聖火台問題を解決する5つの方法
何から何までひどすぎてもはや何があっても驚かないレベルに達している国立競技場問題だが、またまた特大級のネタが投入され、盛大に炎上している。
「新国立競技場に新たな問題浮上、聖火台はどこに?」(AFP2016年3月4日)
2020年東京五輪のメーン会場となる新国立競技場(New National Stadium Japan)の聖火台の設置場所について、主催者側が検討していなかったことが明らかになり、長らく続くスタジアム問題に新たな課題が浮上した。
もはや笑うしかないありさまだが、これで久々に悪乗り回路が発動したので、聖火台の設置方法を一人大喜利よろしく5つほど考えてみた。とはいえ、国立競技場問題に対する私の態度は前にこのブログに書いた通りなので、もとよりまじめなものではない。
いくつかニュースをぱらぱら見るにつけ、つくづくこの一連の問題、だめな組織の実例としてこれほど適切なものはないように思う。
「新国立競技場、聖火台の置き場なし 「要望聞いていない」とJSC」(ハフィントンポスト2016年3月4日)
新しいデザインの策定に当たり、東京オリンピック・パラリンピック組織委は事前に聖火台の要件を政府や事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に伝えていたと主張した。(中略)
JSCは屋根で覆うザハ・ハディド氏監修の旧計画でも外に置くことを想定しており、「組織委から聞き取った要望の中に、聖火台を競技場内に置くという話はなく、(白紙撤回後の)公募時にも設置場所は想定しなかった」(幹部)。
見事なほどの責任のなすりつけあいである。しかも、そもそもこの当初の公募時の条件自体、オリンピックのメイン会場としては不適切だったようだ。
「新国立競技場 聖火台、まさかの検討漏れ 五輪相「まず内か外か」」(毎日新聞2016年3月5日)
国際オリンピック委員会(IOC)は、聖火台の設置条件に「開閉会式の際は競技場内の誰からも見える」「競技期間中は競技場外からも見える」などを求めている。
「まず内か外か」、には脱力するしかない。聖火台をどうするか自体よりも関係者たちのだめっぷりの方がはるかに大きな問題であるように思う。
もちろん、その気になれば対応は可能だろう。実際のところ、設計を一部変更して競技場内に設置するか、もしくは場外に設置して場内のスクリーンに大写しにするか、みたいな対応になるんだろうが、どうせまたコスト問題が浮上する。この手のことが今回限りである保証などなく、またぞろぞろ出てきてそのたびに工事費は増えていくのではないか。個人的には「ふざけるな」以外の何物でもないが、文句を言ってるだけでは面白くないので、別の案を考えてみた。いうまでもなく、ネタだ。
(1)ドローンで競技場上空に飛ばしておく
「設置」というとどこかに固定されているイメージを思い描いてしまうが、そういう固定観念がいけない。競技場の屋根に設置すると屋根の木材に燃え移るおそれがあるというのだから、屋根に接していなければいいのだ。ドローンで上空に飛ばしておけばよい。日本の技術力を結集すれば安全に聖火台を競技場上空にとどまらせ続けることなど容易であろう。ドローンが信用できなければ、熱気球にぶらさげる(そもそも熱気球自体、聖火台のようなものではないか)とか、他にも方法はある。
(2)競技場のまんなかにキャンプファイヤーみたいに設置する
現在の計画だと、競技場の屋根は全部を覆うわけではなく、ちょうどまんなかが開いたかたちになっているから、その開いた部分、つまり競技場のまんなかに聖火台を設置することはできそうな気がする。ちょうどキャンプファイヤーみたいな感じ。閉会式にはみんなで囲んでマイムマイムでも踊るとよい。人類皆兄弟。もちろん競技のじゃまになることもあるだろうが、そのときはがらがらと転がして少し移動させるとか、いっそ地中に収納可能にして、必要なときだけ地上に出てくるようにするとかでもよい。聖火台は見上げるものなんていう固定観念にとらわれてはいけない。
(3)競技場内にバーベキュー屋を入れてその店内に設置する
火は危険なものだが、それが安全に使える環境があれば、話は別だ。競技場内にも飲食店は作られるだろう。その中に直火バーベキュー店みたいなものを作れば、そこでは火が安全に管理されているのだろうから、聖火台もそこに設置できる。どうせだから聖火であぶったバーベキューでも売れば莫大な売上が期待できよう。
(4)人が持って走り続ける
聖火台というとつい、大きなものを想定しがちだが、小さくしてみてはどうか。たとえばそう、聖火ランナーの持つトーチと同じくらいのサイズ、もっといえばトーチそのものを聖火台としてしまえばよい。どこかに固定された場所を作ろうとするといろいろ問題があるかもしれないが、少なくとも競技場内を聖火ランナーが走ることを問題視する人はいないだろう。せっかくだから、競技期間中ずっと、聖火ランナーにトラックの外側でも走らせておけばよい。聖火ランナーは希望者も多かろうから、これで聖火ランナーになれる人の数は大幅に増える。競技やってない夜中に走り続けるのはややつらいかもしれないが、そんなときは日テレのスタジオでZARDの「負けないで」とか歌ってあげるといい。みんなハッピー。
(5)競技場を建てるのをやめて聖火台だけ建てる
前にブログに書いた、国立競技場に関する私の案は「建てない」だったので、それを貫くなら、競技場を建てること自体をやめて、むしろ聖火台だけ建てればよいのではないか。そうすれば火災の心配はいらないし、安く済む。閉会式で聖火台自体も燃やしてしまえば跡地はきれいさっぱり。何を建てるかはオリンピック後にじっくり検討して決めたらよい。建てなくてもよい。
というわけで、固定観念にとらわれなければ、聖火台問題への対処はさまざま考えられるわけだ。考えてみれば、聖火台なんていうものはそもそもオリンピック以外での使い道がなさそうなわけで、そのために莫大なコストをかけて設計変更とかするというのもいかがなものかと思う。どうかお願いだから、これ以上国民なり都民なりの金を食いつぶす案にならないようにしてもらいたい。
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Comments
ロンドン大会は、(2)だったようですね。YouTubeで見られます。演出が後から決まる予定だったから、可動式だったそうです。
Posted by: 金行秀 | March 07, 2016 03:57 PM