みすず学苑の広告が「進化」している件
みすず学苑の広告については以前とりあげたことがある。2年ほど前に書いたものだが、今でもそこそこアクセスがある。ところが最近、なんだかまた急に増え始めた。受験の季節だからまた広告を多く出してるんだろうぐらいに思ってら、甘かった。
「進化」していたのだ。みすず学苑の広告が。
たとえばということで、2009年2月28日付朝日新聞朝刊に出ている全面広告。「怒濤の英語力」(怒涛の、ではない。このあたりのこだわりが「熱さ」を感じさせるね)というキャッチコピーは変わらない。したがって「なぜ英語だけ怒濤なのか」というかつての疑問もまだ解けていないのだが、見ると「怒濤の伸び率」ともある。成績の伸び方を形容したものらしい。「伸び」はスタート時点の偏差値と合格大学との差で示されてるから、たぶん英語だけの話ではない。ああよかった。きっと国語も数学も「怒濤」なんだろうな。
キャッチコピーはもう1つある。
「感動的な面倒見の良さなのです。」
「面倒見」のところには点がふられている。「面倒見」に「感動的」ということばをつけた用例というのを初めて見たのだが、またなんとも妙に納得感のある表現。よほど手厚く面倒を見てくれるんだろう。しかも「良さです」ではなく「良さなのです」と。なんだか萌え要素っぽいぞ?いったい誰の口調なんだ?まさか、縄文太郎?・・ともあれ独特の言語センスは健在のようでうれしい限り。
いや本題はそこではない。広告に登場するキャラクターたち。かつては楊貴妃、クレオパトラ、老子、荘子、孔子、ナポレオンといった世界の偉人、権力者大集合みたいな感じだった。日本からもヤマトタケルと、我らが縄文太郎(日本人・・・だよね・・?偉人?権力者??)が出てたが。しかしいまや、広告を飾るキャラクターは、小林一茶、与謝蕪村、松尾芭蕉といった面々。それだけじゃない。浦島太郎に金太郎、桃太郎まで。まとめれば「俳人太郎」シリーズではないか!もちろんヤマトタケルと縄文太郎(ん?これは「太郎」仲間か?)も健在。つまり、すべて日本人になっている!!
どういう意図があるのだろうか。やはり日本人向けの英語教育だから日本人キャラということなんだろうか。でも楊貴妃は英語しゃべんないよなー、とかいったら小林一茶だってそうだし。それに、なぜいきなり「俳人」シリーズなのか。偉人やら権力者やらの流れなら、織田信長(この人なんか「怒濤」っぽくない?)やら徳川家康やらとか、それこそ英語でいくならジョン万次郎とか吉田茂とかさ、いろいろいるじゃん?
私はよくわからないが、世の中には英語俳句ってものもある。まさか「怒濤の英語力」で英語俳句でも教えようっていうのか?しかしそうなると「太郎」シリーズはなぜ?縄文太郎が1人ではさびしいから?にしちゃ別に仲良くしてるふうでもないし。だいたい浦島太郎ってさ、金太郎や桃太郎の路線とちょっとちがわなくないか?バッドエンドだし、「怒濤」って感じでもないよね?
うむ。確かに「進化」している。しているのだが、斜め上というかあさっての方向というか、なんとも独特な進化だ。ますますカオスなみすず学苑の広告。これは今後も目が離せないね。んで、受験生の皆さんはこの「怒濤の面倒見の良さ」(あれ?ちがった?)でぜひ難関大学入試を突破していただきたく。
※追記
ふと思った。「怒濤の英語力」って、英語で何ていうんだろう?
「怒濤の英語力」を身につければわかるんだろうか。
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Comments
私自身、大学受験を終えたのはそう昔の話ではないのだが、まさかみすず学苑の広告についてこういうテクストがあがるとは思っていなかった。
たしかに現役のときから気になっていたみすず学苑の「何か」。広告を見るたびに首をかしげたくなる「何か」。文章をうんうんと頷きながら見てしまったことは言うまでもない。
Posted by: アンダンゴ | March 02, 2009 02:31 AM
アンダンゴさん、コメントありがとうございます。
みすず学苑に通われた・・・わけではないのですね。上の文章は私が勝手に推測しているだけなので、そこのところよろしくお願いします。今後の展開にも期待、ですね。
Posted by: 山口 浩 | March 02, 2009 11:19 AM
http://www.excite.co.jp/world/english/
翻訳を繰り返してみました。
「怒濤の英語力」って、英語で何ていうんだろう?
↓
What "English language skill of angry waves" will be said in English!
↓
どんな「怒涛の英語力」かが英語で言われるでしょう!
↓
Is what "English language skill of angry waves" it is said in English?
↓
それが言われているどんな「怒涛の英語力」が英語ですか?
↓
What "English language skill of angry waves" in which it is said is English?
↓
英語がそうであると言われている何という「怒涛の英語力」でしょう。
↓
What "English language skill of angry waves" is it said that English is so?
↓
どんな「怒涛の英語力」が英語がそうであることを示したということですか?
↓
Was it shown that English was so what "English language skill of angry waves"?
↓
それは英語があったのが示されました。どんな「英語は怒涛に熟練しますか?」
↓
As for it, it was shown that there was English. [Donna]"Is English skilled in angry waves?"
↓
それに関して、英語があったのが示されました。 ドナ、「イギリス人は怒涛に熟練していますか?」
↓
It was shown that there was English for it. [Dona]"Has been the British skilled in angry waves?"
↓
それに対する英語があったのが示されました。 不良少女、「怒涛に熟練したイギリス人はそうです」
↓
It was shown that there was English to it. Bovver bird"A skilled British in angry waves is so. "
↓
それへの英語があったのが示されました。 「A熟練したイギリスのコネ波がそうであるのに怒った」不良少女。
この辺でやめておきます。。。。
Posted by: 井伊田竹篦 | March 03, 2009 01:58 PM
井伊田竹篦さん、コメントありがとうございます。
これ面白いですねぇ。元には戻らないんですね。いつの間にか不良少女が出てくるところなんか最高。なんか伝言ゲームみたいです。いろいろ試してみて、いつかどこかでネタにさせていただきます。
Posted by: 山口 浩 | March 03, 2009 04:59 PM
題材はいいのに、文章が冗長な上結論がなく、バカっぽさが出ている
Posted by: 通りすがり | March 26, 2009 08:23 AM
通りすがりさん、コメントありがとうございます。
>題材はいいのに、文章が冗長な上結論がなく、バカっぽさが出ている
おお。意図通り受け取っていただいてありがたいですな。ちなみにお聞きしたいんですが、このバカっぽい題材でどんな立派な結論を引き出せばいいんですかね?
Posted by: 山口 浩 | March 27, 2009 10:15 AM
浦島太郎は最後の玉手箱で「怒涛の老朽化」を演じてるから採用されました
Posted by: あぁんッ | March 13, 2010 02:05 PM
あぁんッさん、コメントありがとうございます。
怒涛の老朽化ですか。老化ではなく。個人的には、浦島太郎は、その後の宇宙人編に登場いただきたかったです。ウラシマ効果的な意味で。
http://www.h-yamaguchi.net/2010/02/post-93e7.html
Posted by: 山口 浩 | March 15, 2010 06:40 PM