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April 03, 2015

議会質問なんか業者に作ってもらえばいい

ごく手短に。最近はいろいろ便利なサービスがどんどん出てきて、私たちの暮らしはずいぶん便利になった。政治家さんたちもずいぶんその恩恵を受けているようで、最近は議会の質問まで作ってくれるサービスがあるらしい。

議員向けの有料サービス登場 議会質問「売ります」、地方議員「買います」」(産経新聞2015年4月3日)
ある地方議員のもとに昨年、こんな言葉の並んだダイレクトメールが届いた。送り主は、岡山県内の一般社団法人を名乗る団体。議会質問のサンプルを有料で提供するという内容で、年会費は定例会4回分で9万7200円としている。

この記事は、見出しでみてもわかるように、嘆かわしいという論調で書かれている。昨年話題になった号泣県議を引き合いに出して、「「議会質問は議員活動の根幹。こうしたサービスが現れること自体、議員のレベル低下を物語っている」と嘆く声も」としている。

気持ちはわかるんだが、そう嘆くばかりでもなかろうと思う。

地方議会に限ったことではないが、議会における議員の質問の中には、ずいぶんとレベルの低い(失礼)なものが散見される。ネット中継や、マスメディアでの報道などで見てるだけでも、質問と称して自分の主張をとうとうと述べるだけの質問、質問全部聞かなくても返ってくる答えが想像できるくらい決まりきった質問など、時間の無駄としかいいようのないものをけっこう見かけるのだ。そんなことのために時間と金を使うより、誰かに頼んだとしても、きちんと意味のある質問をして、意味のある回答を引き出す方がはるかに有意義だろう。コンサルタントに金を払ったとでも思えばいい(実際そういう名目だろう)。

もちろん、問題視する人は、それが議員本人でなく第三者が考えたものであり、それをただ買ってきて読み上げるだけの議員がいていいのか、という趣旨で怒ったりあきれたりしておられるのだろう。だが、建前はともかく、少なくとも現実のレベルでは、議員はそうした能力で選ばれた人たちばかりではない。誰という話ではないが、有力政治家の親族であるというだけの人、芸能人やスポーツ選手など政治以外の分野で有名人だった人、数合わせで比例名簿に載せられただけの人など、どうみても自分で有意義な質問を考えられそうもない人が、選挙ではゆうゆうと当選している。だが彼らのそうした能力がありそうもないということは、選挙のときからわかっていたはずだ。そもそもそんなことを期待されてはいないだろう(だったら質問しなきゃいいのにとも思うが、政治家のKPI自体を変えるのはそう簡単ではないのかもしれない)。メディアは嘆かわしいというが、それが有権者の選択であるなら文句をいう筋合いはない。

金を払うのがけしからんというご意見もあろうが、有意義な質問を作ってもらえることに対して対価を支払うのは、支持者とかに無駄に地元の花見やら餅つきやらに参加するために地元に戻る交通費や、どうでもいいはがき出したり歌舞伎見に行く費用出してやったりするのとかよりはるかに議員の「本来業務」に近い支出ではないかと思う。力のある与党政治家の中には、官僚に質問を作らせる人も多いだろう。そうした立場にない政治家が外部業者の力を借りること自体をタブー視するのはちょっとおかしい気がする。そもそも質問への回答作成は概ね官僚に丸投げしているではないか。業者へ投げるのがだめなら官僚に投げることも問題視してしかるべきだ。

とはいえ、そういうロジックが通用するのは、その議員がこうした業者を利用ししたかどうかがわかっている場合だけだ。その意味で、議員の皆様におかれましては、質問作成代行業者への発注状況と発注先をぜひ堂々と公開していただきたい。記事は「有権者は「センセイ」を選ぶ確かな目を求められる」とか書いてるが、こういうサービスを利用してると開示されなければわからないではないか。もし政治家が公開したがらないのであれば、徹底的に取材して、どんどん情報を出してやればいい。この情報には高い公益性があるはずだ。

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