「ケータイ・スピリチュアル」ないし「癒しのデバイス」についてつらつらと
我ながら趣味が悪いと思うが、他人同士の話が横から聞こえてくると、つい聞き入ってしまう。先日も電車に乗っていたら、横で若い女性のグループがなにやら盛り上がっていたので、何かなと思ったら、江原啓之の携帯ウェブサイトの話だった。
江原啓之という人について、実のところ私はあまりよく知らない。サイトのプロフィール欄をみると、「スピリチュアル・カウンセラー・世界ヒーリング連盟会員」となっている(そんな組織があるのか)。「テレビ・ラジオ・雑誌連載・講演会等でも活躍し、その愛にあふれた暖かいメッセージは熱く支持されている」とか。ふうん。確かにテレビでよく見かける。人生相談みたいなのをやってる番組をたまたま見たことがあって、私には「別にスピリチュアルの話をしなくても普通の人生相談としてけっこういいこというじゃん」と思ったのだが、お好きな方にとってはやはりスピリチュアルの要素が必要なんだろう。
で、私が横から聞いた若い女性たちの話題になっていた携帯サイトはこれ。「江原啓之のメッセージ、秘蔵画像、そしてリアルボイス…公式ケータイサイトOPEN!!」だって。「秘蔵画像」(いったいどんな)とか「リアルボイス」(着ボイスとかもあるんだろうか)とかがあるとはまるでアイドルだが、実際アイドルみたいなものでもあるのかもしれない。上記の女性たちの話題になっていたのは、このサイトのメニューにある「スピリチュアルメッセージ」だったのだ。「これが癒されるのよねー」とうなずきあっている。
このメッセージ、「江原啓之からのメッセージを『欲しい』と思ったその瞬間に受け取れることができる、一日一回のあなたへの手紙です。自分が陥っている環境、幸せを願う気持ち、好きな相手への想いを込めてボタンを押します。心に染み入るスピリチュアルメッセージが届きます。あなたに幸せが訪れますように。」だそうな。
考えてみると、携帯電話というメディアは、スピリチュアル関係とは相性がいいような気がする。何しろ非常にパーソナルな存在だし、機械というよりもむしろ「体の一部」のような感覚で持たれている。その意味で、携帯電話に届く「愛にあふれた暖かいメッセージ」は、いわば耳元のささやきなんだろう。そのうえ「秘蔵画像」だの「リアルボイス」までついてきたらもう…、というわけだ。めんどくさいので調べないが、きっと他のスピリチュアル系の人々も、うまく携帯電話を活用してるんだろう。宗教系の人々もやっているかもしれない。
こういう、持ち歩く身近なモノを通して癒しを得る習慣というのは、いったん根付くとかなり強固なものがあるように思う。なんつうか、「癒しのデバイス」にもなるんだな携帯電話は。今はウェブサイトだからどの携帯電話でも対応できるわけだが、もしハードとなんらか結びつければ、機種変更を遅らせる原動力になって、携帯電話会社にとっても望ましい効果をもたらしたりするかも。ほら、タカラトミーが最近発表した「“ツンデレ”ワンセグテレビ」なんかもきっと同じような効果があるんじゃないかと思うんだな。これにならって「スピリチュアルワンセグ」なんてのを作ってもあんまり売れなさそうだけど。
※おまけ。「世界ヒーリング連盟」っていう名称がなんともアバウトだなと思われたので、正式には何という組織なんだろう?とちょっと調べてみたがよくわからない。「International Natural Healers Association」という組織はあったが、江原氏の名前は見当たらない。まあこの人は同じヒーリングでもスピリチュアル・ヒーリングなんだろうけど。ともかくわからん。何なんだろ?
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Comments
江原氏公式サイトのプロフィールを見ると、
イギリスに留学したことがあるそうですから、
以下が候補になるかと思います。
http://healingrays.com/Associations/index.htm
世界ヒーリング連盟の正式名称は、
World Federation of Healing
ではないかと思いまが、以下のURLは表紙だけなので、
詳細は???です。
http://www.wfh.org.uk/
Posted by: ひろん | April 04, 2007 11:27 PM
ひろんさん、コメントありがとうございます。
ヒーリング関係は、イギリスのものが多いみたいですね。どれも「素朴」なサイトで、なんかほほえましいですが、いずれにせよ江原氏の名は発見できずじまいなわけで。ま、結局どうでもいいことなんですけど。
Posted by: 山口 浩 | April 05, 2007 02:26 AM