出会う楽しみ、出会う苦しみ
本はネット書店で、というのが最近のスタイルになっている。行かなくてすむ、探す手間が省ける、届けてくれるという便利づくし。新品と古本を比較できるのもいい。といったようなことを書くと、「ネット書店では新たな本との『出会い』がない」みたいにいう人がいる。店内をぶらぶら歩きながらあれこれ見ているうちに、予想もしなかった、でも面白そうな本が見つかったりする。そういう偶然の出会いは「効率」「利便性」ばかりのネット書店にはない、と。
いやそんなことわかってるってば。逆なんだよ。むしろその「出会い」ってやつこそが問題なわけで。
別に書店がきらいなわけではない。ネット書店がなかったころは、本屋で半日立ち読みして冷房で腹を下す子どもだったんだし。今だってね、行かないわけじゃないんだよ。でもさ、うっかり行っちゃうとあとがたいへん。他の人がどうかは知らないけど、あれだけたくさん本があるんだよ?『出会い』の相手が1冊だけ、なんてことあるわけないじゃない。
先日だって、ネット書店だと間に合わないと思って旅行ガイドを探しに行ったら歴史書のあたりでトラップにはまって、あれよあれよという間に7冊も買い込むはめになっちゃって。約1万7千円。子どもなら「おこずかいがない」ですむところが、大人はクレジットカードなんてものが使えちゃったりするわけだ。おかげで引き落としを心配しなきゃいけないし、紙袋二枚重ねするくらい重いし、だいいち置く場所どうすんだ、そもそも読む時間どうすんだ、と。そのうえ結局お目当ては見つからなかったし。
というわけで、ネット書店のいいところをもう1点付け加えておきたい。「予定外の面白そうな本に出会いすぎずにすむ」。
くやしいので、今回買っちゃったものを並べとく。確かに買いはしたが、ぱらっと立ち読みしただけなので、念のため。
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