公開講座「『娯楽』を越えて―進化するコンピュータゲームの世界」
2007年6月2日(土)15時15分~17時、駒澤大学で「『娯楽』を越えて―進化するコンピュータゲームの世界」という講演らしきものをやることになったので告知。全部というわけではないが、セカンドライフなどの「仮想世界」に関する話を多めに出したいと思う。あまり詳しくない方向けのお話を意図していて、個人的には高校生あたりをターゲットに考えているので、そういう方はぜひ。そうでない方もぜひ。
というわけで、以下宣伝色全開。
基本的には駒澤大学がやってる公開講座のうち自分の担当分、という位置づけ。この公開講座は少々変わったシステムをとっていて、全8回のシリーズ全体で3,000円、という料金設定がされている。全8回参加しても3,000円、そのうち1回しか参加しなくても3,000円。開催場所は駒澤大学の中央講堂。
「講座のねらい」というところでは、こんな文章を書いてみた。
1970年代に登場したコンピュータゲームは、コンピュータやネットワーク技術の発展に伴って高度に進化し、今では私たちの生活に深く浸透するなじみの深い娯楽となっています。近年では、心身を鍛えるゲームや学習にも役立つものが次々と開発されたり、ゲームのしくみを使って社会的、経済的な活動を行うものが現れたりするなど、ゲームは単なる「娯楽」の枠を飛び出して、社会の中でより重要な意義を持った存在ともなりうることを示しています。しかし一方で、ゲームが私たちの生活に密着したものであるがゆえに、その弊害を懸念する動きも見られます。 本講座では、今日のコンピュータゲームに関するさまざまな状況から、私たちとゲームの関係について、今何が起こっているか、またこれからどうすべきか等を考えます。ゲームを教育その他に生かしていく「シリアスゲーム」や、今話題の「セカンドライフ」などオンラインゲームの中に発生したグローバルなコミュニティなども取り上げ、単なる「子どもの遊び」や「教育上の弊害」だけではない幅広い視点から、ゲームをとらえていきます。
というわけで、だいたいどんな内容か想像のつく方も多いと思うが、そういう方には少し物足りないかも。ともあれ、ぜひ。
公開講座全体の話もしておくと、上記を含む「全8回」というのは、駒澤大学の平成19年度春季公開講座「グローバルメディアとインターネット」というシリーズ。昨年度新設されたグローバル・メディア・スタディーズ学部という日本一長い名(んなことはどうでもいいんだが)の学部の専任教員が分担で担当するというもの。こんな感じ。
近年のコンピュータ技術の進展やそのネットワークの普及、それらを利用したさまざまなサービスの発達などは、世界規模での情報流通を爆発的に増大させ、産業面においても、また私たちの生活の面でも、過去の産業革命に匹敵する大きな影響力を持つようになりつつあります。この講座では、さまざまな専門分野の教員が集まる本学グローバル・メディア・スタディーズ学部の特徴を活かして、インターネットをはじめとする現代のメディアをグローバルな視点からとらえ、またさまざまな学問分野からアプローチしながら考えていきます。
で、「全8回」の内容はこちら。私は故あって2回担当。私以外の顔ぶれを見ると、けっこう「その世界」で有名な人もいるんだなというあたりは、わかる人にはわかると思う。
①インターネットと現代社会
5月19日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部学部長 斎藤 信男
②メディア・コンテンツ企業のグローバル展開
5月26日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授 各務 洋子
③「娯楽」を超えて ― 進化するコンピュータゲームの世界
6月2日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授 山口 浩
④インターネット時代のマスメディア
6月9日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授 西岡 洋子
⑤グローバルメディアとエコロジー
6月16日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部講師 石橋 直樹
⑥インターネット時代の情報リテラシー
6月23日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部講師 吉田 尚史
⑦インターネットと著作権
6月30日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部教授 苗村 憲司
⑧「ウェブ2.0」とメディアビジネスの未来
7月7日(土) 午後3時10分~午後5時
グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授 山口 浩
