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「対面」かどうかじゃないだろうに

薬事法の省令改正で医薬品の通信販売が禁止されるとかで、あちこちで大騒ぎになってる。楽天のユーザである私のところにも署名運動のメールが来たので賛同しておいたのだが、コメントをくれという依頼が来た。よくわからないが、写真もくれといわれたので、これに載せたいのかもしれない(※2009/3/3追記。掲載されてる)。私は天地神明に誓って自分が「各界を代表する方々」に属するとは考えていないが、思うところはあるので、せっかくいただいた機会ならば活かそうと思う。

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薬局で医薬品を買うことは、ほとんどの場合、コンビニで雑誌を買うことと特段異なる類の行動ではない。お店の人と特に会話することもないし、そもそも相手が薬剤師であるかどうかもわからない。そうやって買ってきた風邪薬は、ネット通販で買う風邪薬と、安全性において違いはない。
今回の薬事法の省令改正は、国民が医薬品を安全に使える環境を確保するという目的に対して、単なる業態規制で臨むという安直かつ恣意的な対応といえる。風邪薬をネットで買うのが危険なのであれば、薬局で薬剤師資格のない者から買ったり、薬剤師から説明を受けずに買ったりするのも同様に危険だ。
つまり問題は、対面販売かどうかではない。医薬品を安全に使うためにどのような販売方法をしたらいいかという問題であり、これを業態間の利害調整に用いることは本末転倒といわざるを得ない。

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少しだけ補足。メディアとかであまりこういう論調を見ないので私の勘違いかもしれないが。今回の通販禁止というのは、医薬品で被害を受けた方のご意向を受けという側面もさることながら、どっちかっていうと、同じ改正で一般医薬品をコンビニで販売できるようになるっていう規制緩和の代償措置ってことじゃないのか?既存薬局にとってはコンビニ販売はムチ、ネット通販禁止はアメってことで、肉を切らせて骨を断つパターンだよね?ちがう?その意味でこれって「業態間の利害調整問題」にされてると思うんだけど。だから「本末転倒」と書いたわけで。

こういう薬がネット販売禁止となるのだそうで。使ったのことのない薬も多いのだが、困る人には困るはず。


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手短に申しあげるとわたくしはどちらの味方をしようとゆうわけではない。不可解なのである。 まず、本当に安全が確保できているおつもりなのでしょうかとゆう点で厚生労働省さんは信用が薄い。ほんとに守ってくれるの国民をとの不信感が募る。 市販薬:ネット販売規制、楽天..... [Read More]

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Comments

 万が一 副作用が出た時のことを考慮しての対面販売なのです。
 年間何百万人が買っている OTC 薬で何件副作用が出るか判りませんが、どんなにその数字が低いにしても、薬で健康被害が出た御本人には確率なんか関係ないですよね。
 処方箋のいらない OTC 薬は 習慣的・伝統的に使用されてきたり長く処方箋薬として使用されて、どれぐらいの投与量なら安全なのかなどがある程度判っていますが、体調や他の薬の飲み合わせ、食べ物との食べ合わせでどんな副作用が出るか判らない。もちろんそんなこと薬剤師にも完全に判るわけではないけれど、対面販売で防ぐことが出来るなら防ぎたい、のではないかと思います。最近の薬剤師教育では、ちょっとした患者さんの様子から症状の裏に隠れた思わぬ病気を推し量ったり、ちょっとした世間話の中から薬をちゃんと飲まない、などの問題を見破ったりというコミュニケーション能力の養成の講義もあるようですよ。
 そこまで予防策をとった上での副作用なら、専門家にも予想できない事故として救済策もとられるのでしょうけれど、対面販売がない場合、副作用が出たら自己責任、になるのではないでしょうか?そこから先は 山口先生の方が御専門、でしょうか。eyeglass

