« 「アジア室内競技大会」っていったい何だ | Main | なんかやけに仲がいい話 »

政治団体の会計もXML化すべきではないか

政治資金規正法を再改正するとかしないとかでまたなんだかもめているようだが、領収証添付は当たり前として、事務処理については会計ソフトを利用すれば相当程度簡単になるだろうと思う。市販の会計ソフトが政治団体向けに使えるかどうかについて詳しくは知らないが、渡辺大臣が会見で「会計ソフトを使っている」と言っているし、このページによると、民主党は「政治資金ソフト」を議員に配布したとあるから、ないはずはない。あるとすれば、使わないのは単なる怠慢であって、同情の余地はない。

会計ソフトを利用して増える事務量を効率的にこなすこと、裏づけとなる証憑を提出することは改善なわけだが、もう1つ考えていただくといいのではないか。それは会計情報の開示だ。この程度のことを考えている人は他にもたくさんいるだろうけど、一応書いてみる。

政治資金収支報告書は、現在でも総務大臣届出分が総務省のサイトで公開されているが、専用のビューワをインストールしなければならないし、コピーや印刷はできない。しっかり著作権まで主張してござる。閲覧室と同じ環境にするため、だそうだが、「リンクはトップページへ」「リンクしたら通知せよ」という断り書きにみるまでもなく、いまどき寝ぼけたことを、なわけだ。それに、都道府県選挙管理委員会報告分なんかは概要しか公開してないし。要するに、いかに「見たいと思わせないか」に一生懸命であることが手に取るようにわかる代物だ。いくら1円から領収証添付とか言ったって、ここを直さないようでは本気とはいえない。

民間企業の場合、たとえば上場企業なら、有価証券報告書をはじめ、詳細な財務情報、活動報告、将来の展望などを自社ウェブサイトで公開するし、EDINETで各社の情報をまとめて入手することもできる。専用のビューワとかふざけたことはいわず黙ってPDFにするし、EDINETはすでにhtml表示してる。2008年度をめどにXBRL化する方向とも。要するにまるで姿勢がちがうわけだ。

この差はもちろん、選ばれるべく競うようなしくみになっているかどうかからくる。企業は投資家をひきつけ、資金を集め、株主総会で支持してもらうために、経営者は自らすすんでそうする。法律上どう決まっているかなどは関係ない。もちろん非上場企業は、そうした開示をする必要は必ずしもないし、実際財務内容を開示していないところが多いとは思う。しかし政治家なり政治団体なりは、国民の幅広い支持の下で活動するという点で、どちらかといえば非上場企業より上場企業に近い存在だ。法律で決まっていないからといって開示しないという態度は、自覚がないとしか思えない。何せ政治団体は憲法に定める義務である納税を免除されるのだ。しかも税金の使い道を決める政治家ではないか。李下に冠を正さず、という発想でやってもらわないと困る、と考えるのはしごく自然だと思う。

政治団体の会計にも、XBRLみたいなやり方を取り入れるべきだ。政治団体の会計もXML化すれば、開示情報の二次利用性の向上が図れるほか、開示書類等に関するチェック機能の強化、審査支援機能の強化が期待できる(これはXBRLのサイトにある、XBRLの効用の流用。目的は同じなんだから効用も似てるはず)。不正経理なんかがあっても、衆人環視の下におけば、誰かが見つけ出してくれる可能性が高まる。で、そうなっていれば、開示書類をYahoo!みんなの政治の各議員のページみたいなところにリンクしてしまうことも、それによって政党間の比較を行うことも容易にできるようになる。

まじめにきちんとやってる政治家にはさして負担が増えることもなかろうし、かえって透明になって信頼が増すというメリットがあるだろう。まじめにやってない政治家には、・・・。というわけで、ぜひ。こういう部分の金は、ぜひ政府で出してやったらいいと思う。政治家のためだけでなく、国民のためにも。

|

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7022/3863171

Listed below are links to weblogs that reference 政治団体の会計もXML化すべきではないか:

» 1円以上に自民党抵抗? [いい加減社長の日記]
自民党の党改革実行本部で政治資金規正法再改正の議論。 焦点は「1円以上の支出」についての領収証添付。 中川幹事長からは、「すべての政治団体を対象に1円から領収書を公開」との提案。 それに対して、 「慶弔費で領収書をくれ、とは言いにくい」 「切符はどうするの... [Read More]

Tracked on August 04, 2007 at 09:03 AM

Comments

今の先生方にXMLなんてわかりませんよ・・・orz

閲覧室の環境をXMLベースにしてしまえば良いし、テクノロジーに弱い方々にはprintedされたものを提供するか、それようの使いやすい環境を用意してやれば良いんですよね。

問題は、そもそもそういうところまでがちでやる程金が無い(財務省との兼ね合いで言うと、総務省的には他に獲るべき予算がある)・・・と。

こういうのって工学系主体の学生がopen sourceで、フリーでソフトウェアを鍛えてくれないもんですかね・・・

Posted by: 通りすがりの役人 | August 04, 2007 at 12:39 PM

通りすがりの役人さん、コメントありがとうございます。
リアルなお答え感謝、です。事情は私もだいたい察しがつきます。本文には書かなかったんですが、個人的にはGoogleとかYahoo!とかみたいな企業に期待したいんですよねぇ。ASPベースで使えるようにして無料公開してしまえ!みたいな。経理を根っこから公開してしまって、その横にクリック一発で政治献金、とかあったらどうでしょう?
本来、こういうあたりは政治団体の人の頭を悩ませるべき問題ではないはず。中小企業で領収証を会計士に渡して後は任せちゃうというのがありますが、そういうふうになっていてほしいですね。しかもそれをコンピュータでかなりの部分やってしまえば安くすむし、集計も楽になるし、後でチェックもしやすいし。

Posted by: 山口 浩 | August 05, 2007 at 01:29 AM

Post a comment