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September 06, 2007

「社会技術」について

「社会技術」ということばを考えてみた。契約とか法律とか、社会の中でのものごとの動き方を決めるようなものをどう作っていくか、みたいなことを「技術」と表現したもの。そういうのって、プログラム言語を使ってコンピュータプログラムを作り上げていくのと同じような意味で「技術」だよな、と思ったわけだ。社会科学ってのは基本的に社会を(何らかの意味で)よくするためにあるわけだが、それが実際に効果を持つためには、そういう「技術」の部分を忘れちゃいけないよね、もっとちゃんと考えないといけないよね、という話。

そういう文章を、「メディア・サボール」に書いてみた。
社会科学における『技術』と『研究開発』

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Comments

お初に投稿します。
これ、「理学」に対する「工学」のようなもんですかね。理想気体とか分子の独立性とか、現実にないけど、一つの完結した系で理想モデルとして説明するのが「理学」、これを生産ラインに乗せるとき「理想モデルは理想だけど、現実の生産現場に換言するとだめだから」工学で修正したのを現実世界に送り出す、と。
今でも特に経済学なんかが軽んじられているのは、「俺の考えた理想もでるはこうなっている、だから私を信じれば生産性が上がるのだぁぁぁぁぁ(どーん!!!)」というような話が(どのような説を立てる方でも)生々しく出るので「うさんくさい」と思われているのかもと思うのですよ(生産性議論とかリフレ派の方とかみると、自分でそう思います)。
法学も橋下弁護士を訴えた方々なんか、そういう理想モデルだけの中にいることができる人なのかなぁ、と思ってみたり。

Posted by: さいとー@大風邪引き | September 07, 2007 01:13 PM

さいとー@大風邪引きさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の通りです。もともと経済学は「物理学になり損ねた学問」(by私の指導教官)で、「美しいモデル」へのあこがれが強い傾向があるわけですが、その流れでいくと工学にあたるのが経営学だろうと思っています。
ただ、経済学者さんの擁護をすれば、彼らの多くは、別に理論がすべてそのまま現実に適用できるとナイーブに考えているわけではありません。問題は、理論なるものがいくつもあって現実に対してどれがあてはまるか、及び、「現実」そのものをどう認識するかにおいて、合意が存在しないことだと思います。

Posted by: 山口 浩 | September 08, 2007 12:10 AM

以前、ジニ指数のことで大変失礼な書き込みをしたものです。

作者様の記事を読むと、社会技術を実際の現場で使えるようにしたいという意図がわかりました。また、日本ではそれが軽視されているというがわかりました。

社会科学などと同じように、日本ではコンピュータプログラマなども軽視されています。

この2つに共通するのは、社会やシステムの手順を考えており、かなり創造的な仕事ですが、それらは人間の考えた概念だけで成り立ち、説明はできても、ぱっと目に見ることができません。

これに対して、工学系の研究は、自分の研究した概念は形として認識できる場合が多いです。自動車の研究なら、その自動車に乗ってみればわかるわけです。

日本人は、目にみえるものについては価値を見いだしますが、目に見えないものの概念や仕組みといったものには価値を見いださないようです。

例えば、民主主義といった仕組みは、戦後米国によってもたらされたもので、日本人はそれは当たり前どころか水か空気なように考えていますが、民主主義という仕組みができるのに欧米ではいままで大変な努力が払われているは、本やネットで調べれば明らかにわかります。

概念だけでなりたっている学問や技術は、研究者の方は除いて、一般の方にはそういう認識がないのではないでしょうか?。社会の仕組みというのは、自動車どころか、自分の生活に密接に関係する事象です。そこの認識がないようです。また、新しい技術を搭載した自動車の話題は、一般的に新聞でも取り上げられますが、社会科学などの概念だけでなりたつ学問や技術の話題は、日本では新聞でもあまり取り上げられませんし、そういう話題は休憩の時などに隣人と自由に話せるような話題ではありません。

ただ、日本では、前回の格差の問題だけではありませんが、戦後ずっと使われてきた社会的な仕組みに矛盾がおこり、一般の国民でも今の社会の仕組みでいいのであろうかと疑問や不安を持つ人も多くなったと思います。

ここで、社会科学といったその道の研究者は、自分の研究なり社会科学という学問があることを一般の人にアピールすることは非常に重要なことであると思いました。

ただ社会科学については素人の私が思うに、簡単にそういう学問がわかる入門書があれば、いいのではないかと思う次第です。

Posted by: 通りすがり | September 23, 2007 12:51 PM

通りすがりさん、コメントありがとうございます。
アイデアなど形のないものの価値がなかなか認められないというのは、いろいろな分野でよく聞きますね。私が「社会技術」と呼んだものとコンピュータプログラムの類似性については本文にも書いたとおりですが、どちらもあまりはなばしく見えない場合が多いので、その重要性が認められにくいのも似ていると思います。
ただ、社会科学系のものは、工学系のものと比べてさらに「合理化」への努力がとられにくいかもしれません。典型的なのは政治で、今の政治システムの多くは100年とかそれ以上前の技術水準をベースに作られていて、新しくしようという動きはまだ強くありませんし。
「入門書」はけっこういろいろあるような気がしますが、なかなか目にふれにくいですね。自分の分野でいいものがあったらブログでご紹介したいと思います。皆さんがそれぞれご自分の分野でそうやっていったらいいかもしれませんね。

Posted by: 山口 浩 | September 24, 2007 10:25 AM

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