September 11, 2021

「45歳定年制」を実現させたいなら

サントリーホールディングスの新浪剛史社長が経済同友会の夏季セミナーで、45歳定年制を提唱したとして一部で話題になっている。
45歳定年制導入を コロナ後の変革で―サントリー新浪氏(時事通信2021年9月9日)

記事だけでは具体的な内容はわからないが、上記報道では「社会経済を活性化し新たな成長につなげるには、従来型の雇用モデルから脱却した活発な人材流動が必要」「会社に頼らない姿勢が必要」と述べたようなので、よくある「給料の割にパフォーマンスが悪い中高年社員を追い出して若い元気な人と優秀な一部の人だけ残したい」という類の考え方であるようにみえる。

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September 06, 2021

結果か機会か

ツイッターで書こうと思ったらちょっと長くなってきて連投ツイートだと長すぎそうなのでブログ記事にしてしまえ、というわけで以下ひとくさり。

きっかけはこれ。ここ数日話題になってる「高市氏を女性が支持すべきか」問題、個人的には「女性の社会進出を望む立場なら政治的立場にかかわらず高市氏が首相になることを支持すべき」などとは思わない。そもそも高市氏に首相になってほしくないし、性別より政治的立場の評価が優先するのはむしろ当然だ。

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March 12, 2021

「子供・若者育成支援推進大綱(案)」パブコメ書いてみた

いま一部で話題になってる内閣府の「子供・若者育成支援推進大綱(案)に対する意見募集について」パブコメ、ちょこっと書いてみた。
締切は3/15。募集期間がやったら短いんだがよほど意見されたくないんだろう。というわけで皆さんもぜひ。

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March 11, 2020

事実と表現、記録と記憶

東日本大震災から9年たった。新型コロナウィルス感染症のため大がかりな式典は行われないが、多くの人たちがそれぞれの場所であのときを思い出し、犠牲者を悼み、今なお苦しんでいる人たちに心を寄せたりするのだろう。このタイミングに合わせてだろうが、福島第一原発事故の際、多くの職員が避難した中、原発にとどまった人々を描いた映画『FUKUSHIMA 50』が公開されている。
https://www.fukushima50.jp/

震災もそれに続いた原発事故もまだ記憶に新しいこのタイミングで、実際のできごとを映画化したとなれば、映画を語りながら現実の人々や組織、状況を語ることになってしまうのはある程度はやむを得ない。事故自体についてもいろいろな意見がある以上、本作への評価も割れるのは自然なことだろう。実際、みる限り反応は賛否が真っ二つに分かれているようだ。

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September 25, 2019

議論すべきは日本のエネルギー政策

2019年9月23日、ニューヨークで国連気候行動サミット2019が開かれた。

国連気候行動サミット2019(UN Climate Action Summit 2019)
国際連合広報センター - 2019年08月15日
アントニオ・グテーレス国連事務総長はすべてのリーダーに対し、今後10年間で温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までに正味ゼロ・エミッションを達成するために、2020年までに自国が決定する貢献(NDCs)を強化するための具体的、現実的計画を持って、9月23日にニューヨークで開かれる国連気候行動サミットに参集するよう呼びかけています。

背景には、近年特に欧米の若者を中心に高まりつつある、地球温暖化に対する強い危機感がある。運動は欧米にとどまらず世界各国に広がりを見せており、多くの人々がデモに参加するなど対策を求める抗議活動に参加している。日本では欧米ほどではないようにみえるが、行動を起こす人は少なからずいるようだ。若者が中心になっているのは、長期的な影響への懸念をより強く持つゆえであろうか。

「私たちの家が燃えている」 温暖化対策求め、地球各地で数百万人が抗議
BBC - 2019年09月21日
米ニューヨークで開かれる国連気候行動サミットを前にした20日、若者を中心に地球温暖化への対策を求める様々な抗議行動が欧米やアフリカ、アジアなど世界各地の150カ国で行われた。数百万人が行進したとみられ、人為的な気候変動に対する抗議としては過去最大規模のものとみられる。

「国境超え、気候変動止めよう」26都市で若者らがデモ
朝日新聞 - 2019年9月21日
主催者によると、日本では東京や大阪、京都、名古屋、福岡、札幌など26都市で約5千人が参加した。

