その分安くしてくれというのが個人的な好みだったりはするので、そのあたりは割とどうでもよかったりする。安全のほうには、多少よけいに払ってもいいと思うんだけど。
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Comments
訓練された人間なら、何でも武器になります。
というか訓練された人間自体が武器なんですが。
箸なども、目玉に突き刺せば十分なので。CAをそれで脅してコックピットのtbr
Posted by: まお | March 30, 2007 12:47 PM
まおさん、コメントありがとうございます。
それを言っちゃあおしまいよ、な話ですね。訓練された人間は乗せてはいけないわけですからね。とはいえ、まあそれなりに常識的な線というものがあろうということなんでしょうが。
Posted by: 山口 浩 | March 31, 2007 12:03 PM