「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」実験 中間報告その1
以前からお知らせしている「エコノミストに挑戦!みんなで経済予測」実験。一応、れっきとした内閣府経済社会総合研究所の国際共同研究の一部なわけで、正式な結果報告ではないのだが、すでにネット等で公開されてる事実についてだけご報告。その1ということで、ちょっと前になるが、11月に閉じた「2008年7-9月期実質GDP成長率」予測について。
そもそも何でこれをやってるのかについては、何度も書いてるが、社団法人経済企画協会の「ESPフォーキャスト調査」で行われてるコンセンサス予測を一般ネットユーザーの集合知でやってみようというもの。ESPフォーキャスト調査プロのエコノミストの方々から経済予測を集めて行うもので、もうここ数年実施されている。このうち実質GDP成長率(2008年7-9月期)、消費者物価上昇率(2008年10~12月)、実質GDP成長率(2008年10~12月)の3つを対象としている。
2008年7-9月期実質GDP成長率(対前期比、年率換算)の一次速報値は2008年11月17日に公表された。GDP統計なんていうのは、もちろん景気の動きを反映するはずのものだが、企業セクターの動向なんかも反映するから、素人衆にはなかなかイメージできないはずのもの。本来なら、プロにかなうはずがないというのが常識的な考え方だろう。ただ、今回はそれを承知の上でわざと、これと同じ項目を予測するものとしてみた。検証可能性、素人の予測の特徴を探る等々の意図がある。
予測エンジンは㈱プレディクションの「あした新聞」のエンジンをお借りしている。投票方式、彼らのいうBet市場で行っている。選択肢はESPフォーキャスト調査で実際に使われているのと同じものを使用。0.5%刻みの枠を設定し、それに投票する方式。参加者はネットと口コミによる告知のみ(内閣府経済社会総合研究所のサイトにこの国際共同研究の情報がまだ出てないのでリンクが張れない。これは痛い)。市場の開設期間は2008年11月7日~11月17日午前0時。17日朝にGDP統計が公表されるのでその直前まで。詳細は「みんなで経済予測」サイトをご参照。
で、ヒストグラムはこんな感じ。期間が短いので、すべての予測をひっくるめて表示している。それぞれの選択肢は幅をもっているが、仮にその中点をとるとして予測の加重平均値を計算すると、-0.33%になる。
一方、ESPフォーキャスト調査のほうは、10月27日に調査票を配布、11月4日に回収、結果を11月11日に公表している。コンセンサス予測、つまりエコノミストの予測の平均値は0.01%。
で、結果。一次速報値は-0.4%と出た。本日とりあえずここまで。
2008年10-12月期の消費者物価指数のほうも結果が出ているので、追ってご報告する。
2008年10-12月期の実質GDP成長率の市場はまだ開いている。引き続き参加者募集中なのでぜひ。
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