知らない人と話すときは
知らない人と話すときは 4年1組 山口 浩
ぼくは、インターネットのブログというものをやっています。学校や家でおきたことや、テレビを見ていて思ったことなどを書いています。ぼくは作文がすきなので、ブログを書くのはとてもたのしいです。でも、ときどき、よくわからないことがあります。
ぼくは、学校で、知らない人と話すときは、ていねいなことばを使いなさい、と習いました。たとえば、知らない人に道を聞くときには、「ここへ行くにはどう行ったらいいんですか?」とか、「こっちの道でいいんですか?」みたいに、「です」とか「ます」とかをつけて話さなければいけません。それから、友だちどうしで話すときは「そうだよ」みたいな言い方でもいいのですが、目上の人と話すときなどは、「そうです」みたいにします。
こういうのを「けい語」といって、日本のことばの大きな特ちょうの1つだそうです。日本人は、れいぎを大切にするので、けい語がはったつしたそうです。たしかに、ぼくは友だちと話すときには「そうだよ」とか言いますが、先生や大人の人とか、知らない人とかと話すときは「そうです」と言います。知らない人にらんぼうなことばを使うと、おこられたり、けんかになったりすることがあるし、なかよくなれなかったりもします。だから、知らない人には、けい語を使うようにするのです。でも、インターネットでは、それがちがうらしいのです。
ぼくがやっているブログには、それを見た人が文しょうを書きこめるようになっています。コメントらんというそうです。このコメントらんに、けい語を使わないで書いてくる人がたまにいます。ぼくは、その人のことを知りません。だからぼくは、その人の文しょうに返じを書くときは、けい語を使います。でもその人は、けい語を使わないで、らんぼうなことばを使います。
その人は、ひょっとしたら大人の人なのかもしれません。大人の人はよく、子どもにけい語を使わないで話します。大人の人は、子どもよりえらいのかもしれません。そう思ってお父さんに聞いてみたら、お父さんは、「大人が子どもにけい語を使わないのは、大人のほうがえらいからではなくて、子どもとなかよしになりたいからだよ」と教えてくれました。それから、「知らない人に文しょうを書くときは、けい語を使ったほうがいいし、そうでないときでも、らんぼうなことばはやめたほうがいいんじゃないかな」と言いました。
ぼくが「じゃあなんでこの人はけい語を使わないの?ぼくとなかよくなりたくないから?」と聞くと、お父さんは、「インターネットの中はけい語のルールがちがう、と考えている人がいるんだよ」と教えてくれました。それから、「インターネットのけいじ板なんかでは、らんぼうなことばを使う人たちが集まっているところがあるんだよ。そういうところにいる人たちは、きっとみんななかよしなのかもしれないね。でも、中には、なかよしでない人にも、けい語を使わない人たちがいるんだ」と言いました。
ぼくは、「そういう人たちはなんでけい語を使わないの?」と聞いたら、お父さんは、「さあね。インターネットだと、だれが書いたかわからないから、らんぼうなことばを使っても大じょうぶと思っている人もいるかもしれないね」と言いました。ぼくは、「そういう人たちは、インターネットの中でけんかをしたいのかな?」と聞きました。お父さんは、「そうかもしれないね」と答えました。「ぼくは、けんかはしたくないよ」とぼくが言うと、お父さんは「じゃあらんぼうなことばは使わないことだね。たとえあいてがらんぼうなことばを使っても」と言いました。
お父さんは、「インターネットの中でけんかをしたい人は、けんかをしたくない人のところじゃなくて、けんかしたい人のところへ行ってやってくれるといいんだけどね」と言いました。そういうのを、かん字で「空気嫁」と書くのだそうです。ぼくは、日本語ってむずかしいんだな、と思いました。
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Comments
これは、インターネット以前の パソコン通信の頃
からある、古くて新しい問題ですね。
一般的に、直接の知り合いでなくとも、メディアを
通じて、接していると、知り合いと錯覚して、つい、
くだけた言葉使いで接してしまう、というのもある
かもしれませんね。
あとは、ぞんざいな言葉使いをしていると、できる
人に見える or かっこ良く見える、という勘違いも
あるかもしれません。
実際は、そんなことないんですけどね。
自分の経験から言えるのは、本当にできる人、実力
のある人は、非常に腰が低い人が多い、です。
私は、年齢が自分よりも下であっても、本当に実力
がある人には、敬意を持って接します。が、年齢が
自分より上であっても、実力が伴わないのに地位や
権力を振り回す輩に対しては、心の中で軽蔑して、
それなりの態度で接することにしています。
# そのために、financial independence が重要だ
# と思っています。まだまだ、達成にはほど遠い
# ですが。
しかし、Yamaguchi-san は、教育者だけあって、
人間ができてらっしゃる。
私は、礼儀正しい人には、礼儀正しく返しますが、
無礼に接しられたら、
"はぁ?何様だと思ってるんだ?お前。"
と心の中でつぶやいて、無視するか、それなりの無礼
で返します、たぶん。
鏡と同じです。
そういえば、昔、読んだゲームの理論の本にも、
そういう記述があったような...