客観的にみても地球温暖化は重要な課題で、これまでも何度か国際的な合意形成の試みがなされてきたが、ありていにいって、うまくいっていない。大切であることは理解するが実際に自分たちの行動を変えることには消極的な国が多く、中には背を向けるかのような動きもある。

気候行動サミット、次世代への課題解消見えず
日本経済新聞 - 2019/9/25
米ニューヨークの国連本部で23日開いた「気候行動サミット」は加盟国の温度差が目立った。2050年に温暖化ガスの排出をゼロにする目標を掲げたが、実現は見通せない。自分たちの命運を左右する気候変動への取り組みが不十分だと若年層は不満を募らせている。

その意味で「行動」をタイトルに入れた今回のイベントは重要な意義を持つと思うのだが、どうも日本の(他の国のことはよく知らない)報道や世論は本筋からそれているようだ。

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June 17, 2019

「対面して辞退」を望む企業は16%

就職活動の内定辞退についてちょっと前に別のところで書いたのだが、その続報的な何か。

内定辞退マナーなど言語道断、破綻しつつある新卒一括採用と終身雇用の構造
Wezzy 2019.05.26

この記事で取り上げた日経記事では「内定を辞退する際には直接会って言え」という謎ルールを推奨していたわけだが、実際に調べてみたら、企業の側でもそんなことは望んでいなかったようだ。

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May 30, 2019

なぜ企業は大学に高望みするのか

一部で話題になっているこの記事。

なぜ経団連会長は「大学は、理系と文系の区別をやめてほしい」と大胆提言するのか
経団連・中西宏明会長×経営共創基盤(IGPI)冨山和彦CEO 就活対談#2
文春オンライン2019/05/29

ここではまだ昭和が生きているようだ。今は平成も終わってもう令和なのだが。

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February 25, 2019

コートはどこで脱ぐか

ちょっと前にマナーに関する記事を別のところで書いたのだが、そのとき落とした内容をここで少々。

「マナー違反」はなぜ人の心を惹きつけるのか 優越感やコンプレックスを刺激する恐怖マーケティング

就活関連のサイトで「マナー」としてよく出てくる「コートは会社の入り口に入る前に脱げ」というやつ。たとえばこれ。

就活で役立つ! コートのマナーと選び方・たたみ方
マイナビ2018/01/23
正解は「入り口の手前」です。例えば志望する会社の社内で説明会がある場合は、その会社の入り口の手前で脱ぎます。大きな会場の場合も、会場入り口の手前で脱いでおきましょう。コートを着たまま会社に入ってしまったり、会場に入ってしまうのはNGです。

就活サイトの記事だから、就活中の学生などはバイブルのように読みふけるのだろう。なんとも罪作りではある。

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September 20, 2018

例の特集を読んでみた

あちこちで話題になっている『新潮45』の例の特集。読まずに批判するのもどうかと思ってどこか道ばたに落ちてないかなと下を向きながら歩いてみたが見つからなかったのでしかたなく買った。この雑誌を買ったのは2度目。最初のときもあんまりな特集でネタとして買ったが今回もまあそんなところ。こうしてさぞかしたくさん売れたんだろう。よかったね。

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September 18, 2018

母親を責めて終わるのではなく

7月に報道された件、書類送検となったようだ。返す返すも痛ましい事故である。

抱っこで自転車、悲劇生んだ 子ども死亡、母を書類送検
朝日新聞2018年9月15日
電動自転車で走行中に転倒し、抱っこしていた当時1歳4カ月の次男を死亡させたとして、神奈川県警は14日、横浜市都筑区の保育士の母親(38)を過失致死の疑いで書類送検した。

自分の子を死なせてしまった母親やその周囲の人々の心中は察するに余りあるが、ネットでは予想通り、母親への批判の声が多くみられる。確かに、以下の状況をみる限り、落ち度があったことは否めない。

母親は7月5日午前8時25分ごろ、同区の市道で、次男を抱っこひもで前に抱え、左手首に傘を提げた状態で電動自転車を運転。過失によって転倒して次男の頭を強く打ち付け、死亡させた疑いがある。雨が降っていて母親はかっぱを着ていたが、提げていた傘が自転車のフレームと前輪の泥よけの間に挟まったことで、ハンドルが動かなくなり、転倒につながったと署はみている。

しかし、それだけで終わっていい話だとは思わないので手短に。

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