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May 29, 2007

議事録つまみ食い:ワインはどこへ消えた?

「議事録つまみ食い」シリーズ。最近の衆議院の質疑をぱらぱら見てたら、なんだか外交関連の質問がやたらに多いことに気づいた。確かに外交は重要課題だし、最近いろいろとあるしなぁ、と一瞬思ったが、いやそれにしても多すぎる。だいたいニュースなんかの話題にはそれほどのぼってないじゃん、というわけでよくみると、これらのほとんどは、新党大地代表の鈴木宗男議員によるものだった。衆議院ウェブサイトの質疑のページをみると、今やってる第166通常国会での質問は、今日の時点で267件登録されているのだが、このうち実に186件が鈴木議員によるもの。

となると、気になるじゃないか。いった何をそんなにたくさん質問してるんだろうか、と。

衆議院サイトのトップページから、「質問答弁」のページを見ていただければ、リストが出てくる。鈴木議員の質問のタイトルだけを拾ってみたら、こんな感じ。

2 アイヌ民族の先住民族としての権利に関する質問主意書
5 外務省在外職員による投票偽造問題に関する質問主意書
6 大東亜戦争の定義等に関する質問主意書
7 外務省が作成する公電の性格に関する質問主意書
8 国会議員の資料請求に対する外務省の対応に関する質問主意書
9 核兵器を搭載したアメリカ軍艦船の寄港、領海通過問題に関する質問主意書
10 外務省が購入したシャトー・ムートン・ロートシルト等の高級ワインに関する質問主意書
12 対米開戦通告に関する質問主意書
13 外務省による民間団体の支援に関する質問主意書
14 一八五四年の琉米修好条約に関する質問主意書
15 日米密約の存在を裏付ける米政府の公文書に関する質問主意書
16 新しい日露関係専門家対話(二〇〇七)に関する質問主意書
17 在ロシア連邦日本国大使館の新建物への移転問題に関する質問主意書
18 一八五五年の琉仏修好条約に関する質問主意書
19 汪兆銘政権の性格に関する質問主意書
20 北方領土問題を巡るアメリカへの仲介依頼に関する質問主意書
21 北方領土問題についての外国政府の対応に関する質問主意書
22 無条件降伏の定義に関する質問主意書
23 満州国の地位に関する質問主意書
24 一八五九年の琉蘭修好条約に関する質問主意書
26 民間人学者のモスクワ立ち寄り経費の外務省関連国際機関による負担に関する質問主意書
27 外務省が編纂する「日本外交文書」に関する質問主意書
28 在ロシア連邦日本国大使館のインテリジェンス活動に関する質問主意書
29 北方四島におけるインフラ整備に関する質問主意書
30 国後島に日本政府が建設したプレハブ倉庫のロシア国境警備局による使用問題に関する質問主意書
31 日韓併合に関する質問主意書
32 一九四一年の対米開戦通告の公電に関する質問主意書
33 一九四一年の対英開戦通告に関する質問主意書
34 竹島問題を巡る外務省の広報に関する質問主意書
36 在ロシア連邦日本国大使館の広報活動に関する質問主意書
37 国民の知る権利と国会議員の資料要求への対応をめぐる外務省の認識に関する質問主意書
38 外務事務次官のモスクワ出張への欧州局長、ロシア課長の同行の必要性に関する質問主意書
39 在ロシア連邦日本国大使館が保有する美術品に関する質問主意書
40 アイヌ民族の先住民族としての権利に関する再質問主意書
41 「北方領土の日」に関する質問主意書
43 レフチェンコ事件に関する質問主意書
44 イランの脅威に関する質問主意書
45 共産圏人との接触報告に関する質問主意書
46 在外公館が配置する美術品についての国会議員の資料請求を外務省が拒否した事案に関する質問主意書
47 竹島問題をめぐる請願に対する外務省の対応に関する質問主意書
48 北方領土問題をめぐる請願に対する外務省の対応に関する質問主意書
49 「第三十一吉進丸」事件に対する外務省の対応に関する質問主意書
56 在瀋陽日本国総領事の満州国認識等に関する質問主意書
57 ロシア連邦に赴任しようとする外務省職員に対するロシア当局による査証拒否に関する質問主意書
58 旧ソ連国家保安委員会(KGB)とモスクワに在勤する外務省在外職員の関係に関する質問主意書
59 新しい日露関係専門家対話(二〇〇七)に関する再質問主意書
60 一八五四年の琉米修好条約に関する再質問主意書
61 一九三四年に外務省が編纂した「舊條約彙纂第三巻(朝鮮・琉球)」に関する質問主意書
63 民間人学者のモスクワ立ち寄り経費の外務省関連国際機関による負担に関する再質問主意書
64 国後島に日本政府が建設したプレハブ倉庫のロシア国境警備局による使用問題に関する再質問主意書
65 北方四島におけるインフラ整備に関する再質問主意書
66 在ロシア連邦日本国大使館政務担当公使の贈与等報告に関する質問主意書
67 在ロシア連邦日本国特命全権大使の人事に関する質問主意書
68 在ロシア連邦日本国大使館の大使公邸に関する質問主意書
69 日朝交渉における「ミスターX」に関する質問主意書
