第18回産業用バーチャルリアリティ展からいくつか
2009年6月26日、東京ビッグサイトで開催中の第18回産業用バーチャルリアリティ展にて見たいくつか。時間的制約の中、個人的興味に基づいてピックアップしたもので、他意はない。
けっこう混雑してる。なんつうか、割に盛り上がってる感じ。第21回設計・製造ソリューション展と第14回機械要素技術展が同じ会場で同時開催だからそちらへの来場客も多いのだが、VR関係の派手なデモにはやはり人だかりができる。会場では、ゲーム業界の方をけっこうお見かけした。
入場口脇でひときわめだっていたのが、この極東貿易 / 電通国際情報サービスのブース。キヤノンのMR技術を使ったライブパフォーマンスのデモ。以下、動画がいくつかあるが、どれも手ブレがひどいのであらかじめお詫びしておく。撮影および公開については関係者の承諾を受けているので念のため。
楽器の先端につけられたマーカ、および見る人のHMDにつけられたマーカの位置を、ブース内に10ヶ所ほど設置されたカメラによりトラッキングし、それに応じて演奏者の周りに蝶や花などの装飾を飛ばす。HMDにもカメラとジャイロセンサがついているほか、移動範囲内に位置合わせ計算用マーカが配置されていて、それらの情報を合わせて位置補正を行う。PC画面はHMDから見える映像と同じ もの。したがって、見る人がHMDを動かすとこの画面も動く。
マーカを追うのはこのカメラ。各所に位置合わせ計算用マーカが配置されてる。カメラはなんだかえらく高いものらしい。
見る人が使うHMD。かぶるというより、手に持って顔にあてる感じ。上に4本突き出ているのがマーカ。本来もっと小型化できるのだが、あくまでデモ用とのこと。
次。ゼロシーセブン㈱ブースでの、Organic Motion社製Stage(TM)マーカーレスモーションキャプチャシステムのデモ。
マーカーを使わず、リアルタイムにモーションキャプチャを行う。最初に手を広 げて立つと人体を認識し、その動きをキャプチャする。 左上に見えるのが加工された映像。3人のキャラクタがいずれもこの人の動きを再現している。ふつうの服装でそのままできるのがウリ。
次。㈱リアルビズのブースにて。Mersive社開発の、複数台プロジェクタを使った高解像度表示装置「Sol Server」のデモ。複数のプロジェクタによる映像をカメラでキャリブレーションし、シームレスにつないで表示する。キャリブレーションにある程度の時間を要するため、それまでのつなぎの話がやや長め。実際の映像表示は7分20秒前後 から。
3台のプロジェクタと、キャリブレーション用のカメラ。
次。同じくリアルビズの群衆シミュレーション用AIミドルウェア「AI-implant」のデモ。群衆は1人1人がエージェントで、設定されたルールにしたがって自律的に行動する。単体ではなく他のシステムと組み合わせて使う。建物などの3次元モデルは「Creator」、キャラクターの作成には「DI-Guy」というツールが使われ、「VegaPrime」で視点移動や動き、環境の設定を行っている。
次。㈱ソリッドレイ研究所ブースにて、手術者目線録画システム「オペアイ」。手術者の視野画像を録画、リアルタイム遠隔伝送する。優れた術者の技能を記録し教育に使うという目的のほか、術者が見るHMDに画像やテキストなどをリアルタイム合成してアドバイスなども可能とのことで、AR的な使い方が可能らしい。
全体として、MR関係はやはり用途の点であと一歩感。技術系の方々だけではなく、コンテンツ系、ビジネス系の方々のお力が必要な時期にきているとみた。
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