袴田事件の元裁判官がブログ開設
この人、という呼び方はあまりよくないかもしれない。記憶が正しければ(あやふやだってあたり自分でもひどいと思うが)、私は大学生のころ、熊本ゼミで刑事訴訟法を学んだ。私にとっては熊本先生、なのだ。なにしろできの悪い上に不熱心な学生で、学んだ内容そのものについてはほとんど覚えていないのだが、違法収集証拠の証拠能力についてかなり詳しくいろいろやったという記憶はある。今にして思えば、というわけだ。当時は袴田事件のことは話題にならなかったと思うが、控えていたのだろうか。会見で涙を流したという動画がYouTubeに上がっていたそうで(探したが見つからなかった)、いまさらながら、いろいろあったんだなぁ、という感慨が。
ブログは、袴田事件のことだけでなく、日本の裁判制度についての持論なんかも展開する、という趣旨のものらしい。70歳とのことで、失礼ながら必ずしもPCやらネットやらに詳しいという感じでもない。簡便に開設、運用できるというブログの特長が生かされているわけだ。「yoka-yoka.jp」とはあまり見慣れないドメインだが、福岡の会社がやってる「ブログふくおか よかよかブログというサービス」みたい。
話題を呼んだ件の行動については、いろいろな議論がありうると思う。勇気のいる行動だというのはまあほぼ共通として、よくやったとかかっこいいとかみたいな賞賛や共感もたくさんあるようだが、そればかりでもないかもしれない。なぜ今ごろという人もいるだろうし、法律違反だという指摘もあろう。結局自分が納得したいからだみたいにいう人もいるんじゃないかと思う。もちろん、ご本人はそういう一切合財をひっくるめて覚悟の上、のはず。となれば外野からなんのかんのといっても始まらない。日本の司法制度については、私が学生だった当時と比べて、いい方向に向かっているという印象があんまりない。ぜひがんばって、突っ走っていただきたい。
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