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September 11, 2008

気象協会がSNSっぽいものを始めている話につられてつらつらと

不勉強なもので、財団法人日本気象協会が「tenki.jp」なるサイトを始めていたことも知らなかったのだが、その「tenki.jp」がリニューアルして、コミュニティ機能がついたという話にはさらにびっくり。

「天気を もっと 楽しくする」のだそうだ。天気というのは差しさわりのない話題No.1だったりするわけだが、それだけではなく「天気オタク」というか「気象オタク」というか、お天気ネタに異様に食いつく人は意外に多い。「鉄ヲタ」とか「鉄子」とかいう呼び方があるが、こっちはどう呼ぶんだろう。「天ヲタ」?「きしょヲタ」?なんでもいいが、そういう方々に向けての展開ということなんだろうか。

今回のリニューアルの趣旨はこちらに出ている。

財団法人 日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:松尾 道彦)が事業運営する気象ポータルサイト「tenki.jp(http://tenki.jp)」は、株式会社ありんく(本社:埼玉県深谷市荒川319、代表取締役:池田 誠治)との共同プロデュースのもと、web1.0型事業モデルからweb2.0型事業モデル対応の“ユーザ参加型サイト”へ全面リニューアルしました。新生tenki.jpは、従来の天気予報、防災情報(地震情報、津波情報、注意報警報、台風など)、気象レーダ、気象衛星画像、天気図、レジャー情報、指数情報といったweb1.0型コンテンツに加え、利用者参加型機能の実装による新しいweb2.0型コンテンツを、気象ポータルサイトとしては国内で初めて導入しています。
私達は、「天気を もっと 楽しくする」を事業コンセプトに、進化し続ける気象ポータルサイトとして、インターネット利用者の皆様へ高い価値を提供していくことに挑戦します。新しい「tenki.jp」を多くの皆様に御利用いただくことを期待しています。

「web2.0」ときたよ。まあユーザーが喜ぶんなら悪いことではなかろう。誰かが入れ知恵したんだろうなと思ったら、やっぱりなわけだ。トップ画面の下に「会社概要」というリンクがあってなんじゃこれと思うが、既成のアプリケーションをそのまま使ったんだろうな。リンク先はちゃんと気象協会のサイトになっている。

で、リニューアルの具体的なポイントはこう、なんだそうで。

リニューアルポイント(1)
画像系コンテンツの機能性向上及び表示の美しさを追及~Flash技術を適用した質の高い画像系コンテンツを提供することで、インターネットユーザの利用価値向上を図ります~
リニューアルポイント(2)
ユーザ参加型コミュニティ(web2.0型コンテンツ)をサイト内に展開~天気を通じたコミュニケーション(CGM機能)が創出されるメディアを提供することにより、サイト滞在時間増加を目指します~
リニューアルポイント(3)
大手インターネット広告事業者と提携した広告事業モデルでの運営~10月よりYahoo!JAPAN様が展開する“ADネットワーク”に参画し(広告事業連携・企画連携)、更なる事業価値拡張を図ります~

まあ(1)はいいとして。(2)が問題のコミュニティ機能だが、友だちを登録したり、写真をアップロードして共有したり、一言コメントを書いたり、投票でみんなの意見を聞いたりと、どこかで見たようなものが並んでいる。いや別にだからどうというものでもない。そこがコミュニティとして快適なら人が集まるだろうし、「趣味」が共通なら話題も合いやすいだろう。見たところ、それなりに人は集まってるようなんだが、これは予定と比べて好調といえるのかどうかは知らない。で、お決まりの広告モデル(3)がくるわけだ。財団法人だから広告ぐらいとってもいいじゃないかというわけか。寄附行為的にどうなのかは知らんが。

個人的には、せっかくユーザー参加型にするんなら、もっと面白くできるだろうに、と思う。たとえば毎朝、雨が降りそうだと思ったら携帯電話で「ポチっとな」とやって、それが集まると「傘持ってくぞマップ」ができる、なんてのとか(気象庁の「アメダス」に対抗して「アメデス」とか名前をつけてさ)、投稿写真を地図にひも付けして、同じ地域の写真を時系列に並べて見せるとか、「○○が××したら雨」みたいな民間伝承をみんなで検証してみるとか、いろいろできそうじゃん。

