雑誌目次をみる:「RikaTan」
久々の「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は「RikaTan」。萌え萌えの新雑誌登場にちょっと興奮ぎみ。
これとかこの人とかをみるまでもなく、最近、「タン」とか「たん」とかが名前につくと、「萌え系」だったり「かわいい系」だったりするケースが数多くあるわけだが(Wikipedia参照。ちなみにWikipediaにも非公式擬人化キャラクター「ウィキペたん」なるものがあるらしい)、この「RikaTan」も、ある意味思い切り萌え萌えだ。書店で初めて見たときゃ、心臓を打ち抜かれたような衝撃を受けたね。
何たって、この表紙の写真。
おお!左上に映っているのは、カルメ焼きではないか!
私が熱狂的なカルメ焼きフリークであることは、他の人にとってどうでもいいことだからあまりいわないが、知ってる人は知ってる事実。シンプルにして奥が深い味もさることながら、やはり最大の魅力はその製造過程にある。理屈がわかっていても、何度見ても不思議。縁日なんかでカルメ焼きを作ってるところに出くわそうものなら目が釘付けになってしまう。表紙写真のカルメ焼きのふっくら感、微妙にピントが甘い素人写真感、それになんといってもカルメ焼き鍋の使い込んだ質感がなんとも萌え~なわけで。
というわけでこの「RikaTan」、「理科の探検」の愛称であるらしい。最近は他にもこの種の雑誌とか本とか出てるし、面白い理科実験のテレビ番組とかもやってるし、まあ時代の流れではあるんだろう。この雑誌の編集長は同志社女子大学の左巻健男さん。最近話題の「水はなんにも知らないよ」の著者でもある。
上に出ている創刊2号の特集は「カルメ焼き・べっこうあめ・豆腐など食べ物系の実験I」。手先が不器用で、理科の実験では失敗することが多かったせいもあるんだが、どうも自分には実験萌え属性があるらしくて、こういうのをみるともうたまらんね。人の写真がほとんど出てこないストイックさもお気に入り。
というわけで、創刊2号の目次は以下の通り。
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・これなーに?
・色変わりを楽しもう!
・真っ赤な溶岩をすくった!―ハワイ島火山の旅―
・身近な自然捜し No.2 ポップコーンの虫
編集前記:お菓子づくりや料理は理科そのもの
ドキドキのグラビアページ。中でも「園芸用シャベルで流れる溶岩をすくう」は必見。なんたって「すくった溶岩をシャベルでペンペンたたいて、溶岩ハンバーグを作」るんだぜ?他じゃぜったい見られないね。
特集
・失敗しない、おいしいカルメ焼きのつくり方
・べっこうあめ 1[温度計使用]
・べっこうあめ 2[アルミカップ使用]
・豆腐でサイエンスに挑戦
・美味しい「カレーソース焼きそば」実験
・でんぷんから水あめ作り
・冷蔵庫を使わないアイスクリーム作り
・電気で焼く「パン」と「サンマ」
・『ねるねるねるね』などおもしろお菓子
「カルメ焼き」はいわずもがなとして、べっこうあめを作るのにも2つ方法を示すあたり、こだわりを感じるね。個人的には「電気で焼く『パン』と『サンマ』」に添えられたほのぼのタッチのイラストが好きだな。特に「電気サンマ」。口としっぽに電極をつながれ、今まさに焼かれゆくサンマ氏の口元に浮かぶかすかな笑みの意味を哲学的に考察したい。
今月の小話
・真っ赤な溶岩をすくった!―ハワイ島火山の旅―
・メダカを飼おう!メダカを増やそう!
・チューリップの実・ジャガイモの実―植物の子孫を残すための戦略―
・音のエネルギー
・活断層(active fault)とは何だろう?―地下で岩盤がバリッッ!!ガガガガガ!!―
「バリッッ!!ガガガガガ!!」と力強いが、本文はけっこう堅い感じ。GoogleMapを使った活断層判読、なんてあたりも出ている。活断層は英語で「active fault」というらしい。へぇ。
連載
・自然観察の楽しみ 第2回 緑萌ゆ
・高度な科学が小学生にもわかる リカ先生の10分サイエンス 第2回 どうして飛行機はとべるの?
