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「Poken」を見ると「ラブゲッティ」(だったっけ?)を思い出す件

小ネタ。きっと他にも同じこと言ってる人がいると思うんだけど。最近一部ではやってるらしい「Poken」。「ヨーロッパで話題のデジタル名刺ガジェット」「ソーシャル名刺」というふれこみでユーザー数を伸ばしてるとか。ふむ。確かに名刺っていう道具はある意味前世紀の遺物的というか、このご時勢に紙ベースかよ的というか、まあそういったところはある。写真入れたりQRコード入れたりといった工夫もあるけど、まあその程度。自己表現手段だとかいう人もいるんだろうが、基本的には情報交換のツールなわけで、本来効率やら有用性やらがものをいう領域。手紙が電子メールに代わるのと同じ理由で、名刺が「Poken」に代わるのもむべなるかなと思ったあたりで急に頭がもやもやとし始めた。あれなんだっけこういうのあったよなぁ、と。しばーらく考えてああ、と思い出した。

「Poken」ってさ、ええと「ラブゲッティ」っていったっけ、あれとなんか少し似てるんじゃないか?

「ラブゲッチュ」。ぐぐってもなんだかうまくヒットしないので自信がないのだが(※「※横田さんのご指摘により訂正。「ラブゲッチュ」じゃなくて「ラブゲッティ」だった!訂正しておく)、そんなに昔のことだったろうか。持っていたわけではないのでテレビか何かで見たぐらいのうろ覚えだが、確かたまごっちくらいの大きさで、異性との出会いを求める人がそれぞれ持つ。で、持ってる人が近くにくるとなんらかの方法で持ち主に知らせてくれるという道具だったと思う。つまり、出会いを求める人同士が互いを街中で自然に確認できる道具というわけだ。ちがったっけ?

もしそうだったとすると、もちろん「Poken」とはけっこうちがう。こっちは相手の存在を知らせるのはなく個人データへのアクセスを教えるものだし、近くにいるだけではだめで接触させないとデータ交換は行われない(その点で、DSなんかの「すれちがい通信」ともちがう)から、相手が「Poken」を持っていることを知らないと交換は始まらない。それにそもそも、データ交換を行う相手は異性とは限らない。

じゃあ、「Poken」のどこに「ラブゲッティ」的な要素を感じたのか?まあ遊びっぽい小さなガジェットを持つということ自体が似てるというのもあるんだが、つらつら考えると、たぶん、むしろ「出会いの目的化」ではなかろうかと思う。「Poken」のサイトを見てると、「Pokenパーティ」なるものが開かれていて、「Poken」利用者たちが集まって「いえーい」とか言いながらデータ交換をすることを目的としたものであるらしいのだが、これがなんというか、「ラブゲッティ」をもって盛り場へ出かける行為とかぶって見えてしまったのだな。だって、友達同士なら、すでに個人データは知られてるわけで、「Poken」を使う必要性はないわけだよね?ということは、あれは知らない同士が集まってデータ交換をするパーティなんだろう。つまり、社会の中で活動をしているうちに必要に迫られて名刺を交換するのではなくて、データを交換すること自体、言い換えれば出会うこと自体が目的になってるというわけで、なんかそれってやっぱり「ラブゲッティ」的ではなかろうか?

それともう1つ、こういう道具は、普及が進むと、必ずや「出会い」の道具として使われるであろうという予感。ポケベルがそうだったように、SNSがそうだったように、最初はビジネスピープルが便利さに飛びついたものでも、やがて別の動機をもった人たちが別の目的に使い始めることはよくある。仮に「Poken」がそうならなかったとしても、もし広く流行したら、当然追随者が出てくるだろう。それらは独自色を出すために、別の機能を付け加えたりしていくにちがいない。接触させなくてもデータ交換ができるしくみとか、個々のユーザーに「ぴったり」(いろんな意味で)の「相手」をサジェストしてくれるしくみとか、ユーザー間のコミュニティ機能とか、個人情報の開示範囲や内容を相手の属性によって変える機能とか。「出会い」に使えそうな機能が整備され、「出会い」に使おうという人が出てくるのがむしろ「自然」な流れなのではないかと思う。

