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「アルファブロガーに聞く」で話を聞きにいった話

毎日新聞社の毎日jpで連載している「アルファブロガーに聞く」というシリーズがある。いわゆるアルファブロガーの人たちにいろいろ聞くという企画らしくて、今までに8人のインタビューが公開されているようだ。で、その企画の関連で、毎日新聞社に行く機会があった。

もともと先方からの訪問を受けるはずだったのだが、今、職場は入試期間中のため関係者以外立ち入り禁止になっている。で、こちらから出向くことにしてみた。私としては、この機会に新聞社の中を見てやれ話を聞いてやれという社会科見学ノリで(ほらこないだ日テレも行ったしさ)ほいほいと出かけたわけだ。

こちらが受けたインタビューのほうは、まあよくある話だし、記事のほうを見ていただければよいかと。今回の企画の趣旨からみても、編集意図に沿って発言を恣意的に切り貼りするということはなさそうだし(参考)、そのあたりデジタルメディア局の方々は安心できそうだし。そもそもたいしたことはしゃべってない。というわけで、話を聞いた話に絞る。

話を聞くといえば、やはりネット界隈では最近とみに話題の多い毎日新聞。やはり話題はアレとかアレとかだな(関連記事ということで、これこれを挙げとく)。すでにGIGAZINEでやってることとかぶるんだが、まあいいや。どちらもアレがコレしていろいろもろもろだったりするので、以下は書いてよいというお墨付きをいただいた部分。

まずはネット界を「興奮」の坩堝に巻き込んだ「ネット君臨」関連。この企画そのものについてのもろもろは、佐々木さんのところを初めとするいろいろなところでさんざん論じられてきているので、いまさら掘り返さない。私の関心は2つ。この特集の企画・取材・執筆等の過程でのデジタルメディア局の関与はどうだったのかについてと、社内におけるデジタルメディア局の立ち位置について。

新聞社が記事のジャンルごとに組織を分けているのは、そのジャンルなりの専門性があるからで、担当分野についてそれなりに知見のある人たちが担当しているのだろうと思う。「ネット君臨」は、もちろんいろいろな広がりのある話ではあるんだが、第一義的にはネットに関連する問題が中心のはず。ならばデジタルメディア局が中心的な役割を担うとか、あるいはせめてスタッフに入って重要なパートを担当するとか、そういう関与があってしかるべきだしあったのではないかと思ったわけだ。もしそうだとすれば、ネットに詳しい人たちがいるのになんでああいう取り上げ方に?ということ。

いろいろ話は聞いたんだが思い切りはしょると、どうもデジタルメディア局の方々はあの特集の制作プロセスにはほとんど関与していないらしい。あの企画が持ち上がったときに中心となったのは別の局の人で、そこが中心になってスタッフを集めたと。取材の過程で話を聞かれたりした人もいたが、基本的にはノータッチだったようだ。なんで?ふつう聞くだろそれとも何か意図するものがあったのでは、と思うのが人情。デジタルメディア局をあえてはずしたとか?と聞くと、どうもそういうことでもないと。デジタルメディア局には人員の余裕がないし、もともと他局からスタッフを借りたりする職場習慣は社全体としてないのだそうだ。それに、社として主張をすべて統一するという考えでもないと。某えらい人のいる某社なんかは厳しいらしいがウチはちがう、と。

ふうんそんなもんかね、としかいいようがないが、やはり全体として不自然な印象は残る。スタッフの選定段階でデジタルメディア局の人が入らなかったこと自体がすでに「企画意図」のあらわれ、とみるのが自然だろう。社内的にいろいろたいへんなのかな、といったあたりが気になるところ。聞くと「そんなことありません」と言うんだが、いろいろな考えの人がいるのは確か、とも。大きな組織に勤めた経験のある人ならわかるだろうあれやこれは、もちろん新聞社にもあるってことなんだろうな。ただ、企業運営のあり方としていかがなものか的な経営学話は当然ありうる。

で、次はMSN関連。巷では「振られた」だの「横取りされた」だのと取り沙汰される毎日さんに芸能レポーターよろしく「そこんとこどうなってるんすか」と。GIGAZINEの記事でもそこらあたりはぼかされていたように感じたのだが、MSNとの提携解消は毎日側から申し入れた、とのこと。編成権の確保が目的だったそうで(このあたりはGIGAZINEにも出てるね)、当然PVの減少も織り込んだ上での決定だったそうだ。ふうん。なぜかテレビで見る離婚会見なんかを思い出す。

PVの減少についてはこんなあたりの話とこんなあたりの話があってどっちなんだよ、という疑問があるわけだが、「前者」の方が真相に近いようだ。いや実際のところ、ネットが本業でなくてよかったですねという感じの減り方。そこまでして確保した編成の自由を使って作ったサイトなのかぁ、と思う人もいるかもしれないが、そこはスルーしとく。

当然減ったアクセスは産経に流れたわけだ。先日日本テレビに行って、報道局のスタッフがみんなヤフーのニュースを見ていたという話をしたら、「ウチもヤフーさんに配信していて」とのこと。そういえば、MSNとの提携解消にあたってヤフーからの流入を強化したとニュースに出ていたな。読売も産経もヤフーには配信しているはずだが、どんなふうに強化したんだろうか。聞いとけばよかった。

とはいえ、なるほどなぁ、と思う。いや考えてみれば当たり前なんだが、あらためて認識するね。MSNの提携先変更話も日テレ報道局の話も、新聞社が「メディア」というより「コンテンツプロバイダ」に近づいていることのあらわれなんだな。紙媒体の部分はもちろんまだ強固にあるんだが、広告収入は減ってるし、販売も伸びないしで先行きには暗雲。記事のアウトプット先が紙からネットに移行しているわけだ。MSNの話なんか、ネットの中の話に限れば、報道機関としての影響力が、本来関係ないはずのPCのOSのシェアによって左右されているってことだし。これは基本的には私たちの生活様式が変わってきていることの結果だから、それ自体新聞社の人に責任があるということではない。ただ、それにどう対応するかが営利企業である新聞社には求められているわけだ。今のところネット事業でキャッシュを回せるようにはなっていないし。

ともあれなかなか面白かった。インタビューのあと、編集局を見学させてもらったりもして。ちょうど編集会議をやっている時間。参加している各担当の「デスク」は副部長クラスにあたるのだそうだが、だいたい40歳前後だとか(けっこう若いんだねぇ)。服装とかも含め、テレビ局よりまじめっぽい印象。制作会社の人とかがいないせいもあるかも。別にオチとかはないが、本日ここまで。

※2008/2/7追記
インタビューしていただいた毎日新聞社デジタルメディア局次長の磯野彰彦さんのブログ「竹橋発」で本件について取り上げていただいた。

※2008/2/14追記
毎日jpに記事がアップされた

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