みんな自民党に入っちゃえばいいんじゃないか
手短に。「あなたとは違う」人が辞めると言い出したとたん、あちこちから手が挙がって、後釜争いが激化しているようだ。いまいち誰がどういう考えなのかよくわからないが、活発な政策論争が起こるのはまあ歓迎すべきというところか。ただ悲しいかな、あれって党の中の話だものだから、国民の大多数には見ていることしかできない。政策論争が議会の場で、政党の間で展開されて、その決着を選挙でつけるというのが制度の本来想定するところかと思うのだが、野党のほうは政局の話ばかりで、見ていても面白くないことこの上ない。やっぱり最大の「ねじれ」は衆参の間じゃなくて各政党の中にあるよなぁ、と思ったりするわけで。
以下、ネタっぽい暴論。
党内での対決っぽいものを見せておなかいっぱいにさせるのは自民党の常套手段だから、それにまんまと乗っかるのもどうかと思うのだが、今のところ、少なくともマスメディアの皆さんは見事なくらい全乗っかりしてる。彼らとしてはネタがあれば何でもいいんだろうけど。
だったら、自民党に入党でもすればいいのかね。そうすれば、曲がりなりにも総裁選のプロセスに参加することはできるわけだし。一般党員の党費は年額4000円だそうな。別に払えない金額じゃないけど、やっぱりやだな。国から政党助成金をもらってる党なんだから、それで払ったってことにしてもらえないもんかね?このあたりはぜひ法律を改正してもらいたいな。政党助成金をもらってる政党内の選挙には国民みんなが参加できる、みたいな。実際にやるのは大変そうだけど。
野党の皆さんも、いっそみんなで自民党に入党しちゃったらどうか?分裂とかじゃなくて、全員いっぺんに、組織的に。もし民主党が全員で自民党に入ったら、「最大派閥」になるんじゃないか?これで政策論争にも総裁選にも参加できるぜ?あれだけ候補が乱立してるんだから、あと1人や2人増えたってどうってことない。党名だって似たようなもんだし、党の間の政策のちがいなんざ、自民党内の意見の差と比べて、そう変わらないんじゃないか。
なんか大政翼賛会みたいだけどさ。以上、暴論終了。
The comments to this entry are closed.
Comments
違憲の可能性がある政党助成金の方を廃止すべきではないかと。
Posted by: eurodollari | September 07, 2008 11:05 AM
eurodollariさん、コメントありがとうございます。
違憲かどうかについては裁判所に判断してもらえばいい、というか裁判所以外には判断できないしくみに制度上なってますね。もらってる政党のほうが多いわけですから、立法でどうにかなる問題ではありません。訴えてみてはいかがですか?
Posted by: 山口 浩 | September 08, 2008 12:49 AM
はじめまして。
>ただ悲しいかな、あれって党の中の話だものだから、
>国民の大多数には見ていることしかできない。
これって党の問題じゃないですよね?
見ている事しかできない理由は自分達で政府から
政党などまで作らないといけない民主制の中で
政治(政党)を変えようと動かない国民の問題じゃないでしょうか?
