東京ゲームショウ2009に行ってきた
9月24~27日は東京ゲームショウ2009。今日が最終日ということで、会場は盛り上がっていることだろう。今回はゼミ生たちを連れていったのでふだんとはちょっと勝手がちがっていたのだが、とりあえず行ってきたので、学生のレポートとかぶらないようなあたりで感想など。
学生によるレポートはこちら。
「東京ゲームショウ2009会場でニコニコ生放送をしてきました!」
「東京ゲームショウ2009リポート:レベルファイブブース編」
全体として、前回より少し縮小した印象。出展企業も少し減っているそうだが、それよりも「目玉」感がいまひとつな感じがどうも気になった。やはり業界全体として「もう少しがんばりましょう」的な状況が反映しているのかもしれない。
いわゆる新作ゲームの類はおいとくとすると(ドラクエのすれ違い通信大会とかは見ていてそれなりに面白かったが)、まあ一般的には携帯電話ゲームやiPhoneあたりに注目すべきなんだろう。といっても、iPhoneアプリが大量展示、というわけでもない。携帯電話ゲームはたくさん紹介されていたがいまいち展示が地味。というか画面小さいし。
「セカイカメラ」の展示もあった。まあしかたないと思うが小さいし、注目を浴びてるというほどでもない感じ。来場者でこれに関心を持っている人は比較的少数かと。かつ、行ったときはサーバが落ちてるとかで状況がよくわからず。まだこれから、といったところか。
個人的に目に付いたのは、やはりユーザーインターフェース。3Dディスプレイとかもあったのだが、2D格闘ゲームを3D表現にしていて「それってどうよ」的な感想もあり。一般的な3Dディスプレイは「飛び出す」ことに関心が集中しているせいか、いまひとつ立体感が自然じゃないな、というあたりが今後の課題かと思う。
それから、WBSでモーションキャプチャを使ったゲーム、らしきものを見かけた気がしたのだが発見できず。どこにあったんだろう?カメラで顔や動作を認識するゲームはそこそこあったが、必ずしも新しい感じはしないし。
というわけで注目はこれ。NeuroSky社のMindSet(関連記事1・関連記事2・関連記事3)。昨年のTGSにも出ていたはずだが、この秋にヘッドフォン型の製品「MindSet」が発売ということで。
こんな感じでヘッドフォンを装着する。額部分に当たるように「脳波」検出のためのセンサがついている。上記のリンク先記事によると、これはドライ・アクティブ・センサーという特許技術を利用していて、よく脳波をとるときなんかに使うジェルを塗らなくてよい、のだそうな。ゼミ生が、間に髪の毛がはさまらないように注意しながら装着中。あと、化粧してると脳波の「ノリ」が悪いのだとか。
で、このあとは脳波でゲームを動かす。これは「NeuroBoy」というゲーム。自分でやってないのでよくわからないが、「集中」と「リラックス」という2つの認識パターンがあるようで、それらをコントロールして、玉を浮上させたり、樽を引き寄せたり吹き飛ばしたり、車を持ち上げたり燃やしたり(!)して遊ぶ。黙ってると集中できる人、話しながらのほうが集中できる人など、人によっていろいろ差があるようだ。ゲームだけでなく、リラクゼーションなどに使うのもアリ、との説明が。動画はこれ。
このMindSet、操作の得意な人とそうでない人が分かれるのだそうで。考えてみれば、ゲームのコントローラにせよ、携帯電話のキーボードにせよ、操作の得意不得意はあるわけで、新種のインターフェースが普及していくと、また新たなスキルが要求され、中にはついていけない人も出てくるというわけだ。とはいえこれのように、2択程度なら比較的多数の人が対応できそうだし、機能が向上すれば、身体機能に制約のある人が日常生活を送るためのツールとしても使えるかもしれない。中にはえらく高度なこともできる人が出てきたりして、そういう人や能力をひょっとしたら「ニュータイプ」とか「イマーゴ」とか呼ぶようになるのかもしれん。
動画に映っていたのでわかると思うが、生放送でアシスタントを務めてくれたゼミ生はアイドルマスターのコスプレ。衣装の選択も含め、本人が自分の意思でやってるので誤解なきよう。コンパニオンさんたちがたくさんいる会場だが、中を歩き回ってる人は少ないのでかなり目立っていて、外国のプレスにだいぶ写真を撮られていた模様。
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Comments
脳波でゲームを動かすというのはすごいですね。
医療の面などで、色々な応用ができそうです。ちょっと前までは夢のように思っていたことが、いつの間にか現実になっている。最近のテクノロジーの進歩の速さには驚きます。
Posted by: 風竜胆 | September 27, 2009 07:06 PM
ゼミ生にコスプレさせて喜んでるあんた
バカですか?
Posted by: 偏差値50そこそこの大学。。。w | September 28, 2009 02:08 AM
コメントありがとうございます。
風竜胆さん
すごいですよね。ただ、テクノロジーだけではだめなんです。研究者の方がよくおっしゃるのは「どうやったら使えるサービスになるのかが自分たちにはわからない」ということです。企業は「すぐ使えるソリューション」を求めたがるので、その間にギャップがあると。アメリカの人たちはそのあたりをどうにかうまくやるんですね。いろいろ考えさせられてしまいます。
偏差値50そこそこの大学。。。wさん
別に私がさせたわけではありませんし、喜んでもいません。バカは自認してますが、人をバカ呼ばわりする人ほど身の程知らずではないと思います。ひょっとして、うらやましいんですか?
Posted by: 山口 浩 | September 28, 2009 04:09 AM
↑
ひょっとして、うらやましいんですか?って
何、いってるの
キミは本当に大学准教授なの
うらやましいよりおもしろいので
駒澤大学にチクります
Posted by: ちゃんと考えてからしゃべりなさい | October 05, 2009 12:28 AM
ライ・アクティブ・センサーという技術は、良さそげですね。”ジェルを塗らなくてよい”という改良点に着目する感性にいつも感心させられます。
Posted by: のひ | October 05, 2009 08:57 PM
コメントありがとうございます。
ちゃんと考えてからしゃべりなさいさん
どうぞご自由に。
のひさん
そもそも、脳波なんてそんな簡単にとれるのかよ?といった素朴な疑問がありました。実際にやってもらったわけですが、少なくとも何かしらを感知してるのは見ていてわかります。これまで人間はそうした機能を使って何かを動かすという経験がなかったわけで、誰もが簡単にというわけではなさそうでした。実際、デモを体験していた人の中には、まったく動かせない人もいましたし。これも、普及していくと、慣れた人がたくさん出てくるのだと思います。今の若い人たちが私よりはるかに上手に携帯電話でメールを打つのと似ていますね。
Posted by: 山口 浩 | October 06, 2009 08:44 PM