・身近なもののしくみ 第2回 凸レンズのしくみ
・ドワーフ・プラネットの和名は「準惑星」に決定!
・安全第一 事故防止のポイント―実験・ものづくりの事故は起こさない!―
・私立中学入試問題を楽しむ 第2回 考察する力を身につけよう
「Dwarf planet」の訳は「準惑星」だそうだ。新聞に出ていた「矮惑星」は直訳に近いわけだが、これは「使わないようにしましょう」だって。
今月の授業 楽しくわかる授業シナリオ
・小3 「バタフライガーデン」を作って、チョウを育てよう
・小4 電池のつなぎ方
・小5 植物の発芽と成長
・小6 ものの燃え方と空気 身近な材料を活用した授業の工夫
・中1 中1の春にこそ、ルーペ・顕微鏡の技能を確実に習得させたい!
・中2 カエルの解剖
・中3 デジタルカメラとパソコンを使って物体の運動の様子を調べよう
学年別。先生方もいろいろ努力しておられるわけだ。
以下、いろいろ。
連載
・理科好きの子を育てるパパの技
・RikaTan読書室 図書室だより第2便
・シクミ*ミシュラン 科学キット*理科グッズ*ガイド 【マジックライトペン】
・イベント情報
・RikaTanみんなのブログコーナー
・今月の執筆者紹介
・「これなーに?」の解説
・科学力クイズ
・次号予告
コラム
・カルメ焼き名人を訪ねて
・氷山が溶けても海面推移は上昇しません
企画委員一覧
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コラムの「氷山が溶けても海面水位は上昇しません」は目ウロコ。よくテレビなんかで地球温暖化で海面水位が上昇するみたいな話が出ると、決まって氷山が崩れていくシーンが出てくるわけだが、「氷山が溶けても、氷山が水面下に占めているのと同じ体積の水に戻るだけで、水の量は増えません」と。考えてみれば当たり前なんだが、いやこれは素人的には盲点だよなぁ。じゃあ海面水位は上昇しないかというとそうではなくて、「地球温暖化が進むと、山岳氷河、雪原、氷床な陸地にある氷が溶けることと海水が熱で膨張することによって海面水位が上昇する」というわけだ。「山岳氷河と雪原の融解が約30%、海水の膨張が約60%、またグリーンランドの氷床の融解が約10%を占める」のだとか。いや勉強になるねぇ。
というわけで内容盛りだくさん、萌えどころ満載の「RikaTan」。現役および元理科少年少女の皆さんも、ぜひ。
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Comments
久々ですね。わたくし、「雑誌目次をみる」シリーズ
の隠れファンです。(元理系少年です)
ちなみに、温暖化によって、アラスカは、重し(氷)
が消えて隆起しているみたいですね。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/env/news/20070501k0000e040022000c.html
東京ドーム250万個分の氷というのは、ちょっと想像
できませんでした。隆起すると、地球の形が変わると
いうことで、形が変わると慣性モーメントが変わるの
で、地球の自転が影響を受けるかもしれない。地球の
自転が変わると、何か予想もできないような環境、
気候の変化がおきるかもしれない、ということで、
温暖化は、注視していかないといけませんね。
Posted by: ひろん | May 25, 2007 02:32 PM
ひろんさん、コメントありがとうございます。
アラスカの話、前に聞いたことがあります。慣性モーメントが変わるっていうのはすごいスケールの話ですよねぇ。そういえば、確か地球の自転速度がだんだん落ちてきていると聞いたことがありますが、氷が減って水が増えると、さらに自転速度が下がるんですかねぇ。
Posted by: 山口 浩 | May 27, 2007 09:35 AM