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May 01, 2010

「STORY」もツイッター特集を載せておるぞよ

今何かと話題の光文社から発行されてる月刊「STORY」の2010年6月号にツイッター特集があるというので買ってみたら、これが微妙に面白かったので書いてみる。「雑誌目次をみる」シリーズの一環ということで。


「STORY」といえばいわずと知れたアラフォー世代向けの女性ファッション誌。路線としては「JJ」「CLASSY」「VERY」のライン、といったところだろうか。いわゆるそっち系の人々御用達というわけだ。いまや日本人の「消費離れ」だか「消費疲れ」だかが懸念される中、このラインの女性ファッション誌はひたすら消費喚起へ向けた飽くなき挑戦を続けておられるわけで、日本にとって希望の星というべきだろう。

一応「雑誌目次をみる」シリーズとして、ツイッター特集に行く前に、目次全体を概観しておく。

今月号のメイン特集はこれ。

大特集 コンプレックスもアンラッキーも強く、美しくなるための栄養です
涙の次の、プライド服

なんだかよくわからないが、泣いたらしい。こういう特集のしかたも時代なり、なんだろうか。逆境にめげない、というわけだが、それを服であらわさないと気がすまないらしい。その涙とやらが服選びのどこにどうあらわれてるのか傍目にはよくわからないのだが、まあ気は心だ。飽くなき消費へと向かう、その意気やよし!

Part 1 強き、美しき人こそ、涙の時代あり!

有名人のインタビューみたいな記事。取り上げられてるのは女優の寺島しのぶさん、イラストレーターの平松昭子さん、モデルの春香さん。こういう、華やかな活躍をしている人たちにも「涙の時代」があったという話で、読者の皆さんを奮い立たせようというわけだな。なんせ稼がないと消費もできないからね。

Part 2 富岡佳子さん、「無垢な白」は女のプライドを映し出す鏡です

次はモデルの富岡佳子さんが登場。知らない人向けに念のため書いとくと、表紙のモデルが富岡さん。「白」がテーマらしい。「自然体の白」「凛とした強さの宿る白」「今ある幸せを感じる白」「未知の白」だそうだが、なぜそういう説明になるのかなぜそれがプライドなのか正直わからないので、まあそういうことにしといてもらいたい。アイテム的にはレーストップス、ゆるシャツ、リラックスワンピース、ざっくりニットなのだそうで、要はなんだか着てて楽そうな服っていうことなんだろうか。

Part 3 [読者実例]涙を拭いたら、今の私がいちばんキレイ

ここからこのジャンルの雑誌定番の読者モデルコーナー。37歳食育アドバイザー・モデル、38歳主婦、40歳証券会社勤務、44歳主婦、38歳PRコーディネーター、39歳プロデューサーといった「うらやましい系」職業の面々。「証券会社勤務」だってちゃんと「バイリンガルセクレタリー」と注釈がついてる。そんな職名があるのか知らんが。で、もちろんただ登場するだけじゃない。皆さん挫折ストーリーを語っていただくのがこの特集なわけで、病気やら離婚やら流産やら倒産やら夫の事業失敗やら味覚障害やら、まあ皆さんいろいろ大変だったのね状況。証券会社勤務の方の場合は「2008年10月に今世紀最大の破綻」だったそうで、微妙に時期があれだがリーマンだろうか。それでもこうやって笑って雑誌に出てこられるようになったわけだからよし、というわけだ。

Part 4 眠ったプライドを奮い起こさせる服

プライドというのは眠っているものらしい。で、それを奮い起こさせるには「今まで経験しなかったような大胆なファッション」が必要らしい。で、ベアトップだのワンショルダーだのアメリカンスリーブ(首の根元近くから肩が広く開いているものをこう呼ぶらしい)やら、あとミニスカートやら(確認だがターゲット読者はアラフォーだからね)、この雑誌的にはあまり登場しない大胆めの服が紹介されてる。こういうのはプライドがあって初めて着られるのでは?というのは部外者の発想なんだろう。世の中、形から入るものだってたくさんある。大胆な服で失敗してプライドが傷つくおそれが、なんてのもきっと杞憂だ。それもまた乗り越えるべき逆境になるだけだから。

Part 5 同窓会実況中継 笑顔の裏にプライド渦巻く!

