佐藤優氏の人生相談がスゴい件
ご存知の方も多いだろうが、あの佐藤優氏が「週刊SPA!」で人生相談コーナーを始めている。「起訴休職外務事務官佐藤優のインテリジェンス人生相談」というタイトル。「外務省のラスプーチンと呼ばれた諜報業務のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!」というふれこみ。なんだかすごいぞ、と思って見てみたら、中身はもっとすごかった。
なんたって「インテリジェンス人生相談」だよ?「インテリジェンス(intelligence)」を英和辞典をひくと、「━━ n. 知能, 知恵; 理解(力); 情報; ((集合的)) 情報機関[部員]; (時にI-) 知性的存在, 霊.」なんて出てる。この場合は当然、情報機関といったニュアンスだろう。「諜報業務のプロが、その経験をもとに」答えてくれるという、なんともおそろ、もといすごい話ではないか。
で、7月24日号に掲載された初回の相談は、「連載初回のため、編集部が相談者に企画趣旨を伝え、質問してもらいました」だそうな。相談者をどうやって選んだんだ?とか、「企画意図」って何だろうとかいろいろあるんだが、まあおいといて相談をみると、まさにこれが企画意図だったのか!と納得。
詳しくは実物をご覧いただきたいが、要するに、中国人留学生の不埒なふるまいが許せないという大学生からの相談だ。「僕は中国人に対する差別感情はありませんでしたが、今は、反中感情が高まっています」と結んでいる。ううむさすが扶桑社。企画意図ばっちりであろう相談ではないか。よくこんな都合のよい相談者を見つけ出したもんだ。
で、肝心の佐藤氏の回答。これもぜひ実物で原文をお読みいただきたいのだが、まず推定される質問意図3つについて、それぞれ対応法を伝授している。さすが諜報業務のプロ。押さえるべきところをしっかり押さえている。「第1の場合」には、中国人留学生の「身体的特徴」を極秘に調査し、かなわないならあきらめろ、と現実的なお答え。インテリジェンスの基本はいかに質の高い情報を入手するかだ。互角の場合には可能性がある。「勉強」し、努力して打ち勝て、と。
「第2の場合」も、ノウハウがものをいう。だから「勉強」は必要だが、「勝てる戦い」を選ぶ冷徹さが必要であると説く。ううむ卓見。勝てない「相手」に戦いを挑むなんてバカなことをやってはいかんのだ。いわれてみれば確かにそうなんだが、つい忘れがちな、まさしく目からウロコのアドバイス。
しかし、これらも「第3の場合」、ただ相手の「鼻っ柱を折ってやりたい」場合の対応に比べればたいしたことはない。具体的な手法はこの場で紹介するにしのびないが、これ本当にやったら犯罪じゃねぇか、というやつをさらりと紹介している。まあ簡単にいえば、「恥ずかしい写真を撮る」タイプの手法だ。よく「ハニートラップ」というのがあるが、これは何と表現したらいいだろうか。これか!これが「諜報業務のプロ」の手法なのか!プロはもっとすごかったりするのか!?いやーこわい。こわいね。回答者が回答者だけに、なんともいえない凄みがある。
というわけで、最初からクライマックスだぜ!みたいな(これでまだ序の口だったら、と思うとさらに空恐ろしいのだが)佐藤氏の人生相談。今後も要チェック決定!相談したい方はこちらへ。扶桑社の企画意図をふまえた相談をすれば採用の可能性も高まるのではないかと勝手に推察しておく。
ちなみに、上記「第1の場合」「第2の場合」で「勉強」すべきものとして推奨された本はこれ。まさに「王道」の古典。熟読してしっかり勉強されたし。
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Comments
「第3の場合」具体的に何をするのか、アドセンスが「バートン版 カーマ・スートラ」を選んでるところが凄いです。。。
Posted by: katute | July 20, 2007 10:09 AM
katuteさん、コメントありがとうございます。
ぜひ実物をご覧ください。「第3の場合」の対処法はその本の内容ではなかったかと思います。
Posted by: 山口 浩 | July 21, 2007 02:13 AM