政府の金で雇うべき人々
手短に。犯罪を犯した人が刑に服した後、社会に出てからまた犯罪を犯してしまうことがけっこうある。いわゆる再犯の問題だが、どうもその大きな要因の1つが、出所後の生活基盤の不安定さにあるらしい。平成19年版犯罪白書の第7編に「特集-再犯者の実態と対策」というのがあって、ぱらぱらと見ていたら、そんなくだりがあった。
こんな感じの図が出ている。
こんな解説がついてるのでそれも。
平成18年における,新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時就労状況別構成比を見ると,いずれの罪名においても,初入者よりも再入者の方が無職者の占める比率が高かった。中でも,窃盗の再入者においてその比率が81.4%と特に高い。
前科があると就職が難しくなるという話はよく聞く。雇用者側の意見は想像がつくし、理解できる部分も多いわけだが、とはいえそれでは更生の機会が小さくなるわけで、社会全体として好ましいとはいえない。
再犯に至る重要な要因が、社会に受け入れられにくいことであるとするならば、受け入れられる場を別に作ってしまえ、という考え方がありうる。これに関して、ちょっと前に、政府が満期出所者を対象にした公的支援施設の創設を検討しているというニュースが流れていて、なるほどと思ったわけだが、記事の書きぶりからすると、どうも思いきり腰の引けた印象。何しろコストがかかるしね。それに、最終的には一般社会に出ていく必要があるわけで、そちら方向に向けて、段階を踏んでいく必要があるだろう。
となれば、やはりどこかの民間企業にお願いする必要がある。どこか?そりゃあ考えるまでもない。
政府から仕事を受けている企業だ。
つまり公共事業を請け負っている企業。そういう企業に、条件として出所者の雇用を義務付けたらどうか。天下りを受け入れるよりよほど社会のためになりそうだし。天下りの皆さんにはぜひ出所者の指導監督にあたっていただくといい。出所者の適性と企業側のニーズのマッチングというものもあろうから、どんな業種でもということではなかろうが、たとえば土木・建設関連なんかは比較的なじみやすいのではないかと思う。道路特定財源がどうなるのか知らないが、とにかく「必要な道路」は作るそうだから、いっしょに「必要な雇用機会」ってやつも提供してはもらえまいか、と思うな。
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