かつての仲間で再会、でも目はお互いのファッションを鋭くチェック、という、なんとも「おおこわ」な状況。何がこわいって、それぞれの服について、自己評価とともに「お友達からの評価」ってのがついてること。で、これがまた、「お肌の曲がり角なんだから、ほどほどにね」だの「痛いミニスカにならないよう、この年齢は注意が必要。なんて、本人には言えないけど」だの「40歳を超えると、そろそろシミが浮き出てくるのに、気にならないのかしら?」だの、それはそれはシビア。ばちばち光線が飛び交ってるよう。読者同士でけなしあうのも記事的にアリなんだ、というのが新鮮。

で、このほかのファッションページはというと。

もう一度、二人の物語を始めよう:20年目の「指輪物語」
富岡佳子さん「41歳のオシャレ地図」⑦夫婦ゲンカの後の「仲直り服」
センスは遺伝?でも永遠に超えられない存在です ママは私のオシャレ師匠
働く40代に、柔らかわいい仕事服
デパートのPBは、すごくいい!
アンナ流「シャレブの流行」着こなし講座
春ワンピースは「華やカワイイ♡」私
川田師匠のファッション寅さん“女はつらいよ”【広島編】ロックの里に可愛い花が咲いていた
「大人カワイイ」名品に、売れる理由あり!
植松晃士さんが街頭パトロール! “可愛イタ”事故、原宿で同時多発!”
ヤッコの私服公開「アイテムは男の子、着こなしは女の子が私流」
山頂で開催!「山ガール」コレクション
進化するブランドSTORY (47)CHRISTIAN LOUBOUTIN/JIMMY CHOO
私の服にはSTORYがある 沢田富美子さん(47歳)
be myself! be yourself! ④懐かしのトラッドにならないチノパン
坂本夫妻の「簡単可愛い!デコカジ」教室 ⑪白シャツ
超カンタン!「セルフ美タッチ」でごまかしかわいい♡

「仲直り服」とは何ぞや?と思ったら、「ケンカした後の空気を変えるには、ファッションが役立つ!」のだそうだ。撮影の合間に盛り上がった話題なんだそうで。はあそうですか。で、じゃあどんな服を着れば仲直りできるのかというと、「マカロン色アイテム」「ユーモラス小物・Tシャツ」「昭和セクシーなワンピース」だって。すごいね。仲直りまで消費に結びつけようっていうこの気迫に感動。仲直りしたい向きは参考にされたい。「※ただし効能には個人差があります。」と勝手にディスクレーマーをつけておこう。

「柔らかわいい」というのも不思議なことばだが、まあイメージはわくだろう。「働く40代は、元・同期の上司にも年下同僚にも頼られる、“癒やしの華”的な存在です」だそうだ。だから「柔らかわいい」を志向せよ、と。基本的に専業主婦志向だったこのラインの雑誌の読者も、いろいろあって働きに出ることが多くなってるということなのかな。で、「元・同期の上司」だったり「年下同僚」だったりするわけだ。こういうところを繊細に気遣ってるんだね。

「シャレブ」は「オシャレなセレブ」の意。梅宮アンナさんがご紹介。「ファッション寅さん」は洒落でもなんでもなく、スタイリストの川田亜貴子さんがほんとに寅さん風の格好(腹巻みたいに太いベルトまでしてる)をして各地をめぐる趣向のよう。「“可愛イタ”事故」は街を歩いてる人のイタいファッションをチェックするというイタいコーナー。うわ写真に目線入ってるよ。これ大丈夫なのか?どうもけっこう「ギリギリ」の線を狙ってる感じはするなあ。あ、あと、「山ガール」は登山ね。最近はおしゃれな登山、というかハイキング用の服も出てる。

しかし、さっきの「柔らかわいい」に加えて、「華やカワイイ♡」「大人カワイイ」「簡単可愛い」「ごまかしかわいい♡」と、「かわいい」が連発されてるね。STORY読者層もテーマは「かわいい」なんだな。先日「SWEET」をとりあげた際、大人が正面から「かわいい」を志向するようになってるんだなと思ったが、ここにもその傾向ははっきりあらわれてるわけだ。