75 二〇〇二年八月二十一日の外務事務次官室における会議に関する質問主意書
76 外務事務次官のモスクワ出張への欧州局長、ロシア課長の同行の必要性に関する再質問主意書
77 日朝平壌宣言の作成過程における外務省条約局の関与に関する質問主意書
78 二〇〇二年九月十七日の日朝首脳会談の準備過程で行われた外交交渉の記録に関する質問主意書
79 竹島問題を巡る外務省の広報に関する再質問主意書
80 竹島問題に関する小冊子の発行を巡る外務省の認識に関する質問主意書
81 一八七五年の樺太千島交換条約に関する質問主意書
82 竹島が韓国によって不法占拠された経緯に関する質問主意書
83 旧ソ連国家保安委員会(KGB)とモスクワに在勤する外務省在外職員の関係に関する再質問主意書
84 レフチェンコ事件に関する再質問主意書
85 在外公館が配置する美術品についての国会議員の資料請求を外務省が拒否した事案に関する再質問主意書
87 在ロシア連邦日本国大使館の大使公邸に関する再質問主意書
88 在ロシア連邦日本国特命全権大使の人事に関する再質問主意書
90 二〇〇二年九月十二日の日米首脳会談に関する質問主意書
91 北朝鮮による日本国民の拉致問題の解決に向けたロシアの関与に関する質問主意書
92 在ロシア連邦日本国大使館政務担当公使の贈与等報告に関する再質問主意書
93 外務省職員の国会議員へのわび状提出問題に関する質問主意書
98 在瀋陽日本国総領事の満州国認識等に関する再質問主意書
99 レフチェンコ事件に関する第三回質問主意書
100 旧ソ連国家保安委員会(KGB)とモスクワに在勤する外務省在外職員の関係に関する第三回質問主意書
101 竹島問題に関する小冊子の発行を巡る外務省の認識に関する再質問主意書
102 竹島が韓国によって不法占拠された経緯に関する再質問主意書
105 外務省の北海道連携推進室に関する質問主意書
106 外務省改革に関する質問主意書
109 レバノン情勢に関する質問主意書
111 竹島問題についての外務省の基本認識に関する質問主意書
113 外務省職員の国会議員へのわび状提出問題に関する再質問主意書
114 在ロシア連邦日本国大使館政務担当公使の贈与等報告に関する第三回質問主意書
115 外務省が購入したシャトー・ムートン・ロートシルト等の高級ワインに関する再質問主意書
116 政官関係をめぐる外務省の認識に関する質問主意書
117 外務省におけるセクシャルハラスメントに関する質問主意書
120 一九四五年三月十日の東京大空襲に関する質問主意書
121 外務省参与に関する質問主意書
122 在ロシア連邦日本国大使館の大使公邸に関する第三回質問主意書
123 尖閣諸島への日本政府職員の上陸に関する質問主意書
124 北方領土問題を巡る中間条約締結の可能性に関する質問主意書
128 元外務審議官が出版した「日露外交秘話」に関する質問主意書
129 レバノン情勢に関する再質問主意書
133 外務省の秘密保全に関する質問主意書
134 外務省要人外国訪問支援室に関する質問主意書
135 竹島問題をめぐる日韓密約に関する質問主意書
138 北方領土問題についての露紙報道に関する質問主意書
143 外務報道官の対露外交をめぐる発言に関する質問主意書
144 竹島密約に関する質問主意書
145 外務省参与に関する再質問主意書
146 レバノン情勢に関する第三回質問主意書
147 在ロシア連邦日本国大使館移転に伴う旧事務所の取り扱いに関する質問主意書
149 政官関係をめぐる外務省の認識に関する再質問主意書
151 安倍総理発言の「押しつけ的な天下り」に関する再質問主意書
152 尖閣諸島への日本政府職員の上陸に関する再質問主意書
153 北方領土問題を巡る中間条約締結の可能性に関する再質問主意書
156 政府が歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島以外の領土の返還をロシアに要求しているか否かに関する質問主意書
157 外務省が保有するワインについての物品管理簿に関する質問主意書
158 元外務審議官が出版した「日露外交秘話」に関する再質問主意書
159 外務省顧問に対する処遇に関する質問主意書
161 外務省職員の海外渡航に関する質問主意書
163 外務省参与に関する第三回質問主意書
164 外務大臣秘書官の行為に関する質問主意書
166 政官関係をめぐる外務省の認識に関する第三回質問主意書
167 日本政府の「靖国神社への合祀問題」に関する質問主意書
170 一九九二年の北方領土交渉に関する質問主意書
171 「北方領土交渉秘録」に関する質問主意書
173 外務省による刑事裁判の傍聴並びに記録作成に関する質問主意書
174 刑事事件に関与した者と外務省の関係に関する質問主意書
181 外務省による勧奨退職に関する質問主意書
182 特命全権大使の免官に関する質問主意書
184 在ロシア連邦日本国大使館移転に伴う旧事務所の取り扱いに関する再質問主意書
185 ロシア連邦駐箚特命全権大使と在モスクワ日本人記者の関係に関する質問主意書
188 外務省顧問に対する処遇に関する再質問主意書
189 外務省幹部の天下りに関する質問主意書
