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August 27, 2009

そういえば最高裁裁判官の国民審査もあるんだね

2009年7月30日は、衆議院総選挙の日でもあるが、同時に最高裁裁判官の国民審査も行われる。今回対象になるのは全15名中9名。「一人一票実現国民会議」っていう団体があって、今朝も朝日新聞に意見広告を出していたと思う。いろいろ論点はあるんだろうが、いわゆる「一票の格差」ってやつに焦点をあててる人たち。日本民主法律家協会っていう団体もあって、こちらの情報源が便利、と津田さんがtwitterでつぶやいていたのでこちらもリンクをおいとく。前者のサイトより詳しく載ってる。

知ってる人も多いと思うが、この一票の格差ってやつはこれまでたびたび裁判で争われていて、直近だと2007年6月13日に最高裁大法廷判決が出ている。2005年9月の衆院選(いわゆるあの「郵政選挙」だ)で小選挙区間の「一票の格差」が2倍を超えたことについて、これが法の下の平等を定めた憲法に反するとして選挙無効を求めた訴訟の上告審判決。原告側の上告は棄却された。本来こういうのは立法で解決すべきものだというのが正論ではあるが、利害関係者自身に行わせる現行制度がまともに機能していないことを考えれば、司法機関の役割だってあるわけで、この判決に対しては学問的にも世論的にも根強い批判がある。「一人一票実現国民会議」のサイトには、1票の価値がわかるページがある。一応やってみたら、私の場合は衆議院選挙で0.47票、参議院議員選挙で0.23票だそうだ。

今回国民審査の対象となっている裁判官9名は以下の通り。見ればわかるが、この中で、上記の2007年最高裁判決の際に「一票の不平等を定める公職選挙法は憲法に違反しない」との意見を示した、つまり合憲派なのは、那須弘平裁判官と涌井紀夫裁判官だそうな。那須弘平裁判官と涌井紀夫裁判官。

で、田原睦夫裁判官は、「憲法の趣旨に沿うものとは言い難い」との意見を示したからまあ違憲派なわけだ。残りの近藤崇晴裁判官、宮川光治裁判官、櫻井龍子裁判官、竹内行夫裁判官、竹崎博允裁判官、金築誠志裁判官は上記判決後の就任なのでどういう意見なのかはよくわからない、とある。繰り返す。近藤崇晴裁判官、宮川光治裁判官、櫻井龍子裁判官、竹内行夫裁判官、竹崎博允裁判官、金築誠志裁判官のこの問題に関する意見は不明。

氏名    出身分野 一票の格差についての判断
那須弘平 弁護士 合憲派
涌井紀夫 裁判官 合憲派
田原睦夫 弁護士 違憲派
近藤崇晴 裁判官 不明
宮川光治 弁護士 不明
櫻井龍子 旧労働省 不明
竹内行夫 外務事務次官 不明
竹崎博允 裁判官 不明(この人が長官)
金築誠志 裁判官 不明

ちなみにだが、今回国民審査の対象になってない(さらにちなみにだが、最高裁裁判官は国民審査を10年に1回受ける)6名、つまり藤田宙靖、甲斐中辰夫、今井功、中川了滋、堀籠幸男、古田佑紀各裁判官はいずれも合憲派。最高裁長官は、内閣の指名に基づいて天皇が任命する。他の最高裁裁判官は内閣が任命し、その任免は、天皇が認証する。人選のプロセスは気になるところだろう。

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Tracked on August 28, 2009 09:31 AM

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