Posted by: ひろん | April 02, 2007 09:50 PM
ひろんさん、こんにちは。
ひろんさんは、大人の人ですか。ぼくにはむずかしくてよくわかりません。でもぼくは、ゲームは大すきです。でも、ひろんさんが書いているゲームは知りません。お父さんに聞いたら、「それはしっぺがえし戦りゃくだね」と言ってました。なんだかいたそうなゲームですね。ぼくのもっているDSでも使えるのでしょうか。
Posted by: 山口 浩 | April 03, 2007 09:58 AM
今回指摘されている「ネットメディアにおいて乱暴な言葉遣いをしている若輩者側」かもしれない者として、少しだけ弁護させていただきたいので、初めて書きます。
(もちろん代表としてではなくその中のワンオブゼムとしての意見として)
不可解と思われる横柄な態度は「ネットは別に"現実"を表層して(真似て)いるわけではない」という前提で眺めればそこまで変ではないと思っています。
現実社会でネットと同じだけの活動量の跳躍が起きたら、菓子折りがいくつあっても足りないし、どこまで引っ越し祝いをしていいか分からない。
知り合いとすれ違っても、挨拶もしないでツーンと無視する事は"現実"ではしません。
でもネットで同じことを糾弾されたら困ってしまう。
それは今問題になっている「踏み逃げダメ」論にもつながっていると思います。
(ROMることを禁止する主張をもつ人間の増加、「一言も無しに読むなよ。派」が発生し始めた事。「はじめまして」と言うためだけのトピックが常に活気があるという現象もでてきている。)
おそらく僕がここに突然書きこむにも、ご挨拶が必要でしょうし、自己紹介がままならないまま若造がなにをしゃべるか、となる。
そんなんじゃ不可能性の海におぼれちゃうから、「それはもちろんわかってはいるけど」乱暴にならざるをえない。という意見を元にそういう態度になる人もいると思います。
"現実のかったるい"ことなしに、純粋な議論を楽しめる。反論もできる。
ネットはそういう現実ではないオルタナティブな価値観が楽しいというのも一理あるのではないでしょうか?
実際、yamaguchiさんのブログは面白くていろんなコメントを書きたいと思ってはいます。でもここが"現実ルール"に対して厳格であるとすれば、「あ、これは適当に書けんな」と引け目を感じてしまう。
お客さんがそういう態度になられると、(少なくとも僕にとっては)ネットって楽しくなくなってしまいます。
もちろんそれも考慮した上での発言だと思うので、僕の言ってることはいわば当たり前のことなのかもしれません。(と、こんな注釈もつけないと礼儀正しくなれなくなってしまう)
Posted by: Evy | April 03, 2007 10:04 AM
> ぼくのもっているDSでも使えるのでしょうか。
できるとおもいますよ、りなっくすをいんすとーる
して、じぶんでぷろぐらむをくめば。
http://www.dslinux.org/wiki/Main_Page
こわしてしまうかもしれないので、おとうさんに
やってもらってね。
でも、もっとおもしろいゲームがいっぱいあると
おもいますよ。
ではでは。
Posted by: ひろん | April 03, 2007 01:54 PM
Evyさん、こんにちは。
Evyさんは、大人の人ですか。大人の人のいうことは、むずかしくてぼくにはよくわかりません。ぼくが書きたかったのは、学校で習ったこととどうしてちがうんだろう、ということです。ひょっとしたら、お父さんの言っていた「空気嫁」のことかと思ったので、もう一回聞いてみました。そしたらお父さんは、「そのばに合わせたことばを使えばいいってことだよ」と言いました。大人になると、そういうのができるようになるのだそうです。ぼくは、さいしょからそう言ってくれればわかるのに、と思いました。
ひろんさん、こんにちは。
りなっくすっていうのは、コンピューターのソフトですよね。こないだ読んだ本に出ていました。ゲームのソフトだったんですね。ぼくも大きくなったら、おもしろいゲームを作ってみたいです。
Posted by: 山口 浩 | April 05, 2007 02:21 AM