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November 07, 2007

このくらいで騒いでてどうするの、って思うんだけど

マスメディアの皆さんがなんだか大騒ぎしている。まあいつも大騒ぎで大騒ぎのネタを探してる人たちではあるから本来不思議ではないんだが、何に大騒ぎしてるかを見てちょっと驚いた。「例のあの人」が辞めるとか辞めさせないとか、大連立だとか分裂だとか。

いや、そのこと自体に驚いてるんじゃなくて、それをめぐる状況がねぇ。

今これを書いてるのは2007年11月6日の朝なわけだが、この記事が公開されるであろう7日早朝ごろには、ひょっとしたら状況がまた変わってるかもしれない。以上を前提として。

びっくりしたことその1。そもそもこの問題の背景には例の「ねじれ国会」問題があるわけなんだが、この「ねじれ国会」で騒ぐというのがよくわからない。日本は議員内閣制をとってる国だから、議会で多数をとってる政党やそのグループが政権をとるのは当たり前。で、日本は二院制をとってる国で、それぞれの任期切れがあんまり重ならないように期間とかを変えてるのも当たり前。だとすれば、もし政権交代なるものを前提とするなら、その移行期において、2つの議会で多数派が異なる状態が起きることは、制度上想定されたごく自然なことではないか。いったい何を問題視してるんだろうか。

重要法案が通らなくなるとかいう理由はわかるが、それも制度設計時から想定のうちのはず。まさか、政権交代を考えてなかったとでもいうのか?問題があるとしても、そのために衆議院はいつでも解散できるようになってるわけで、「ねじれ」なるものはその気になればいつでも解消できる。別に片方に肩入れするつもりはない(すでに「追い風」なんて消えちゃってるんじゃないか?)が、自分たちが使える手を使わずに「ねじれ」を問題視するのはスジちがいかと思う。あ、そうか、だから「大連立」なんだね。政権にしがみつくというあの党の唯一最大目標を果たしつつ局面を打開するにはこれしかないというわけだ。確かにこの手はこれまで何度もあの党の窮地を救ってきた切り札だし。つまり「ねじれ」という主張は外部向けの一種の目くらましなんだな。

要するにびっくりしたのは、今回のケースはさておき、一般論として、この国で政権交代が起きるとすれば、「ねじれ国会」はむしろあって当然の事態のはずなのに、なんで大騒ぎしてるんだろう、という点。重要な時期とかいったって、考えてみれば、少なくともex anteでは重要でないとわかってる時期なんかないわけで、別に言い訳にはならない。もう1つの党に国を任せられるのかって点については、それを決めるために選挙ってのをやってるんでしょ、ということかと思う。別に今選挙をやったらあっちが勝つって決まったわけでもないじゃん。あっちが勝ったからってそれがそのまま続くと決まったわけでもないし、日本が滅ぶとかそういうわけでもないし。こういうことをいう人って、たぶん基本的にこの国の民主主義を信じてないんだろうな。

びっくりしたことその2。特ダネをつかむ最良の方法はそれを作り出すことだ、というのは誰かに聞いたわけではないが、きっと誰かが言ってるだろうと思う。実際、けっこう当たってるんじゃないか。いわゆる「マッチポンプ」にあたるものかと思うが、これはマスメディアのビジネスではよくある。高校野球の大会を開いたり、マラソン大会を開いたり、音楽コンクールを開いたり。収益狙いのものもあるだろうし、一応文化事業の看板を掲げてそれなりに政府の資金とかも入れてるものもあるだろうが、まあ要するにネタづくりだ。ビジネスとして考えるなら、これ自体は別におかしくも何ともなくて、鉄道会社が沿線の宅地開発をやったりターミナル駅にデパートを作ったりするのと同じといえる(山口ジャーゴンでは、こういうのを「派生投資機会」という)。

だけどさ、もし巷でいわれてるように、マスメディアの経営者が「大連立」なんてものを画策して党首会談をしかけて、同時に社説で自説を主張するなんてことをやってるんだとしたら、これはちょっとやりすぎじゃないの、と思う人がけっこういるんじゃないか。だって日本最大の新聞だよ?その主筆ってことは、その新聞の主張をかなりの程度決められる裁量権の持ち主だよ?そういう人が、自分の政治的主張をそういうかたちで実現しようとするのはどうなの?ふつう「新聞の独立」っていうと、新聞が特定の政治的勢力に影響されないようにっていう話だけど、新聞が特定の政治的勢力に影響しようと画策するのはいいのか?言論を通じて社会に訴えかけるんじゃなくて、陰でフィクサーよろしく立ち回るなんて、表現は悪いが「ブン屋の分」ってものを超えてないか?というか、新聞の影響力を利用した政治活動そのものじゃないの?あの新聞は政党の機関紙なのか?

前の記事で、「私は、情報の流れがマスメディアと呼ばれるごく少数の企業に握られていること自体をこわいと感じるタイプなので、ブログを通じていろいろな意見が出てくる現状のほうがいいと思う」と書いたのだが、こういうのをみると、本当にこわいなぁと思う。この人は昔から「もの申す人」で有名だったけど、昔からこういうことをやってたんだろうな。にしても、最近とみに動きが大きくなってるような気がする。「残り時間」を気にしてるんだろうか。ともあれ、これがもし本当なら、ちょっとやりすぎにも程があると思う。どうせ真相は明かされないだろうけど、こういうのこそ当該新聞社の記者さんたちにがんばってもらいたいね。新聞倫理綱領にもあるじゃん。「報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。」って。国民の「知る権利」を守る立場なんだよね?自社なんだからアドバンテージがあるはずだよね?この真相をつかんだらそれこそ特ダネだし、この新聞社の報道機関としての評価はぐっと上がると思うよ?


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Comments

> にしても、最近とみに動きが大きくなってるような気が
> する。「残り時間」を気にしてるんだろうか。ともあれ、
> これがもし本当なら、ちょっとやりすぎにも程があると
> 思う。

"老害" を地でいくような感じですね。

自浄作用って働かないもんなんでしょうか?
だとしたら、既存の "報道" なんて信用に値しません。

アルファー・ブログのほうが、ためになると思う。

Posted by: ひろん | November 07, 2007 09:45 PM

ひろんさん、コメントありがとうございます。
全体として「害」かどうか評価が分かれるところではあろうかと思いますが、少なくともこの件に関しては、それが事実であるなら、私はやりすぎだと思います。マスメディアの人間はこういう役割を果たしてはいけないと思います。これをやるならマスメディアから身を引くべきだと思います。

Posted by: 山口 浩 | November 08, 2007 11:45 PM

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Tracked on November 07, 2007 08:36 PM

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