少なくとも自民党や民主党は入党に厳しい条件はないです。
今みたいに多数の国民が自分達で政党を作って行こう(<-新党を作るという意味ではなく)を、
動かそうとしないのなら、ま、見ているだけしかできないのも仕方ないかなと思います。
(それもその人の自由な選択です。自由な社会における)
だって、民主制ってそういう制度ですから、
繰り返しになりますが、自分達で政府や政党を作らないといけない。
党に一人入ったって、一気になにか変わるわけじゃないですし、
自分の理想となる、方向に政治(政党)を近づけるために、他の人との合意も
含めて、不断の努力が必要となりますが、それも含めて民主制です。
Posted by: Catch22 | September 08, 2008 11:58 AM
Catch22さん、コメントありがとうございます。
ご指摘のとおり、政治のありようは最終的には国民の責任です。それはこのブログのほかの記事で以前から何度も書いてることですし。ただ、都市部有権者としては、今の与党が選挙区を有利に設定してそこに公共事業を集中投下することで票を買ってるという構造的な問題があることは指摘しておきたいですね。
この記事は、ちょっとわかりにくく書いてますけど、基本的には政党でなく国民とマスメディアを批判したものです。
何にせよ、ネタにマジレスされると何ともやりにくいですな。
Posted by: 山口 浩 | September 09, 2008 01:24 AM
>>山口さん
ネタにマジレスすいません。
はてなブックマーク経由で来たので、
普段読んでないんです。すみません。
>ただ、都市部有権者としては、今の与党が選挙区
>を有利に設定してそこに公共事業を集中投下する
>ことで票を買ってるという構造的な問題があるこ
>とは指摘しておきたいですね。
こういう事を言える人、残念ですが、
あんまり政党の党員にならないんですよね。
そういう人が政党の中に増えれば、
党首選挙や必要な部分の政党内部の改革などを
通じて、組織も変わるんじゃないかなと
思わないでもありません。
政治関連の高等教育を受けた人間でも、
政党参加率は相当低いのではないかと思います。
(むしろそちらの方が低いように思います。
政党参加経験者から見ると)
政党って、いわば民間からのボランティアに
よって構成される組織なので、ボランティアの
質的向上と充分な人数の参加が望めないと、
質的改善はきびしいと思います。
ちなみに主要政党の全党員あわせても
全人口の1-2パーセント程度です。
Posted by: Catch22 | September 10, 2008 10:10 PM
Catch22さん
詳しくは知りませんが、思うに、政党の中の人たちというのは、そのあたりの構造をちゃんとわかっているのではないかと思うのです。あからさまにするとお互いやりづらいから黙ってるだけで。長期的な共存共栄というお題目の前に短期的なゼロサムゲームがどーんと立ちはだかっているわけで、わかる人は見ないふりを、わからない人には教えずに、とうまくやりすごしているのではないですか?
ちなみに私は、自分の立場や価値を最大にするためにその都度判断するのが一番いいのではないかと思っているので、どの政党にも属するつもりはありません。自分では「strategic voter」と呼んでますが、もちろん全員がそうである必要はないし、そうであるべきとも思いません。
Posted by: 山口 浩 | September 11, 2008 01:36 AM
政治家とかの部類はもちろんその構造はわかってるでしょうし、
一部の党員とかもわかっていると思います。
しかし縁故とか、人のつてで入ってきた、
普通の人が圧倒的に多い(少なくとも民主党の場合、
おそらく自民党も似た様なものかと)ので、あんまり細かい政党の話とか、
政治の話は興味無い人がほとんどだったりします。
(自民党の前の総裁選は党員の投票率50パーセント台後半です。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5600/news/20070923it11.htm)
その人達に細かい話をするのは大変なわけで、
うまくやりすごしてるってのも現実ですね。
(細かい話をしだすと、話を聞くのを嫌がって逃げられてしまって、
市場から得られる、手元のわずかな戦力すら失いかねません)
もしかすると、ある種の人達から、それはダメだと叩かれるかもしれません。
政党の中の人はがんばって、中身を変えろよと。
しかし、現場の圧倒的なリソース不足を見た人間からすると、
この戦力でそれはむずかしいなって感じです。叩く気にはなれません。
価値最大化戦略を取るのは自由だとわたしも思います。
今はわたしも政党には関わってないですし。
Posted by: Catch22 | September 11, 2008 11:06 AM
Catch22さん
党員の投票率が50%台後半というのは初めて知りました。ふつうの選挙のときの一般の投票率とそう変わらないじゃないですか。面白いですね。そういう人がちゃんと党費を払うものなんでしょうか。納入率なんかも知りたいところです。
思いつきですが、党員資格とか党友とかよりももっとゆるい参加のかたちやしくみがあったほうがいいかもしれません。あるときだけボランティア的に参加していく人たちを作っていくとか、少額の寄付をしやすいしくみをつくるとか。でも何より、基本は政治そのものを面白くすることでしょうね。
Posted by: 山口 浩 | September 12, 2008 09:18 AM