雑誌目次をみる:「コミック・ガンボ」
一部に好評の「雑誌目次をみる」シリーズ。今回は「コミック・ガンボ」。
ふれこみによれば、「世界初の無料の週刊マンガ誌」だそうな。確かに、最近無料配布の雑誌が増えてるが、マンガ誌というのは初めて見た気がする。毎週火・水配布。「黄色いベストのガンボ・スタッフがお配りしています!!」だそうで、実際、いろいろなところで配ってたりする。これ自体けっこうな経費だと思うんだが大丈夫なんだろうか。
だいたい220ページぐらい。一般的な青年向け週刊マンガ誌と同等程度か。このうち、広告ページは表紙、裏表紙とその裏を除いて20ページ。さほど多いという印象はない。よく女性向けファッション誌なんかでは総ページ数の半分ぐらいが広告だったりするのがあるが、あれに比べれば(あっちは有料なんだし)むしろ少ないともいえようか。紙質はふつうのマンガ誌ふうだから安くできるという要素もあるんだろうけど。
第27号の目次はこう。マンガ16本とグラビア。
・「通販の鬼」 カネシゲタカシ
・「ジャストポケット!」 すねやかずみ
・「ぼうえい えにっき」 路みちる
・「坊っちゃん - BOCCHAN」 江川達也
・「英雄戦国志 覇道遥かなり~風雲信長の章」 作・梶川良/画・河承男(ハ スンナム)
・「朧 - OBORO - 」 作・香川まさひと/画・木村直巳
・「昭和バカ囃子~林家木久蔵物語」 原案・林家木久蔵/作・どいーん/画・はまのらま
・「パート怪人 悪キューレ」 ヨコシマン
・「ステージガールズ」 作・上野毛あさみ/画・黒岩よしひろ
・「W.C. - だぶりゅ~・し~」 小田原ドラゴン
・「G-Cup」 板橋しゅうほう
・「人間噂八百」 足立淳
・「物件X」 きりえれいこ
・「鳳凰(ほうおう)」 作・土井泰昭/画・武喜仁
・「トーキョー博物誌」 日高トモキチ
・「川口憲吾のハーフ&ハーフ 徹さん」 川口憲吾
・右手愛美 カラーグラビア
評論家ではないので、マンガのクォリティについてどうこういうものはない。正直知っている名前はほとんどないのだが、「坊っちゃん - BOCCHAN」の「江川達也」ってあの江川達也か?確かにそれ風のタッチなのでたぶん「ご本人」なんだろうな。ふうん。あと、もちろん木久蔵師匠は知ってる。その他執筆されてるマンガ家の皆さんは、「売り出し中」の方が多いんだろうか。人気が出たら、単行本とかも出したりするんだろうか。それ以前にどこかの有料誌に移籍したりするんだろうか。
それ以外のものはこんな感じ。
・プラネットプレス(最新オススメ情報)
・次号のグラビアは?
・プレゼントページ
・次号予告
・WEBサイトのご案内
・コミック・ガンボ設置店舗リスト
・コミック・ガンボ配布マップ
「設置店舗リスト」とか「配布マップ」なんてのは無料誌ならではだな。WEBでもマンガが読めたりするらしい。ちょっと面白いのは、無料誌なのに定期購読があること。本体は無料だが送料はかかるらしい。
ともあれ、雑誌の中に、広告料に依存する無料誌というジャンルが確立しつつある現状では、マンガ誌がその仲間入りをしたとてなんら不思議はない。むしろ、今や販促用マンガもけっこう使われる現状だから、プロダクト・プレースメントやらタイアップやらも駆使したマーケティングツールとして展開していってもいいのではないか。気になるのは、広告の内容がやや大人寄りだったりするあたり。少なくとも今のところマンガ自体はそっち系でないようなのだが、もし今後そっち系にシフトしていくようなことがあると、無料配布というビジネスモデル自体との摩擦が起きるかもしれない。
今のところ競合は出てないみたいだけど、そのうち出てくるかも。コスト面を考えれば、ウェブだけで展開するっていう考え方だってありうる。今後の推移は要チェックってことで。
The comments to this entry are closed.
Comments