190 二〇〇七年四月十六日発売の「アエラ」誌の記事に対する外務省の関与に関する質問主意書
191 外務省における「スパイの元締め」ポストの存否に関する質問主意書
192 元外務審議官が出版した「日露外交秘話」に関する第三回質問主意書
193 外務省におけるスクールの弊害に関する質問主意書
194 尖閣諸島への国旗掲揚に関する質問主意書
197 エリツィン前ロシア大統領の逝去に関する質問主意書
198 チェチェン問題に関する質問主意書
199 交戦権に関する質問主意書
200 自衛権に関する質問主意書
201 ロシア連邦駐箚特命全権大使と在モスクワ日本人記者の関係に関する再質問主意書
202 オランダ国駐箚特命全権大使の免官の過程における外務省官房審議官の発言に関する質問主意書
203 主要国首脳会議(G8サミット)の開催地選定に関する質問主意書
204 エリツィン前ロシア大統領の国葬への日本からの出席者に関する質問主意書
205 特命全権大使の免官に関する再質問主意書
206 政府開発援助(ODA)における使途不明金に関する質問主意書
207 二〇〇二年度の政府開発援助(ODA)における使途不明金に関する質問主意書
208 弔問外交に関する質問主意書
209 実効支配の定義等に関する質問主意書
211 北方領土交渉の今後の展望に関する質問主意書
212 政府開発援助(ODA)に対する外務省の認識に関する質問主意書
213 二〇〇七年四月十一日付日中共同プレス発表における「最終的な境界画定」の意味に関する質問主意書
214 前ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀に関する質問主意書
216 北方四島への日本国憲法の適用に関する質問主意書
217 竹島への日本国憲法の適用に関する質問主意書
219 太平洋戦争中の中華民国国民政府の性格に関する質問主意書
222 エリツィン前大統領の国葬についての内閣官房長官及び外務大臣の発言に関する質問主意書
223 緑資源機構の林道整備をめぐる入札談合に係る証拠品を東京地検が紛失した件に関する質問主意書
224 下水道整備事業の現況に関する質問主意書
225 情報収集衛星の導入の経緯に関する質問主意書
229 ビザなし交流の訪問団と第三十八瑞祥丸船長との面会に関する質問主意書
230 特命全権大使の免官に関する第三回質問主意書
231 一九八一年五月に行われた日米首脳会談をめぐる閣内不統一に関する質問主意書
232 二〇〇七年五月十五日に明らかになった沖縄返還を巡る日米密約についての米国立公文書館所蔵の一連の公文書に関する質問主意書
233 沖縄返還についての日米密約に係る「口止め」に関する質問主意書
234 沖縄返還についての日米密約の存在に対する外務省の対応に関する質問主意書
236 北方領土における投資と北方領土問題解決を目指す我が国の立場に関する質問主意書
237 北方領土における我が国経済の浸透度に関する質問主意書
240 政府開発援助(ODA)と我が国の国益に関する質問主意書
241 日本の在外公館における美術品の紛失に関する質問主意書
242 在パラグアイ大使館に配置されていた日本画「渓」の消失に関する質問主意書
243 在インドネシア大使館に配置されていた陶磁器「カオス」の消失に関する質問主意書
244 在米大使館に配置されていた和紙マット画「蘇る」の消失に関する質問主意書
245 在フランス大使館に配置されていた書「山ざくら(若山牧水歌)」の消失に関する質問主意書
246 在広州総領事館に配置されていた陶磁器「信楽土自然釉大鉢」の消失に関する質問主意書
247 在パナマ大使館に配置されていた洋画「富士」の消失に関する質問主意書
248 在ロシア大使館に配置されていた洋画「海」の消失に関する質問主意書
249 在ベトナム大使館に配置されていた版画「朝顔」の消失に関する質問主意書
250 在ウズベキスタン大使館に配置されていた日本画「潮の舞」の消失に関する質問主意書
251 在ギニア大使館に配置されていた日本画「妙義」の消失に関する質問主意書
253 在パラグアイ大使館に配置されていた陶磁器「染付木の葉花瓶」の消失に関する質問主意書
254 在インドネシア大使館に配置されていた版画「大野・伊那」の消失に関する質問主意書
255 在アトランタ総領事館に配置されていた日本画「滝」の消失に関する質問主意書
256 在ニューオリンズ総領事館に配置されていた日本画「風景」の消失に関する質問主意書
257 在サンフランシスコ総領事館に配置されていた日本画「早春富士」の消失に関する質問主意書
258 在ボストン総領事館に配置されていた日本画の消失に関する質問主意書
259 在ケニア大使館に配置されていた洋画「花」の消失に関する質問主意書
260 在フランス大使館に配置されていた陶磁器「碧釉大壷」の消失に関する質問主意書
261 在米大使館に配置されていた日本画「春暖」の消失に関する質問主意書
262 在米大使館に配置されていた日本画「緑雨」の消失に関する質問主意書
263 我が国の対アフリカ外交についての官房長官秘書官の発言に関する質問主意書