Posted by: Yamaping | March 02, 2009 at 12:05 AM

Yamapingさん、コメントありがとうございます。
私は薬局で、「薬剤師」の方から薬について説明を受けたという記憶がありません。医師からの処方箋に基づいて買う場合以外は。不動産業者なら重要事項説明を行う資格者は最初に名乗りますが、薬局で薬剤師がそう名乗ることはまずありません。つまり私に応対しているのは、資格があろうがなかろうが私にとっては「薬販売店の店員」です。それが一般的な状況であろうかと思います。
薬剤師が客に応対し、顔色やら何やらを慎重に判断したうえで販売するのを「対面販売」であるとするならば、店頭での販売は事実上、「対面販売」ではなくただの「店頭販売」です。つまり、「そこまで予防策をとった上」ではないのですよ現状は。
ならば業態で規制を分ける意味はありません。危険性があるがゆえにネット販売を禁止すべき薬があるなら、薬局でも処方箋なしに販売するのを禁止するとか、薬剤師資格を持つ者が充分に説明した上でないと販売させないとかいった対処が必要かと思います。逆にもし店頭での「対面販売」を認めるなら、ネットでどうすれば「対面販売」が実現できるかを検討するのがスジでしょう。電話で症状などを聞いてそれに合わせて販売する通信販売も禁止されるとかで困っているそうですが、これも「対面販売」の一種ではありませんか。つまり、どこで売るかではなく、どうやって売るかを検討すべきなのです。

Posted by: 山口 浩 | March 02, 2009 at 01:55 AM

 コメントへのお返事、ありがとうございます。お返事をいただいて考えたのですが、今回の「通信販売の禁止」は、御指摘の「薬剤師から薬について説明を受けたという記憶がない」という国民共通の経験に対する対策の一環なのかもしれませんね。

 「通信販売の禁止」は6月15日付の薬事法改正で実施されるようですね。この改正ではこの他に OTC 医薬品の3段階のクラス分けおよび医薬品販売員が登場します。
>薬局でも処方箋なしに販売するのを禁止するとか、薬剤師資格を持つ者が充分に説明した上でないと販売させないとかいった対処が必要かと思います。
 6月からは 3段階に分けた OTC 薬の一番効果の鋭いクラスは薬局でも薬剤師の介在なしに売ることが出来なくなります。登録販売者制度も出来て、 コンビニで薬を売るにしても6月以降はこの人達が必要になります(自己紹介は判りませんが、名札の着用は義務付けられます)が、これも(薬剤師不足で?)対面販売が建前通りにおこなわれていない現状に対する厚労省の対策ではないかと思います。また薬学部の定員も4年前の 1.5 倍ほどに増えており、厚労省の説明は 一定の質を満たしていれば国家試験の合格者(薬剤師)も増えるように聞こえます。
 厚労省は何がしたいのか はっきり言ってくれませんし、私にはそれを読み解く力がありません。でもまずは対面販売を徹底させたいのだと思います。wheelchair

 今の 20〜30 歳代の薬剤師さん達は厳しく鍛えられていますし、今後薬剤師を取る学生さんは より厳しいカリキュラムで鍛えられてきますので、将来は対面販売がより徹底されるのではないかと思います。対面販売が必要な理由は、前のコメントで申し上げたとおり、で 大きく間違ってはいないと思います。

 ネットでの対面販売をどうするのかについては、ビデオチャットの活用など考えられますが、具体的にどうするのか、これから出てくると思います。私はネットで薬を買ったことはありませんが、少なくとも署名運動を展開している会社で、解決策としてビデオチャット等のデモをおこなっているところは無いように思っています。

