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January 08, 2009

衆院選予測週刊文春090115

週刊文春2009年1月15日号(1月7日発売)に「麻生自民『解党』民主不動の『280議席』確保」という記事が出ていたのでメモ。政治広報センター社長の宮川隆義氏による予測。

この方は以前から一貫して与党に辛口、というかかなり民主びいき。曰く、

わが日本でも、十年に及ぶ自公連立政権の倒壊で、小沢民主新政権が誕生する。

ともう既定路線ぽく断言。で、こんな予測。

で、選挙が遅くなっても民主優勢の潮流は変わらないと。曰く、

選挙の顔「麻生首相」を挿げ替えても、解散時期を先延ばししても、今回総選挙が終わるまでこの政権交代の潮流は変わらない。候補者の対戦組み合わせが出揃い、総選挙の争点設定が既に完了しているためだ。

とな。ふうんそういうもんかね。そういえば、民主党の小沢党首の選挙区はどこなのよ?という点があったかと思うが、この記事では東京12区と想定している。「現職の太田昭宏公明代表を鎧袖一触で倒して」だって。予測自体がどうなのかは別として、この鼻息の荒さは気になるな。

今回注目は、予測手法に関する記述が少しだけみられたことなんだが。

本誌の選挙予測シミュレーションは、政党や候補者の時系列選挙データ(投票率に左右されない有権者を分母にした絶対得票率)をベースにしている。今回は、昨年十二月に公表された世論調査の内閣・政党支持率等の振幅変数(パラメーター)を読み込んで、その延長線上にある投票結果を予測した。

ことばがいちいちわかりにくい。「投票率に左右されない有権者」って何?安定して獲得できてる投票数のこと?「振幅変数」って何?支持率の分散とか?この分野ではこういう表現するの?別に疑っちゃいないけどさ、きちんと書く気がないならこういうの出さなきゃいいのに。

ともあれ、こういうことだそうだ。各選挙区の情勢など詳しいことは実際に記事をお確かめいただきたく。

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Comments

>>「投票率に左右されない有権者」って何?
「投票率に左右されない、全有権者を分母にした絶対得票率」にしたら意味が通りませんか?
有権者100万人、投票者50万人で得票が10万票なら絶対得票率は10万/100万=10%です、みたいな。

Posted by: 犬田 | January 09, 2009 09:12 PM

犬田さん、コメントありがとうございます。
それだと、「時系列選挙データ」という部分とうまくかみ合わないように思いますがいかがなんでしょう?全有権者の時系列データですか?全有権者だったら、時系列でとる必要をあまり感じないんですけど。すいません本当にわからなくて。

Posted by: 山口 浩 | January 09, 2009 09:30 PM

絶対得票率が私が推測したものだとして、政党や候補者の絶対得票率の推移がわかれば、投票率が高いとき(≒浮動票を奪った者が強い)と低いとき(≒固定票が多い者が強い)の平均のデータとなる、ということかなと思っていました。
私が文春を読んだ限りではそうかなと思ったというだけですので、正しい理解なのか、そうだとして統計学的に意味があるのかどうなのかという点については私も自信が持てません。すみません。
もっと文春さんの詳細な説明がほしいという点では全くの同意です。

Posted by: 犬田 | January 10, 2009 11:07 AM

犬田さん
ありえますね。私は「必ず投票する人の数」を分母にした得票率ではないか、と推察しました。全有権者の数というと、時系列でとってもあまり変わらなさそうですが、「必ず投票する人」を推定するには過去の投票に関する時系列データが必要ですから。ま、要はわかりにくいってことです。ノウハウともいえる部分でしょうから、あまりはっきりと説明したくないのかもしれませんね。

Posted by: 山口 浩 | January 11, 2009 09:25 AM

どうもお邪魔いたします。

>投票率に左右されない有権者を分母にした絶対得票率

宮川氏が言う「絶対得票率」とは「全有権者を分母とした得票割合」を指しています。ある選挙区を時系列で観察すると、各候補者ごとの絶対得票率が、その時々の内閣支持率や政党支持率に何となく対応していることが読みとれます。おそらく氏は、「内閣支持率や政党支持率がこの程度であれば、過去の例から見て、○○選挙区では自民候補の絶対得票率は○%、民主候補の絶対得票率は○%になると見込まれる」という予測をしてるのだろうと、世の選挙マニアたちは考えています。このとき、内閣支持率や政党支持率をどのように各候補の絶対得票率に換算しているのかが問題となります。氏は「振幅変数(パラメータ)」によって換算していると述べていますが、選挙マニアの多く(私も含めて)は振幅変数なるものの存在に懐疑的です。

一方、氏は「全投票数を分母とする得票割合」を「相対得票率」と呼んでいます。相対得票率は選挙分析/選挙予測では意味のない数値なのですが、新聞・テレビは絶対得票率ではなく相対得票率を用いがち、という現状があります。宮川氏のわかりにくい物言いには、相対得票率を重視し続ける新聞・テレビへの皮肉もさりながら、クライアントである政治家たちへのアピール(「あなたの知らない世界を私は知っているのですよ」)が込められているのではないかと邪推しております。

的はずれなことを書いていたら申し訳ありません。
長々とすみませんでした。

Posted by: しもxx | January 14, 2009 09:12 PM

しもxxさん、コメントありがとうございます。
「選挙マニア」という属性の方々がいらっしゃるんですか。まあいるだろうとは思っていたんですが、そういう呼び方なんですね。
なるほど、絶対得票率の時系列データということなんですね。私はてっきり、時系列データを絶対得票率と呼ぶものだとばかり思い込んでおりました。日本語の読解力の問題ですね。いやお恥ずかしい。「プロ向けのアピール」というご指摘もなるほどと思います。こういう記事はまたとない宣伝の機会ですからね。
「振幅変数」についてはマニアの方でもわからないわけですね?「今優勢」とかそういうあたりを反映するんでしょうか。いや奥が深いですな。
ともあれ、ありがとうございました。

Posted by: 山口 浩 | January 14, 2009 10:01 PM

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