当然のごとく、すべてが外務省がらみなわけだが、大きく分けると、次の3つぐらいのカテゴリーになるだろうか。
(1)歴史系(過去の歴史的事実や見解なんかに関する質問)
(2)政策系(現在の政策上の重要課題に関する質問)
(3)不祥事系(外務省のなんだかよろしからぬ問題に関する質問)

いろいろ面白いのがありそうなんだが、やはりここは不祥事系だな。というわけで、10番「外務省が購入したシャトー・ムートン・ロートシルト等の高級ワインに関する質問主意書」。

質問は、抜粋すると、こう。


一 二〇〇六年十二月二十五日に鈴木宗男衆議院議員事務所に外務省から、

「1 最近のワインの購入状況は以下のとおり。

平成十七年度 六〇六本 総額 三〇五九三七〇円

平成十六年度 五五二本 総額 三七二一四三六円

平成十五年度 三四八本 総額 三五二八五〇四円

平成十四年度 一八〇本 総額 二九八三六八〇円

平成十三年度 六八〇本 総額 四三三三一一四円

 2 なお、確認できた範囲では、購入価格が最も高いワインはシャトー・ムートン・ロートシルト一九九八(二六三七〇円(税別))、 購入価格が最も低いワインは、 シャトー・デギュィユ一九九九(一九六二円(税別))である。」
との文書(以下、「ワイン購入状況に関する文書」という。)が届いたと承知するが、事実関係について確認を求める。

二 「ワイン購入状況に関する文書」を作成した課と課長名を明らかにされたい。

三 外務省は、シャトー・ムートン・ロートシルト一九九八を何本購入したか。

四 現在、外務省にはシャトー・ムートン・ロートシルト一九九八が何本保管されているか。

五 シャトー・ムートン・ロートシルト一九九八を外務省はどのような状況で使用したか。また、その際にどのような手続きがとられたか。

六 外務省は、シャトー・ムートン・ロートシルト一九九八の使用が国益にどのように貢献したと評価しているか。客観的な評価の根拠を明示し、答弁されたい。

だって。なんだかとってもピンポイント。まずまちがいなく、ネタをつかんだ上での質問なんだろう。ちなみ1998年は、シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年の1つだそうで、見る目があるわけやねぇ。で、これに対する答弁はこう。