ここは公益法人だが、行政機関でこういうユーザー参加型のサイトを持ってるところって、ご意見募集とかまで含めれば、たぶん珍しくないはず。それよりちょっと「進んだやつ」としては、たとえば、知ってる人は知ってるであろう、国土交通省の「鉄男・鉄子、みなさんの部屋」。「鉄男・鉄子」とはなんだかそそる名だが、別に「その種の人々」のことを言っているのではなくて、どうもこのキャラのことらしい。このお2人方と、鉄道ファンの「みなさん」の部屋、というわけだ。で、何をやってるかというと、投稿を受け付けて公開する、というもの。

1.日本全国鉄道お宝マップ
鉄道駅等の魅力の掘り起こしを図るべく、全国各地の駅等に隠れた「お宝」を募集します! (例えば、「由緒正しい芸術品や名物」、「駅にまつわる歴史・エピソード」等)
2.鉄道を巡る、ちょっといい話
「『鉄道魂』あふれる裏方さん達のエピソード」や、「心に残る駅員さんの対応」、「バリアフリー化されてよかったなと思ったこと」、「地域やまちと鉄道の関わり」、「あなたの人生の一コマを飾った鉄道のエピソード」等、鉄道を巡る印象的なエピソードを募集します!
3.世界に伝えたい、未来に遺したい、鉄道からの車窓風景特選
鉄道が如何に日本の美しい自然や暮らし、風土に溶け込んで来たかを表す車窓から見た美しく余情あふれる風景・風土を伝える写真等を募集します!
4.「あったらいいな、こんな鉄道」、「私にも、一言、言わせて!」
「夢のある未来の鉄道サービス・鉄道技術」、「望ましい鉄道政策」等について、みなさまのアイディア・意見を募集します!

一応、政策提言みたいなのもできるようなので、ご興味のある方はぜひ。これらの投稿は、「有識者から成る「選考委員会」」が審査し、「発表・表彰等」を行うそうだ。なんか、全体的に「人海戦術」っぽい。牧歌的でよいとみるか、そんなに人が余ってるのかとみるのか。しかも「上から目線」だし。少なくとも「web2.0的」ではないな。

あと、同じ国土交通省では、関東地方整備局が「路上工事検索サイト」で「不人気投票」なんてのもやってる。これについては以前書いたことがあるが、たまたまかもしれないがいつ見ても「集計中」で結果はよくわからない。

要するに、なんかいろいろ「フィルター」を通してる感じがするのが気持ち悪いのだ。行政機関のサイトにおけるこの種のものは皆似た臭いがするように思う。その意味で、気象協会(公益法人だからずいぶんちがうけどさ)の動きは注目される。ぜひこの方向で進んでいただきたいところ。

個人的には、行政機関でぜひ「web2.0的」サービスをぜひ取り入れていただきたいのが、会計検査院だね。もちろん、今でも「ご意見箱」っていうページがあって、

「会計検査院の検査対象である国や国の出資法人、国から補助金等を受けている都道府県、市町村その他の団体などの事務・事業や会計経理について、不適切、不経済、非効率、効果不十分などと思われる事態がございましたら、情報をお寄せください。検査の参考とさせていただきます。」

なんて書いてあるんだが、これも情報の流れが一方向で、これじゃだめなんだよね。ぜひ「投稿者」間で情報を共有できるしくみが欲しいし、写真や動画の投稿も受け付けるべきだ。で、「これはひどい」を集めた投稿がどんどん上に上がっていくようにすればいい。こういうところにはしょうもない情報もたくさん来る(たぶんそっちの方が多い)だろうが、そういうのにいちいち相手して疲弊するより、上位に上がってきたものに優先的に対処するのがいいと思う。

今までこういうのはマスメディアやら2ちゃんねるやら、とにかく行政の「外」で騒いでたから、無視していられたわけだ。お役所のサイトなら、関係者は「知らない」ですますこともできなくなるはず。「行政2.0」みたいな表現はやや陳腐だが、中身の問題として、使える余地はけっこうあると思うな。

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Comments

はじめまして。
私も天気オタクの隅っこにいる人間かもしれません(^_^;)
気象庁の財団法人ですから、天下り団体の生き残り策とったら言い過ぎでしょうが、本当に「天気オタク」的な人を企画に参加させるとか、もしやっていないのなら、そこまでやって欲しいですね。

Posted by: shima | September 17, 2008 10:07 AM

shimaさん、コメントありがとうございます。
生き残り策かどうかは知りませんが、せっかくやるなら、巷の気象予報士のネットワークを活用するとか、何か面白い機軸があるといいなと思いました。まあ今後に期待しましょう。

Posted by: 山口 浩 | September 17, 2008 11:59 PM

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