 以前から胸中でモヤモヤしていたことでしたので、考える良い機会になりました。ありがとうございます。

Posted by: Yamaping | March 06, 2009 at 08:49 AM

Yamapingさん
今回の一連の改正は、多くの人々がネットで医薬品を買っているという現状をまったくふまえずに行われました。ネットでは対面販売がなされていない現状をどうすべきかといった議論もなく、ビデオチャットなら問題は解決するのかといった検討もなく、ただ「禁止」だけが省令レベルで打ち出されています。法案の段階でこの問題が俎上に上がっていれば、今起きているような議論は当然その時点で出たはずです。わざと隠したかどうかはわかりませんが、スムーズな移行のための努力が行われた形跡はなく、そういわれてもしかたのない状況だと思います。
薬剤師の数が増える件についても、裏からみれば雇用確保に走ったなとみえるでしょうし、登録販売者制度も、大半のコンビニを事実上締め出すための嫌がらせの要素が強いと映ります。医薬品の3分類の「さじ加減」も、あれをうまくやっていれば今回の問題の多くは解決できたはずですが、そうなってもいません。表面に反対しにくいお題目を掲げてその水面下で利害調整をやるのは行政の方々の得意技ですから、今回もそうした「意思」めいたものを感じなくもありません。
国民にとって、医薬品が安全安心に買えることと医薬品が便利に買えることはどちらも重要な価値であるということから目をそらし、それをまじめに考えるならやり方は他にいくらでもあったはずなのにそれも無視したということは、やはり国民のほうを向いた政策ではないなという印象を禁じえません。

Posted by: 山口 浩 | March 07, 2009 at 04:10 AM

 御意見をありがとうございます。一点だけ。「薬剤師数の増加を雇用確保に結びつける意図」とありますが、処方箋処理数で薬剤師数の下限が決められている病院での雇用は既に頭打ち(医療費削減策で処方箋数が減ったら さらに減ってしまう...)、数年前に発覚した大手チェーンで 薬剤師を配置する所に配置していなかったところが雇用したのもそろそろ行き渡る頃で、それほど雇用の確保は見込めないのではないかと思います。過去数十年にわたって年間約 9000 人の新卒でバランスを保っていた業界が現在 13500 人ほどに増加しています。今日から始まる国家試験のあとは6年制移行で2年間新卒が出ませんので問題はないでしょうが、その後どうなるのだろう、とは思います。

 もっとも業界としては、これまで一番下の成績の学生を採っていたところが上から 2/3 の成績の学生を採用できるなら、レベルアップを図ることが出来るのかもしれませんが。

 私には官僚の意図の裏読みが出来ませんが、新卒が出なくなるタイミングに販売員制度を新設したのは偶然ではないのかもしれない、と思うようになりました。今回の「対面販売の強調」は、このタイミングに合わせるために取るものもとりあえず、という感じなのかもしれないですね。だとしたら、確かに国民の方を向いているとは言いがたいかも...。

 いずれにしても官僚の意図はこれからわかってくるでしょうし、ビデオチャットがもう少し普及すれば 山口先生がネット越しに薬剤師から「対面」販売で薬を買う日も来るかもしれません。これからを興味深く見守って行こうと思います。素人の議論へのおつきあい、ありがとうございました。hospital

Posted by: Yamaping | March 08, 2009 at 07:27 AM

Yamapingさん
薬剤師の説明を義務付けることで、より多くの雇用の場を確保する意図はあるように思います。別に薬を野放図に売っていいとは思いませんが、あまりに一方的なやり方はいかがなものか、と思っていることは変わりません。「安心安全」と「利便性」はどちらも大切な価値ですが、まったく相反するというわけではないはずです。

Posted by: 山口 浩 | March 09, 2009 at 09:10 PM

ひさしぶりに閲覧しました。「対面かどうかじゃないだろうに」の一言に、賛同したからです。

私は昨日、WOMJの勉強会に参加しましたが、「対面だからこそ、発信できない自分」を発見しました。

先生は、WOMJの委員をお引き受けになった。とのことですが、「対面かどうかじゃないだろう」という方針で、協議会の運営に参画されることを期待しています。

「対面信仰」というものがはびこっている。さらにいえば、固有のステークホルダーを持つものが、自分の意見を相対化できない。そのような状況(Debate)では当事者間に合意も結論も出ない。ならば、傍観者の重要性が高まる。