一について
 御指摘の文書は、外務省において確認した事実を示したものである。
二について
 御指摘の文書の作成課は大臣官房会計課であり、同課課長の氏名は斎木尚子である。
三について
 御指摘の銘柄は、合計四十八本購入している。
四から六までについて
 外務省において、ワインは、大臣官房会計課長の決裁により使用されるが、諸外国の要人の接遇に供するために購入しているため、お尋ねの個別銘柄の具体的な使用状況及び同使用に係る評価等については、外交儀礼上の問題が生じるおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。

ふうん。「評価」について「外交目的に有益に使用したものと考えている」ぐらいいえないのかね。あ、まさか、「外交目的」に利用してないとか?

と思ったら、鈴木センセイこの件をちゃんと115番で蒸し返している。

「前回答弁書」(内閣衆質一六六第一〇号)を踏まえ、追加質問する。
一 「前回答弁書」において、外務省がシャトー・ムートン・ロートシルト一九九八を合計四十八本購入したことが明らかになったが、二〇〇七年三月十三日現在でこのワインを外務省は何本保有しているか。
二 外務省は、一九九八年産以外のシャトー・ムートン・ロートシルトを何本保有しているか。産年ごとに明らかにされたい。
三 外務省はロマネ・コンテを保有しているか。保有しているならば、その本数と産年を明らかにされたい。
四 外務省が購入したワインの内、シャトー・ムートン・ロートシルト一九九八に次いで購入価格の高いワインの銘柄と価格を明らかにされたい。
五 「前回答弁書」において、政府は、「外務省において、ワインは、大臣官房会計課長の決裁により使用されるが、諸外国の要人の接遇に供するために購入しているため、お尋ねの個別銘柄の具体的な使用状況及び同使用に係る評価等については、外交儀礼上の問題が生じるおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい」と答弁しているが、外務省が保有するワインが「諸外国の要人の接遇」以外の場合に用いられたことがあるか。
六 過去に外務省飯倉別館で外務省幹部が国会議員を接遇する際に、外務省が保有するワインが提供されたことがあるか。
七 過去に外務省が霞クラブに所属する新聞記者を接遇する際に外務省が保有するワインを提供した事例があるか。

こんどはロマネ・コンティも出てきた。ボルドーもブルゴーニュもってわけね。今度もピンポイントなご質問。ひょっとして、この「国会議員」ってご自分のことか?「シャトー・ムートン・ロートシルト1998年」ってのはご自身が飲んだワインだから覚えてたのか?だったら確かな証拠だよなぁ。で、この再質問に対する答弁書はこう。

一から三までについて
 お尋ねの点を確認するためには、外務省の保有するワインについて個別銘柄及び年度ごとに精査する必要があるため、お答えすることは困難である。
四について
 お尋ねの点を確認するためには、改めて詳細な調査を要するため、お答えすることは困難である。
五から七までについて
 外務省では、ワインを購入した予算の目的に沿って使用している。また、御指摘の者を接遇するために使用した例は、承知していない。

ほほお。なんだか思い切り逃げ腰。ここでのポイントは「承知していない」だね。「ない」とはいわないあたり、世間的には「語るに落ちる」と解釈すべきケースなんだろう。この点、新聞記者諸氏の証言も求めたいところ。「私はシャトー・ムートン・ロートシルト1998年を飲んだことがある」みたいな。記者クラブの記者さんたちに突撃取材したらいいのではないか?「個別銘柄及び年度ごとに精査する必要があるため、お答えすることは困難」ってさ、帳簿ぐらいつけてるだろうに。「精査」すればいいじゃん。過去5年間でせいぜい3000本ぐらいしかないんだし、その気になればすぐ調べられるじゃん。まさか、どこかの役所みたいに、記録をなくしたとか?

と思ったらセンセイさらにしつこく追及。157番。

一 外務省が保有するワインで、直近に購入した銘柄とその価格を明らかにされたい。
二 外務省が購入したワインについて、物品管理簿が作成されていると承知しているが、そこにはワインの購入価格が記載されているか。
三 外務省が保有するワインについての物品管理簿は電子的に作成されているか。
四 外務省が保有するワインについての物品管理簿の作成は適正になされているか。

答弁書はこう。

一について
 外務省において確認できた範囲では、平成十九年三月十四日にアルベールビショウ・ドメーヌパヴィヨン・ブルゴーニュ・シャルドネ二〇〇二を購入し、その価格は千五百八十五円である。
二から四までについて
 外務省において、お尋ねの物品に係る物品管理簿については、物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)等の関連法令上必要とされる事項を記載又は記録しており、適正に作成している。同簿は電子的に作成しておらず、また、お尋ねの購入価格は記載又は記録していない。

