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January 05, 2009

はてブのコメントを採点するという一人遊び

ネットサービスの1つでソーシャルブックマークというのがある。自分ではほとんど利用しないが、「はてなブックマーク」、通称「はてブ」は、自分の記事に対する反響を見るためにけっこうよくチェックしている。ブックマークをつけるときにひとことコメントみたいなのができるようになっていて、各ユーザーの画面からはブックマークをつけた記事についてのコメントになっているわけだが、記事のほうのページをみると、その記事をブックマークしたユーザーのIDとともにそのコメントが並んでいるから、ちょうどコメント欄のようになる。

ずらっと並んだコメントを見ていて、既視感を覚えることがよくあって、何だろう何だろうとずっと思っていたのだが、最近思い当たった。

小テストだ。

職場で「Moodle」を使っている。オープンソースのLMSで、機能は充分とはいいがたいが、それなりには使える。で、そのMoodleには、オンラインで小テストや課題を出すという機能がある。問題を出して、解答をファイルで提出させたりするわけだが、短いものなら、直接書き込む「オンラインテキスト」を利用するのが便利だ。紙で書かせると整理がたいへんなので、利用できるときには使う。

一応テストなので、学生側からは自分の出したものしか見えないが、教員側の管理画面では、履修学生からの提出を一覧表形式で確認し、採点ができる。で、その管理画面には、学生からの解答の冒頭部がずらっと並んだ状態になっている。そのようすがなんだか、「はてブ」の画面にちょっとだけ似ているのだ。

そうなると、自分のブログの文章に対してついたブックマークのコメントが、なんだか小テストの解答のように見えてくる。自分の文章の一部を抜き出しているものは、「ここに注目」ぐらいの意味なんだろうからまあいいとして、特に自分なりのコメントを加えているものについては、どれどれ、とつい「採点」してみたくなったりするわけだ。こういうのも職業病の一種なんだろうが、まあ手ごろな一人遊び。あくまで一人遊びなので、はてなスターは使わない(よく知らんがあれって非公開設定にはできないんだよね?)。

人間さまざま、コメントさまざまで、実にいろいろな視点がある。よく読んだうえでまじめにコメントしているものがたくさんあってありがたい。気づかなかった視点や事実、誤りなんかを指摘してくれるものもけっこうあって、集合知だよなぁ、と思う。まっこうから否定するものも少なくないが、短い中にもこちらのいいたいことを咀嚼したうえで反論している場合などがあって、そういうのは、やはりとても参考になる。職場でやる小テストでも、自分の考えに合致するものだけを正解にするということはない。明らかな誤りは別として、考え方を聞く場合などは、ちがった考えでも説得力があれば高い点をつけている。なので、こういうコメントも、「得点」は高め。あ、あと、たまにやる「仕込み」に気づいた方々がネタばれコメントを共有してるのも、わかってもらえたことがわかるのでちょっとうれしい(そういうのをコメント欄でやられると台無しじゃん?)。

逆に「得点」が低いコメントもある。まるでずれてるもの、自分の視点に凝り固まって偏った見方をしているもの、そもそも読んでないだろうとしか思えないもの。批判的なコメントに多いのは、一部だけ(タイトルだけ?の場合も)読んで反論してるみたいなもの。脊髄反射的なコメントなのかな。文章の最初のほうしか読んでないと思われるものもある。長い文章が苦手なんだろうか(個人的にはあんまり長い文章とは思わないんだけどね)。「お前はこういう考えなんだろう」と勝手に決め付けて(しかもまちがってる)批判してくるのも閉口するな。あと、「これは釣りじゃないか」と思えるほどの大絶賛コメントもたまにあって正直こわい。

こういうサービス、実装してもらえないだろうか。上から目線の「教員気分」を味わいたいのであればブックマークコメントの横に「10点」とか数字をつけられる(自分しか見えないように)ものがいいのだが、難しければ、「はてなスター」で自分のつけたスターをちがう色にしてもらうくらいでもいいかも。


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