そんなことを考えています。ありがとうございました。

Posted by: スポンタ中村 | March 20, 2009 at 07:51 AM

スポンタ中村さん、コメントありがとうございます。
対面コミュニケーションと非対面コミュニケーションにはそれぞれいいところとわるいところがあります。医薬品の通販については、ポイントが安全性と利便性にあると思ったので、そのように書きました。通販にはリスクもありますが一方で便利なところもあり、また、リスクを減らす方法もあります。また、対面販売でもリスクがなくなるわけではありませんし、実際のところ現状ではリスクはほとんど変わらないでしょう。そういう検討なしに一方をダメと決め付けるのはスジが通らない、という主張です。ご注意いただきたいのですが、対面販売とネット販売がまったく同じだといっているのではありません。普通の消費者はこの両者を目的に応じて使い分けようとするでしょう。
この記事のテーマからは離れますが、ご主張のWOMJでの議論についても、同じことがいえます。対面コミュニケーションにはそれなりのよさがあり、なんらかの理由でそれに参加できない人は、意見が充分に反映できないこともあるでしょう。しかし、多くの人は、対面と非対面を使い分けています。非対面のコミュニケーションしかできない人であっても、充分に説得力、影響力のある意見を出せれば、人はその意見を取り入れることをメリットと感じるでしょうから、議論に参加することはできるのではないかと思います。WOMJでもメーリングリストで活発な意見交換がなされているようですから、まったく機会がないわけでもないでしょう。その意味で問題は医薬品通販の問題と似ていて、重要なのは対面であるかどうかではなく、その意見に耳を傾けることに意義があると他の皆さんが感じてくれるかどうかではないでしょうか。今WOMJを支えている人たちはそれなりの影響力をもった人たちだと思いますが、そういう立場になるということも、自分の意見を聞いてもらいたいと思うなら、ばかにしてはいけないと思います。人はさまざまな情報をもとに判断を下すものですから。
それに、何も議論の場はWOMJだけではありません。WOMJの現状にご不満なら、ご自分で議論の場を作っていくこともできるはずです。人はそれぞれ考え方がちがうものです。自分の考えを貫きたいなら、似た考えの人と集まるか、他人を説得するかしかありません。いずれにせよ、他人に頼っていても埒が明かないのではないですか?

Posted by: 山口 浩 | March 21, 2009 at 12:47 PM

>それに、何も議論の場はWOMJだけではありません。
>WOMJの現状にご不満なら、ご自分で議論の場を作っていくこともできるはずです。
>人はそれぞれ考え方がちがうものです。自分の考えを貫きたいなら、似た考えの人と集まるか、他人を説得するかしかありません。
>いずれにせよ、他人に頼っていても埒が明かないのではないですか?

そうですね。ライブドアPJ、オーマイニュースでも、「あなたが自分でメディアをつくればいい」と、言われましたっけ。何故、そのような反論をされる理由も心得ております。先生は評価しないかもしれませんが、私なりのやり方を実行しております。

やはり、場違いなコメントをしてしまったようです。私はWOMJに不満などありません。興味があったのです。だから、形式批評しかしません。

有名なIT関係の方々があのような運営方法を選択している。その選択が意図的なものなのか、それともリソース不足によって仕方なく行なわれているのか、それを確認しに勉強会に参加しただけです。その印象は、「意図的に行なわれている」。そして、「メーリングリスト」や「リアル勉強会の質疑」などで、参加者の多くは、そういう意図に気づいてる。そんなことを思いました。

お邪魔しました。


Posted by: スポンタ中村 | March 21, 2009 at 03:54 PM

スポンタ中村さん
ご自分で活動しておられるのですね。であれば何もいうことはありません。ご健闘をお祈りいたします。
人にもグループにも、それぞれの考え方、それぞれの目的、それぞれのやり方があります。合意をめざしてすり合わせることもあれば、意見を戦わせることもあるでしょう。私は、彼らの意見に全面的に賛成とは限りませんが、彼らのアプローチに意義があるものと考えましたので、議論に参加させていただくこととしました。
いろいろなところでいろいろな動きがあって、全体として世の中が少しでもいい方向に動いていくといいですね。

Posted by: 山口 浩 | March 22, 2009 at 11:13 AM

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