出た!「法令上必要とされる事項を記載又は記録しており、適正に作成」。最近よく聞いたセリフみたい。たかだか3000本の使用状況を調べられない記録のやり方を世間では「適正」とは呼ばないよ、とつっこんでもむなしいのだな。ここは「毒をもって毒を制する」しかないのか。リストの下のほうをみると鈴木センセイ、最近は在外公館の絵画の「消失」問題をぶちまけていらっしゃる。こちらもすごいね。「消失」っていったって、絵は勝手に歩いて出て行ったりしないわけで。これもほどなく答弁書が出てくるだろうから、せいぜい注目しようではないか。

外交官やら国会議員やら外務省記者クラブの皆さんやらの気分を味わいたい方は、こちら。34,440円だって。貯金はたいてここで買って、ひそかに補填しておくって手もあるぞ。

わしゃロマネ・コンティがええ、というぜいたくな向きにはこちら。年が書いてなかったので、1997年ではいかが。892,500円。ちょっとこれは補填するには高いなぁ。


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Comments

ワインと言えば、チーズで、"チーズはどこへ消えた?"
に掛かっているのですね。

Posted by: ひろん | May 29, 2007 06:04 PM

思い切り楽しませていただきました。

これは鈴木宗男さんもすごいけど、
答弁書いてる官僚さんたちにすごい恨まれてそう
だけど、ちゃんときっちりやるところが双方ともすごいなあと思ってしまいます。

この切り口で山口さんのわかりやすい、かつ面白い解説をつけたら1冊本出しても面白いかも!
官僚的な答弁というのがどういうものかおもしろおかしく実感できます。

って、答弁に著作権があるのかどうかわからないですけど、、、

Posted by: Hiroette | May 29, 2007 08:02 PM

コメントありがとうございます。

ひろんさん
「チーズ」は一応意識していました。もう少し時間があったら、寓話っぽくしてみたかったんですけど。なくなったワインは待ち続けても帰ってはこない。自ら探しに行けと。
小人はかつてそのワインを飲んだ政治家の事務所で待ち続けるが、もう新しいワインは入ってこない。ねずみは新しく力をつけてきた政治家の事務所に行き、そこで新しいワインを獲得する。このように、変化にすばやく対応することが大切だ、と。

Hiroetteさん
確かに、官僚的な答弁ってめちゃくちゃ面白いときがありますね。最近は「適切に報告」が面白くて、なんかネタに使ってやろうと考えていたんですが、なんかしゃれにならない展開になってしまって。
ご提案の企画は「ニコニコ動画」の書籍版みたいなやつですかね。うろ覚えですが、国会での質疑の文書は公文書なので、著作権は支障にならないのではないかと思います。みんなでやったら面白そうですね。

Posted by: 山口 浩 | May 30, 2007 01:04 AM

”概ねの購入価格”の”概ね”ってところが笑えますね。
国のために、国民のために、これらの質問を利用し、膿を出すような方向で官僚の方々は答弁書を作成してほしいなー

Posted by: のひ | May 31, 2007 01:37 AM

山口さん、こんにちは。

鈴木議員が外務省に凄まじい質問攻勢をかけているという噂は聞いてましたが、こうやって一覧表で見ると本当に半端ないですね。外務省には鈴木議員専任の答弁担当が設置されているかもしれないなあと想像してしまいました。
ワインの話もすごいですが、山口さんもご指摘の242番以降の在外大使館の日本画やら陶磁器やらの「消失」についての質問もすごいなあと思いました。名前まで含めてよく調べ上げた(陶磁器「カオス」って一体、とか)とも思うし、本当にどこに行ってしまったのでしょうとも。

Posted by: くりおね | May 31, 2007 08:52 AM

コメントありがとうございます。

のひさん
なんか「同士討ち」みたいな感じがしなくもないのですが、それで日本がよくなるならOK、なんでしょうね。

くりおねさん
ご存知だったんですか。私はまったく知らなかったので、ちょっとびっくりしました。ワインはともかく、「消失」した絵画については、きっとネズミたちが関係者のご自宅あたりで発見してくれるのではないかと思ったりします。

Posted by: 山口 浩 | June 01, 2007 01:23 AM

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