1個売るために5個試食させる話
デパートの地下によくある食品売り場などで、商品の試食をさせることがある。ふだんは通りすぎるんだが、何かの拍子に立ち止まってしまうと、立て続けにあれもこれも、ということはないだろうか。立ち止まった時点でマインドセットが変わっちゃうからなんだろうが、やってるうちにだんだん試食目当てだろうお前的な目で見られるようになってくるのは困りもの。
などという試食コーナーネタとはまったく別の、「試食」に関するお話を、「メディア・サボール」に書いてみた。試食をさせるというのはもちろんビジネスの一環としてやっているわけだが、ビジネスのやり方にもいろいろあるのではないかな、ということでもある。
具体策はいろいろあると思う。本文では、「動画投稿サイトが権利者との間で著作権料支払いの契約を交わす例」についてふれているが、他にも実際に行われているものはある。たとえばナップスターみたいな定額料金制はその代表例だし、一部の作品を入れ替えながら常時無料公開して「無料コンテンツ」への需要をそこにひきつけるのも、他コンテンツへの侵害を減らす効果が期待できるかもしれない。価格設定を調整する方法もあるだろうし、特に悪質な事業者やユーザーに対して法的対抗策をとっていくのも1つの対処だ。他にもいろいろあるだろう。どれか1つで全部解決という類の話ではもとよりないし、これなら絶対うまくいくと実証されたものもない。結局、目的は「権利を守ること」そのものではなく、「権利者を守ること」なわけであって、そのための方法はいろいろあるということかと思う。何せこの「りんご」は食べても減らないわけで。
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