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July 20, 2012

「~がダメにする」がダメにするもの

たまにやる「雑誌目次をみる」シリーズ。手短に。知らない人(大半だと思うが)向けに書いとくと、中身を見ずに(ここがポイント)、雑誌の目次のみを見てあれこれ書くというまあお気楽いいかげんなものだ。今回は、新聞広告で見つけた小学館「edu」。

広告に出ていたキャッチコピーは「ママの『ネガティブ口ぐせ』が子どもをダメにしています」。

このキャッチコピーの、自己言及というか何というか(「自己」じゃないからちがうんだけど)、天唾っぷりが目を引いた。要は、「ママの『ネガティブ口ぐせ』が子どもをダメにしています」というコピーが見事なぐらいネガティブな表現になってて、そういう脅しっぽいメディアの論調がネガティブ口ぐせのママを作り出して、ママをダメにしてるんじゃないのか?みたいな感想をもったわけだ。

もちろん「予防線」は張ってあって、ネガティブな「口癖」、つまりいつもネガティブなことばっかり言ってるとだめ、という話であって、このコピーも、ネガティブなことをひとことも言っちゃだめと書いてるわけじゃない。とはいえ、経験のある人はわかるだろうが(経験がなくても概ねわかると思うけど)、子育て中(子どもが小さいうちは特にそうだ)の人はママもパパも、周囲からみればほんとにささいなことでも気になるものだ。ちょっとでもネガティブなことばを子どもにかけようものなら「何でそんなネガティブな言い方するの!」と夫婦喧嘩になって、かえってさらにものすごいネガティブな雰囲気に覆われて家庭が押しつぶされんばかり、みたいな笑えない状況がふつうに発生しうる。

うちの子は「正常」(このことば自体がアレなんだが)なのか、願わくばよその子より優秀(このことばもアレなんだが)に育ってほしいのだが大丈夫か、みたいな親たちの不安を煽るキャッチコピーで雑誌を売り込もうという姿勢はどうなんかね、といってみたくなる。少し話を広げると、どうもこういうのって最近多いよね、「いじめをする奴は許せん、成敗してくれよう」とばかりによってたかって批判を浴びせること自体がいじめになってるとか、そういうのよく見るよね、などと連想してしまう。

ウェブサイトを見たら最新号である2012年9月号の目次が載ってた。私が見たのはこの号の広告だと思う。こんな感じ。

特集
ママの「ネガティブ口ぐせ」が子どもをダメにしています
口ぐせは、心のくせ
コトバで変わる子育て

ネガティブな口ぐせばかり聞かされると、
子どもの脳力はことごとく落ちていきます。
脳外科医・林成之

ありがち編
言いっ放し、会話省略、突き放し、
あなたの口ぐせは、どのタイプですか?

食事編
「せっかく作ったのに……」。その気持ち、
子どもにぶつけていませんか?

勉強編
そのひと言が、子どもを「できない子」にしています。

夏休み お役立ち企画
eduママのための手とり足とり
陰山メソッド 夏休み特別編

脳科学者・川島隆太先生がアドバイス
脳がいきいきする夏休みの過ごし方

夏休みこそ、片づけるチャンスです!
「散らからない子ども部屋」の作り方

入学準備 プレedu Vol.26
夏の「夜ふかし」は学力低下に直結します!
幼児の早寝に効果的! 一日10分の親子体操

思春期edu vol.26
中学生ママの悩みを解決!
思春期の子どもとどうつきあう?

子育てに手を焼いたときの処方箋 土井高徳

2号連続ご購入の方 希望者全員サービスのお知らせ
川島隆太先生・深谷圭助先生の「edu自学自習ノート」

eduママの会
夏の食育講座のお知らせ

ドラえもん大賞全国作文コンクール募集

連載
私から子どもへのプレゼント
もう、なげかない/しの武
子育て短歌エッセイ たんぽぽの日々/俵 万智
京都・大原ベニシアさんの子育て 花育て
三國清三のこどもキッチン スパゲッティ
野菜がおいしい! おうちコンロレシピ/小西雅子
eduトピックス 今、売れています!  靴下屋 5本指靴下
注目の新商品です! ヒュンメル 子ども用サングラス
eduこどもクリニック 子どもの便秘(1)
鎌田和宏先生のくらしのなかに息づく歴史
林 成之先生の文武両脳の育て方 ママのための育脳Q&A
母を旅するあなたへの手紙/浜 文子
eduママ BOOKクラブ
edu広場へようこそ
大原さんちのにっちもさっちもな子育て/大原由軌子

次号予告
エデューのバックナンバーのお知らせ
エデューママアンケート


まあ、おおむね予想の範囲内ではあった。別にまちがったことを書いてるわけじゃなかろう。確かにネガティブなことばかり言うのはよろしくない。ただ、実際にママ(パパじゃいかんのか?と思わなくもないが、まあママ向け雑誌ということだろうし、善意に解釈しておく)が目にするあれこれの中に、「~はダメ」式の情報がかなり含まれていて、そういうものばっかり見てると、自分が正しいことやってるのか気になって気になって夜も眠れない、みたいになる人がたくさん出てきそうなところは、やはり少々問題意識を感じなくもない。もう少し気楽に、いいかげんにしていてもたいていなんとかなるよ、みたいな特集を組んだりもしているんだろうか。バックナンバーの目次をちょっと見ただけではあんまりよくわからないが、どうもそういう方向ではないっぽいように見える。

冒頭に書いたような、ちょっと自己言及っぽいキャッチコピーが通用するんなら、今度はぜひ、「教育雑誌ばかり読んでる親は子どもをダメにする」みたいな特集でも組んでいただくといいんじゃないかと思う。いや別に皮肉でも何でもなくて、少しくらいいいかげんにやってても影響はたいしてないし完璧にやろうとしてもどうせ無理だから、あんまりカリカリしない方がいいよって伝えてあげることの方が、重要ではなかろうか、ということだ。今の時代、そういう考え方の方が有益のように思われるんだが、ちがうだろうか。



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