だから問題だ、と鼻息荒くしたいわけじゃない。なんというかな、言葉を選ばなきゃいけなさそうだけど、そういうのって、ある意味しかたない部分があるんじゃないか、と思うわけだ。つきつめればそれは人間の自然な欲求だから。でも、それで何か「事件」が起きたりするんじゃないかな、という予感めいたものはある。あきらかに、これは「出会い」のツールになりうる。目端の利く「その業界」の方々が見逃すはずがない。そっち系の雑誌とかに広告が載る日も近かろう。「話題のアノ情報ツールで新たな出会いが!」みたいな。手ごろな値段だし、いずれ遠からず、「善良無垢な」少年少女が「悪い大人」の「毒牙」にかかる事例が出てくると思う。

「そうなるともう後の流れは想像に難くない。最近特に多い、お決まりの「アレ」だ。「数の暴力」というのがあるが、最近のは「正論の暴力」とでもいうのだろうか。「報道ステーション」で「ほんっとに」を連発するあの鼻息の荒い人とか、「この分野」で知らぬ者のないあの教育学博士サマとか、いや別にその方々と特定してるわけじゃないんだが、そういう方々に代表される「良識」ある皆さんがどぉーっと押し寄せて、つぶしにかかるかもしれない。販売時に年齢確認とかならまだいいほうで。「Poken」のサイトには「Meetup」の情報がカレンダー形式で表示されているが、これ自体新形態の「出会い系サイト」だといわれれば、「そうかな」と思う人だって出てくるかも。

つまりだな、技術を生かそうとする試みが、いろいろあるうちに「自然な欲求」にしたがって動いていって、それに対して「清廉潔白」な方々が目くじらを立てる図式が見えてくる、というのが、まさに「ラブゲッティ」的なのではないか、ということなんだろう。いや実際にそうなるかどうかは知らないよ?知らないけどさ、少なくとも、このガジェットがこのままの状態で、中高年層を含む一般ビジネスマンに広く普及する状況というのはちょっと考えにくいじゃないの。となると、ユーザー層の偏りが使用方法にも影響を及ぼすと考えるのはさほど不自然ではないはず。

では、もし「Poken」的なものが社会に広く受け入れられるとしたらどんなものだろう?まずはデザインだよな。今のあれはちょっと、ビジネスで使える代物じゃない。それこそコクヨとかプラスとかそういうところが考えそうだけど、たぶん、名刺とか名刺ケースとかみたいなかたちをしてるんじゃないかな、と。それで、名刺に書かれている情報だけ(基本的には、ね)を接触によって交換して、その場でそれを表示すると。名刺交換する以上、その場で相手が何者であるかを確認できないと困るからね。で、それをデータとして取り込むと。紙を交換しないから名刺切れもないし、保管場所にも困らないし、環境にも配慮と。

あれ?なんか、そういうのってiPhoneアプリでありそうじゃない?持ってないんで知らないけど、ちょっと調べたらGPSを使う「Bump」とかWiFiを使う「iBeam」とか。iPhone以外のスマートフォン向けにもあるみたいだし、日本の携帯電話向けのものもあるのかもしれない。インフラ的になるためには互換性がカギだな。でも通信方法とデータ形式を工夫すれば、さほど難しくなかろう。やはり「専用機」のほうが簡便かもしれない。

ひょっとするとこの分野、これからブレークしたりするのかな?名刺業界に激震!なの?そうなの?



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Tracked on May 03, 2009 at 12:22 PM

Comments

私もポーケン出た時にまったく同じことを考えていました。「ラブゲッテイ」も同じようなツールをiPhoneとかで出れば面白いのですけどね…

Posted by: 横田真俊 | May 03, 2009 at 01:22 PM

横田真俊さん、コメントありがとうございます。
そうでした「ラブゲッティ」でした!本文訂正しました。
いやいや「ラブゲッティ」をiPhoneアプリで出そうなんてそんなだいそれたことを考えちゃいけません。こわーい人たちがたくさん押し寄せてきますよ。でも、その気なら、DSは任天堂的に難しいでしょうけど、PSPならできるんじゃないですかね。あくまでビジネスユースだと言い張って。

Posted by: 山口 浩 | May 03, 2009 at 04:14 PM

うほ、ゲッチュじゃなくなってますね(汗

Posted by: okdt | May 04, 2009 at 10:24 AM

okdtさん
すいません。うろ覚えだったもので。本文は一部を除き直してあります。

Posted by: 山口 浩 | May 05, 2009 at 10:04 PM

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