で、ファッション以外のページ。ツイッター特集はこちらに。

“ポジティブビューティ”里織の今月の感動コスメ⑥気になるのは目元の崩れ……真夏の「落ちない」を探せ!
京都に習う「大人の嗜み、女の愉しみ」(55)古都の朝の美しい習慣
美味巡礼(41)おとなり街にビストロ散歩
今日は夫婦でおもてなし 永澤陽一さん&八巻多鶴子さんの“旅の思い出”をごいっしょに!
週末、夫は私の「おかかえシェフ」です!
林真理子「出好き、ネコ好き、私好き」
前田ゆかさんが誌上体験!ツイッター女子、増えてます!
最旬王子様ファイル⑤相葉雅紀
重松清「白夜のタンゴ」
私たちのCHALLENGE STORY 男のプライドって、いったい何?
 経済力のある40代に、男運なし!
「更年期」のクスリ 岡部まりさん

前田ゆかさんはよく知らんがモデルであるらしい。ツイッターのアカウント( @story_yuka )は雑誌名が入ってるところからしてこの特集のために作ったものだろうが、見てみたら非公開になってる。フォロー20、被フォロー5ってあたりからも、あんまり使ってるふうではないね。この方とつながりがあるらしきアカウントがいくつか記事に紹介されてるが、表記を変えてるみたいで発見できない人も。こういう界隈の人はけっこうディフェンシブなのかね。

記事のほうは、当然ながら初心者が多いであろうSTORY読者のためにツイッター利用術をアカウント登録から解説してる。解説自体は短いけどそこそこちゃんとしてて、この説明だけでは分からない人もけっこういるかもとは思うが、ひととおりのことは書いてある。ただ、そこに出てるIEのスクリーンショットに、「ブラウザをアップグレードしましょう!」メッセージがばっちり映っちゃってるのはいかがなものか。光文社の方、セキュリティの件もあるので、ぜひブラウザは新しくしといたほうがいいのではないかな。それとも、STORY読者はブラウザを新しくしない、ということなんだろうか。

あと、この特集の出色なところはもう1つある。「STORY的有名人アカウントリスト」。まあツイッターの楽しみ方の入門編にして定番は有名人フォローなわけで、それ自体は何の不思議も意外性もないが、これはただの有名人アカウントじゃない。「STORY的」有名人だぜ。わざわざそう謳うからには、特別なんだろうよ。そりゃ気になるじゃないか。

で、見てみると、挙げられてるのはこの方々。

甘糟りり子(作家)
村上隆(アーティスト)
渡邊季穂(uka代表・トップネイリスト)
大宮エリー(演出家・脚本家)
辻仁成(作家・ミュージシャン・映画監督)
岩本麻奈(皮膚科専門医・MuMs㈱代表・コスメ開発プロデューサー・美容ジャーナリスト)
経沢香保子(トレンダーズ代表取締役)
ランガールナイト(女性ランナー支援サイト)
ラーニア王妃(ヨルダン王妃)
パリス・ヒルトン(ゴシップ欄常連セレブ)

ほほう。

上記の前田ゆかさんもこのあたりをフォローしてるんだろうか。必ずしもフォロワーが多い人が選ばれているというわけではないあたりも含め、STORYなりのこだわりが出ているといえるだろう。物書きといえば甘糟りり子さんであり辻仁成さんなのであって、 支倉凍砂さんやら津田大介さんやらではないわけだし、経営者といえば経沢香保子さんなのであって、孫正義さんやら徳力基彦さんやらではないというわけ。作風的にみて村上隆さんがSTORY読者的に「圏内」というのは少々意外な感じもするんだがそういうもんなのだろうか。

ともあれ。全体として、これまで抱いていた「STORY」的なイメージは基本的にそのままながら、少しちがった色合いの要素が見え隠れしているような印象があって興味深い。今は例の「ツイッタードラマ」として話題になった「素直になれなくて」が放映中だし(見てないがすでにツイッターとは無関係なドラマになったみたいに書いてる人がいる。実際どうなんだろうか)、関心も高まってるんだろう。だからこその特集なわけだ。この記事でSTORY属性のアラフォー女子がどのくらいツイッター界に入ってくるのだろうか。

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