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February 15, 2008

「クレジットカードを活用した生活保護費の給付の可能性」

日本総研新社会システム創成クラスター主任研究員の香川裕一氏のコラム「研究員のココロ」に「クレジットカードを活用した生活保護費の給付の可能性」というのが出ていて、面白かった。

意図は生活保護をどうやったらうまくやるか、であることはいうまでもない。生活保護というと、ゲーム理論の教科書に使えそうなくらい情報の非対称性が随所に盛り込まれているわけだが、突き詰めると問題は検証等に必要なコストなわけだ。で、そのコストを削減するためにクレジットカードを入れてはどうか、というアイデア。独自のお考えというよりは、アメリカのフードスタンプが最近はカードになっているそうで、日本でもやったらどうか、ということ。

短いコラムなのでぜひ原文をお読みいただきたい。自分のメモのために、挙げられたメリットと課題を列挙しておく。

メリット
(1)生活保護業務の効率が向上すること
(2)利用範囲を制限できること
(3)購入履歴が把握できること
(4)問題があればカード機能を止められること

課題
(1)現在の生活保護費(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)の中にはクレジットカードが利用しにくいものもある。
(2)クレジットカードが法律で定められている「金銭給付」に該当するかどうか検討が必要。
(3)クレジットカード会社の現行スキームやシステムで運用上問題ないかという点について調査が必要。

ふむなるほど。まあ実際にやるとなれば簡単な話ではないだろうが、その気になればけっこうやれそうな感じもする。生活保護専用のクレジットカードなら、所得制限とか関係ないしね。ここには挙がっていない問題とかもきっとあるだろうが、よく考えれば道も開けそう。生活保護に限らず、政府と国民との決済手段が整備されることは、きめ細かい行政対応とか、不正を許さないしくみとか、そういう観点からもっと真剣に検討してもいいのではないか。

と思ったら、日本総研でそういうあたりのコンサルを商売にしようと考えているらしい。ううむそつがない。ぱらぱらと見たら、税金のクレジットカード払いはもう日本でも一部で試行されている、とある。

個人的にはカードでマイルを貯めたりしているので、税金とかもカード払いできたらいいな、とか思ったりする。なんだか志が低くてやんなるね。

※追記
あとで気づいたんだが、これみたいに、コラムの下に商売ネタへのリンクが張ってあるのって、なんかアフィリエイトみたいで面白い。なんかとてつもなく高い「買い物」だけど。

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Comments

(1)生活保護業務の効率が向上すること
(2)利用範囲を制限できること
(3)購入履歴が把握できること
(4)問題があればカード機能を止められること

課題
(1)現在の生活保護費(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)の中にはクレジットカードが利用しにくいものもある。
今は改善されている
(2)クレジットカードが法律で定められている「金銭給付」に該当するかどうか検討が必要。
これからの課題
(3)クレジットカード会社の現行スキームやシステムで運用上問題ないかという点について調査が必要。
やる気満々だろうクレジットカード会社は(笑)

Posted by: shinkai | February 16, 2008 04:12 PM

shinkaiさん、コメントありがとうございます。

日本総研は、カード会社というより地銀に売り込みたいみたいですね。地方自治体と強く結びついていて、生活に必要な口座を押さえているところのほうが「適任」ということかもしれません。いずれにせよ、行政の側の「大ジャンプ」が必要な領域です。「敵」はまちがいなく内側にいますね。

Posted by: 山口 浩 | February 17, 2008 09:17 AM

他愛のないコメントなのに直々にお言葉頂き感激です!

本当に大したことないのにわざわざスイマセン!
これからはもう少し勉強してからコメント致します。
こんなことで先生を煩わせたことお詫びします(泣)

Posted by: shinkai | February 17, 2008 05:36 PM

shinkaiさん
どうぞお気遣いなく。今後ともよろしくお願いします。

Posted by: 山口 浩 | February 18, 2008 10:35 AM

こんな記事を見つけてきました。

岐路に立つクレジットカード業界(日経BP)未曾有の経営危機
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/
080218_creditcard/index.html

クレジットカード業界が揺れている。業界トップ企業である三菱UFJニコスの2008年度3月決算は、1000億円を超える赤字となる見込みである。三菱UFJニコスだけでなく、OMCカード、オリエントコーポレーションなどクレジットカード・信販業界の多く企業が、前期に赤字を計上、もしくは今期は大幅な赤字に陥る見通しだ。

クレジットカード・信販業界を揺さぶっているのが、グレーゾーン金利の廃止問題だ。これにより業界各社は貸出金利の大幅な引き下げを余儀なくされた。そればかりでなく、過去の過払利息の返還も迫られている。

Posted by: shinkai | February 20, 2008 04:00 AM

shinkaiさん
ありがとうございます。
この記事にある通りですが、一方でカード業界は、顧客への直接アクセスできるチャンネルが弱いという構造的問題も持っています。だからさまざまな提携カードを利用してきたわけです。基本的にカード機能、キャッシング機能そのものはコモディティ的で差別化しにくいですから、本文にある生活保護カードみたいなものができたとしても、下位カード会社の救世主にはならないような気がします。

Posted by: 山口 浩 | February 20, 2008 09:25 AM

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