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March 25, 2009

「良識派」の皆さん、出番ではないのか

ごく手短に。別にこれが問題だと思うわけじゃないんだが、「そのスジ」の方々がこういうときだけ黙殺するのはバランスとしてどうかと思うので、あえてとりあげておく。

犬のあだ討ち「子連れ狼に着想」、小泉容疑者が供述」(2009年3月23日 読売新聞)

動機については、処分された飼い犬の「あだ討ち」と終始一貫し、妻を殺害した男らに復讐(ふくしゅう)する時代劇ドラマ「子連れ狼(おおかみ)」に影響を受けたとも説明しているという。

うむ。報道を信じれば、本人が語っているわけで、自称専門家の皆さんが勝手に推測してる「他のケース」と比べて信憑性が低いということはなかろう。1件例があるということは他にも例があると考えるのが適切。考えてみれば、時代劇では、殺人、傷害、収賄に名誉毀損、その他あらゆる種類の犯罪が描かれ(大量殺人の描写だって頻繁にあるぞ)、違法な自力救済や私的制裁だってむしろ賞賛されている。そのうえ「子連れ狼」は親による児童虐待でもあったりするよなぁ。若年層の犯罪を問題視する人なら、中高年層の犯罪にも当然目を向けているだろう。これらのテレビ番組が社会に与えた影響はいかばかりか、さぞかし気になるにちがいない。

そういう観点では、2008年5月14日参議院請願受理番号2525号を出した方などは、さぞかし危機感をお持ちのことであろう。この党に限らず、こうした主張をお持ちの方は各所にたくさんおられようから、せいぜい騒ぎ立てるがよろしかろう。


このネタは以前にも何度か取り上げたことがある、私にとっても「なにをいまさら」ネタなので、このへんにして、前に書いたものをいくつか挙げとく。
暴論:「正義の味方」こそ規制すべきなのではないか
凶悪犯罪の高年齢化が止まらない、となぜ書かない
私たちは「子どもに触れさせたくない表現」に触れながら育った


ちなみに私は小泉容疑者と同年代なわけで、子供だったころに「子連れ狼」もしっかり見てるんだがね。私が見たのは萬屋錦之介主演のテレビ版だが、そちらには画像がなかったので、こちらを。


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