「ウィンドウ」としての切手
東京国際アニメフェアの初日でもあるし、そのスジの方は先刻ご承知の小ネタだが、「涼宮ハルヒの憂鬱」の切手シートが発売される(リリース)、という話を。ライセンスものを手がける㈱ヴィジョンが郵政公社の「フレーム切手」サービスを使って作ったものらしい。
アニメを使った切手というのはこれまでもいろいろあったと思うが、これまでのは割と歴史のある「定番もの」が多かったような気がする。これに対して「ハルヒ」はまだ新しいし、そのスジの方には有名でも一般には必ずしも有名とはいえないから、その点新しいとはいえる。もちろん、ヴィジョンはこのほかにもいろいろフレーム切手を手がけていて、その中には「最終兵器彼女」なんかもあったりするから、この種は初、ということでもないわけだが。
アニメがらみの版権ビジネス(「ハルヒ」そのものはライトノベルが元だが、この切手の図柄はアニメ版からとられている)としては、単純なライセンス許諾の一類型だ。これまでライセンス商品というと、子供向けアニメの場合の玩具とか文具とかそういうものを除くと、フィギュアだのポスターだのといった比較的限られた範囲のものだったりしたわけで、範囲が広がるのはそれなりに好ましいことなんだろうな。さすがに切手シートの売上が作品の収益性を大幅に改善する、なんてことはないだろうけど。80円切手10枚のシートにフォルダだの何だのがついて3,150円だそうで、なかなかなお値段だが、ファンは気にしないだろう。
もしこれが他のアニメにも広がっていくと、「切手」というのが1つの「ウィンドウ」になってきたりするんだろうか。フレーム切手を使えば、あまりメジャーな作品でなくても切手を作ることができるから、かなりマニアックなものも出てきて、後でレアものになったりするのかもしれない(考えてみれば、「切手」という媒体は、コレクション性の高さから、それ自体かなりマニアに向いているように思う)。とはいえ、「公序良俗に反するもの」とか「公社がふさわしくないと判断したもの」とかは切手にならないようだから、あんまりコアすぎるやつはだめだろうけど。
アニメで国威発揚を狙っているらしい、かの大臣閣下におかれては、総務省と連携してこの動きを海外に広げていく、なんてアイデアもぜひご検討いただければと思うね。
※2007/3/23追記
念のため。東京国際アニメフェアの開催期間は3月22~25日だが、うち22、23日はビジネスデーなので一般の方は24、25日に。
Comments
先月発行されたエヴァの切手は11シート購入しました。
1シートは海外への郵便物に使用するため。相手によっては狂喜乱舞かも^^
Posted by: まお | March 23, 2007 10:23 AM
まおさん、コメントありがとうございます。
11シート!すごいですねぇ。11シートというのは、保存用10シートプラス使う用1シート、でしょうか。なかなかマニアックな購入スタイルですね。確かに好きな人だったらうれしいでしょうね。海外から買う人も多いのではないかと。
Posted by: 山口 浩 | March 24, 2007 09:39 AM