お申し込みは駒澤大学まで、なのだが、このテーマにも関わらず、冗談かと思われるくらいレトロな手続き方法。受講要項にはこうある。
申込方法 はがきに必要事項(氏名、ふりがな、現住所、電話番号、受講希望講座名、性別、年齢)を記入してご投函のうえ、受講料を郵便振替で下記口座にお振込みください。 [口座]00110-4-119355 駒澤大学公開講座
電話によるお問い合わせは「駒澤大学 公開講座係 03-3418-9011」まで、だそうだ。メールによる照会は、受け付けていない模様。…絶句するしかないんだが、受け付ける側の体制がアレなんで、ご容赦願いたい。今後改善していくであろう、と棒読みでコメントしておく。
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Comments
全部聴講したいです。とりあえず申し込みます。
Posted by: まお | May 02, 2007 11:17 PM
> 単なる「子どもの遊び」や「教育上の弊害」
> だけではない幅広い視点から、ゲームをとらえて
> いきます。
私は、社会人になるまで、殆どゲームをやったことが
なかったです。というのも、
"ゲームなんて、くっだらない"
と思っていたから。(読書人間でしたので)
でも、社会人になり、地方の工場に配属され寮に入っ
た時、同期が寮にゲーム機を持ち込んでおり、有名な
ロールプレイングゲームのシリーズをやらせてもらった
ところ、ハマりました。苦労して、ステージをクリア
したときの、あの達成感は何なんだ!それ依頼、ゲーム
に対する否定的な感覚というのはなくなりました。
先日、USに出張した折も、往復の飛行機の中では、
PSP(DS Liteが欲しかったのだが、入手できなかった
ので PSPを買った)をやってました。また、Sunnyvale
の Fry's に立ち寄ったところ、DS Liteが売っていた
ので、思わず買ってしまいました。
# なので、My DS は逆輸入バージョンです :)
私見ですが、ゲームの弊害を喧伝する人たちは、自分
でゲームを殆どやったことがない人たちなのでは?
と思っています。
FFとかドラクエをクリアした上で、そういった持論を
展開するのであれば理解できますが、私の知っている
限りでは、そういったこと(ゲームをやった上で評論
する)をしていたのは大前研一氏だけです。
> お申し込みは駒澤大学まで、なのだが、このテーマ
> にも関わらず、冗談かと思われるくらいレトロな手続
> き方法。受講要項にはこうある。
そうですね。
HP or 携帯から、クレジットカードでの決済というのが
最近の標準のような感じがしますが、高校生あたりが、
ターゲットとなると、そうするしかないんでしょうか。
(クレジットカードは持っていないでしょうから)
当日、会場の入り口で、
Edy, Suica, nanaco, waon でのお支払い OK!
だったら、"おっ、進んでますねぇ..." と思いますが。
Posted by: ひろん | May 03, 2007 08:12 AM
コメントありがとうございます。
まおさん
ありがとうございます。「高校生ターゲット」というのは、実は他の講座にも共通しているので、一応念のため。もともとこの種の講座には地域のシニアの方の参加が多いのですが、それだけだと面白くないので、高校生をターゲットにしよう!というコンセプトで計画してみました。食い足りない部分もあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
ひろんさん
やらないで批判する方は多いですね。ただそういう方はそもそも嫌いでそうしているケースが多いので、「やってから文句いえ」があまり通じないのは困りものです。それから、ゲームそのものではなくてゲームのやりすぎを批判する人たちもいますね。スポーツも読書も度を越すと健康に悪いし、学業にも差し障るんですけどね。
Posted by: 山口 浩 | May 03, 2007 03:03 PM
ゲームをやって頭がよくなる、という人がいますが、実際に悪くなった人はいないのでは?
悪くなる人はゲームでなくても悪くなるのだし。
逆に今はやってる「脳トレ」のほうも私は懐疑的です。
Posted by: まお | May 03, 2007 11:32 PM
あれ?頭悪くなると言われて実際に悪くなった例はない。です。
私自身はゲームやりませんが、GAINAXのゲームのメインプログラマとして作ったことはあります。
Posted by: まお | May 03, 2007 11:33 PM
まおさん、コメントありがとうございます。
ゲームの影響については、各所で研究が行われているところですので、それを待つべきところなんでしょう。
個人的には、ゲームにせよ何にせよ、頭を使う作業はしないよりしたほうが脳の働きがよくなるのではないかと思っています。
Posted by: 山口 浩 | May 04, 2007 02:04 AM