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November 18, 2008

「ストローはいりません」

ストローはいりません   4年1組 山口 浩

ぼくは、学校の近くにあるコンビニによく行きます。おこづかいで、飲み物を買ったりするのですが、そのときに、気になることがあります。なぜ、コンビニの店員の人は、飲み物を買うとストローをくれようとするのでしょうか。

ぼくが買う飲み物は、ペットボトルや、紙パックなどです。紙パックの飲み物の中には、あなが小さくて、はじめからストローがついているものもありますが、そうでない紙パックのときでも、コンビニの店員の人は、何も言わないのに、袋にストローを入れてくれます。ペットボトルの飲み物のときも、たまにストローを入れます。でも、ぼくは、ストローを使いません(はじめからストローがついている飲み物のときは使います。そうしないとうまく飲めません)。ストローはお母さんがとっておいてくれますが、うちで飲み物を飲むときにストローは使わないので、たまっていくだけです。どうせ後ですてることになるので、どうみてもむだです。

ぼくは、ストローなんか使わなくても飲めるのに、なんでストローをくれるんだろうと思って、お父さんに「なんでコンビニの人は飲み物にストローをつけるの?」と聞いてみました。そしたら、お父さんは、「そのほうが飲みやすいと思うからだろ」と答えました。それで、ぼくが、「でも、ぼくはストローなんか使わないよ?」と言ったら、お父さんは、「大人の女の人なんかは、口紅が落ちないように、ストローを使って飲むんじゃないかな」と言いました。

ぼくが、「でも、ぼくは大人の女の人じゃないよ?」と言ったら、お父さんは「たしかにどう見てもそうだねえ」と言いました。それで、お父さんは、「コンビニの人が、ストローをつけろって教えられてるのかもしれないね」といいました。それから、お父さんは、「そもそもさ、ストローで飲むことがある飲み物と、そうじゃない飲み物があるでしょ?」といいました。

「たとえば?」とぼくが聞いたら、お父さんは、「たとえば、大人が飲むビールはストローを使わないよね?温かいお茶やコーヒーもそうだね。でも冷たいお茶やコーヒーはストローがついたりつかなかったり」と言いました。それで、ぼくが「ほんとだ」と言ったら、お父さんは、「それに、おそば屋さんでジュースをたのむとストローはつかないことが多いけど、ファミリーレストランではふつうつくよね。高いレストランだったらつかないことも多いかなぁ。ほかにもいろいろな場合があるよ」と言いました。それで、お父さんは、「つまり、ぜっ対こうじゃなきゃいけない、という決まりがあるわけじゃないんだよ」と言いました。

「じゃあ、どうしたらいいの?」とぼくが聞いたら、お父さんは、「いらないなら、ことわればいいじゃない」と言いました。ぼくは、やっとわかりました。ぼくがさい初からそう思わなかったのは、「聞くなんてめんどくさい」と思ったからです。だからコンビニの店員の人がちゃんと考えてくれれば、と思ったのです。でも、きっとコンビニの店員の人も、お客さんにいちいち「ストローはいりますか?」と聞くのがめんどくさいのでしょう。だから、ストローをつけないでいて、お客さんから「つけてください」って言われないですむように、はじめからつけておくようにしているのでしょう。「コンビニの人は、後ろにならんでるお客さんを待たせないために、いちいち聞く時間をせつやくしようとしてるんだよ」とお父さんは言いました。

ぼくは、「でも、それじゃストローがむだになっちゃうよ」と言いました。「そう。だから、お店の人がストローを入れようとしたときに、ストローはいりませんっていえばいいんだよ。」とお父さんは言いました。これなら、あまり時間はむだにならないから、コンビニの店員の人もいやがらないでしょう。それに、むだがなくなって、コンビニのもうけもふえるし、かんきょうにもやさしいです。

「コンビニだけじゃないね。ファミリーレストランのジュースだって、コップから直せつ飲めばいい」とお父さんは言いました。ぼくが「じゃあハンバーガー屋さんのジュースは?ふたがついてて、ストローで飲むようになってるよ」と聞いたら、お父さんは「ああ。あれはむずかしいね。子どもがコップをたおしてもあんまりこぼれないようにっていうことだろうからなあ」と言いました。

「そうか。こぼしちゃったらそうじも大変だしね」とぼくが言ったら、お父さんは、「そうそう。こういうことは、むりをしても続かないんだよ。お店にもいろいろつごうがあるからね。いろいろ新しいことをやってみるのも大切だけど、まずはみんなが、それぞれ自分ですぐできることから始めないとね」と言いました。それから、お父さんは、「ほんとは、お店の人も、ストローいりますか?って聞いてくれるといいんだけどね。もう聞くようにしてる店員さんもたくさんいると思うけど」と言いました。

それで、ぼくが「じゃあ、まずぼくにできることは、レジでストローいりませんって言うことだね」と言ったら、お父さんは、「もう一つあるよ。あんまりジュースを買わないこと。かんきょうのことを考えるのも大事だけど、その前に、むだづかいをしないってことを学ばないと」と言いました。こんなところでおせっきょうするのはずるいと思いました。それで、お父さんに、「じゃあお父さんも、ビールはむだづかいだから飲まないほうがいいね」と言ってやりました。

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