「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」実験のお知らせ
しばらく前から、㈱プレディクションにお願いして、ESPフォーキャスト調査の予測市場版として、「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」なる実験を行っている。今行っているのは、2008年第4四半期の実質GDP成長率とCPI上昇率を予測していただくもの。リリースを出すタイミングを逸して遅くなってしまったが、一応ここでお知らせ。参加者を絶賛募集中。今回の目玉は賞品つきであること。総合1位の方にはiPod Touch進呈!2位以下にもある(詳細はリンク先サイト参照)ので皆様ぜひ。
以下、リリース文。
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平成20年12月
駒澤大学、内閣府委託調査の一環として、一般ネットユーザーを対象とした「集合知メカニズム」による経済予測実験(通称「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」)を開始
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 山口 浩准教授は、内閣府経済社会総合研究所委託調査「平成20年度 国際共同研究 人口減少社会におけるマクロ経済展望」テーマD 期待形成グループ「経済専門家等による経済指標に関する将来期待の形成に関する調査研究」に委員の一人として参画し、予測市場における「集合知メカニズム」(注2)を利用した研究を進めています。
本研究では、専門家による経済予測である「ESPフォーキャスト調査」(注1)をはじめとするサーベイデータの分析を行うことで予測の特徴や今後の応用の可能性についての研究を進めています。
研究の実施にあたっては、㈱プレディクション((注3)代表取締役社長・CEO 苅田あずさ 本社:東京都中央区)の協力を受け、平成21年2月中旬までの期間、「ネットユーザーの集合知を用いたコンセンサス予測」実験(通称「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」)を実施しています。
(1)実験の概要
①実験の実施場所
㈱プレディクションが運営するウェブサイト「あした新聞」にて、インターネットを通じて募集する参加者から3つの経済指標(実質経済成長率(2008年7~9月、10~12月)及び消費者物価指数上昇率(2008年10~12月))に関する予測を集めて、「集合知による予測」(コンセンサス予測」)を行っています。
②実験の参加方法
参加希望者は、(株)プレディクションが運営するウェブサイト(prediction.jp)にアクセスし、アカウント登録を行います。
アカウント登録を行った参加者は、予測対象である3つの経済指標について、設定された選択肢の中から適切と思われるものを選び、アカウント設定時に与えられる仮想通貨を投じて予測を行います。同じ選択肢を複数回選んだり、複数の選択肢を選んだりすることもできます。選択肢は、「ESPフォーキャスト調査」と同様に設定されています。予測期間を通じた予測結果成績や参加者くじに応じて、(株)プレディクションを通じ、景品を進呈する予定です。
③実験の実施期間
・実質経済成長率(2008年7~9月)・・2008年11月半ばまで(終了しました)
・実質経済成長率(2008年10~12月)・・2009年1月下旬まで
・消費者物価指数上昇率(2008年10~12月)・・2009年2月半ばまで
(2)実験の趣旨及び意義
今回行う実験は、「ESPフォーキャスト調査」で調査されている経済指標について、経済予測の専門家ではなく、いわゆる「素人」である一般ネットユーザーの予測を集約して経済予測を行うことができるかどうか、またこうした非専門家のコンセンサス予測にどのような特徴があり、それを利用することにどのような意義があるかなどを検証することが目的です。
専門家でない一般ネットユーザーは、一般的には、経済指標の元となるデータに触れることがありません。したがって、単に参加者の予測を集めるだけで、経済指標について専門家を上回る精度の予測ができると安直に考えているわけではありません。ここではむしろ、集約された非専門家の予測が専門家の予測と比べてどのような特徴を持っているのか、専門家の予測との差を埋めることができるのかどうか等に着目したいと思います。
経済指標が消費者の生活実感とちがうとの指摘はよく見られます。経済政策の基礎となる経済指標が生活実感とずれていれば、それを元に打ち出される経済政策が正しくても、その効果が消費者には適切に伝わらないかもしれません。その意味で、非専門家の予測がどのような特徴を持っているのかを検証することは、よりよい経済政策を考えるうえで、重要な意義を持つものと考えています。また、個々の参加者にとっては、参加によって経済動向への関心が高まるとともに、集約された予測に触れることで、自らの予測を修正していく機会を持つことができます。
(注2)「集合知メカニズム」について
複数の参加者の知識・意見を集約することで、よりよい予測や判断、意思決定等を行うしくみ。参加者が個別に行う場合と比べて、精度や判断の質が向上する、より納得のいく結果が得られる等の効果が期待される。代表的なものとして、「予測市場」(将来予測を行うこと等を目的とし、当該問題の顛末を価値に連動させた証券を参加者が自由に取引できるよう設計された仮想証券市場)があるが、近年はより簡便な方法として、投票や賭けに似たかたちで予測を行う「予測投票」のしくみも多く使われている。
(注1)「ESPフォーキャスト調査」について
内閣府の外郭団体である社団法人経済企画協会が平成16年5月から毎月実施しているコンセンサス予測。あらかじめ依頼した数十人の経済専門家から経済予測を集め、それを集約して、集団としての予測を導き出すもの。(URL: http://www.epa.or.jp/esp/fcst/fcst.html)
(注3)㈱プレディクション
2007年10月に設立された日本初の予測市場サービス専門企業。予測ポータルサイト「あした新聞」において、予測市場型の「Stock市場」、予測投票型の「Bet市場」、自由記入コメント集約型の「WOC」などのサービスを提供している。(URL: http://prediction.jp/)
本件についての問い合わせ先
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部
准教授 山口 浩
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